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飲料水の硝酸塩を減らせば多くの命が助かり数百万ドルが節約できる

飲料水中の硝酸塩濃度を下げることで、年間3億ドル以上を節約でき、毎年127件の大腸がんを回避できるようだ、というデンマーク・コペンハーゲン大学からの研究報告。

デンマークの水道水の硝酸塩濃度を分析した結果、飲料水の約 10% (人口ベース)は硝酸塩濃度が 9 mg/L を超え、さらに約 10% が 2018 年から 2021 年の平均で 4 mg/L を超えていた。

そこで、研究者らが飲料水中の硝酸塩濃度を下げるコストと利点を計算した結果、硝酸塩レベルを下げる方法に関係なく、その利益は硝酸塩レベルを下げるコストをはるかに上回ることが明らかになった。

仮に硝酸塩レベルが上限 9 mg/Lまで引き下げられた場合、大腸がんの症例は 72 件減少し、年間純利益は 1 億 7,900 万ドルになる。そして、上限をさらに下げて約 4 mg/L にすれば、さらに 55 件の症例を回避でき、さらに 1 億 3,800 万ドルを節約できたという。

それに対して、硝酸塩濃度を9 mg/L 以下にするコストは年間 900 万ドル、さらに 4 mg/L 以下にする追加コストは年間 600 万ドルであった。

「ここでは、大腸がんに関連した影響のみを検討していることを覚えておく必要があります。他の波及効果が存在する可能性は十分にあります。より高度な方法を使用して水を浄化することで、大腸がんに影響を与える可能性のある他の不要な物質も除去できる可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Science of The Total Environment

http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2023.167368


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