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介護保険の在宅サービス①

介護サービスといえば、「ヘルパーさん」のことを思い浮かべる方が多いと思います。今回は、在宅サービスについて記してみたいと思います。サービスの分け方はいろいろありますが、大きく二つに分けました。

要介護度に応じた単位数内で調整するサービス(※一部例外あり)
訪問系サービス
通所系サービス
福祉用具貸与
訪問+通所ミックスサービス
要介護度に関係なく、介護認定を受けていれば利用できるサービス
住宅改修
福祉用具購入
市区町村等の独自サービス

訪問系サービス
訪問介護(ヘルパー)、夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
訪問看護、訪問リハビリ、訪問入浴、※居宅療養管理指導

買い物や室内清掃、調理や洗濯など、生活に欠かせない役割を支援してくれるのが「訪問介護」サービスです。その他にも、自宅のお風呂で入浴する身体介助や、服薬管理と服薬確認、バイタル確認(血圧、体温測定など健康チェック)、通院同行など、サービス内容は多岐にわたります。介護福祉士の専門学校では、高血圧症の方の塩分制限食や腎臓病の方のたんぱく制限食の献立を作り、買い物、調理するという授業もあったとか。

夜間対応型訪問介護は、訪問介護と同じくケアプランに基づいて決まった曜日や時間帯にサービスを提供するサービスですが、「夜間帯」に限定されています。排泄介助やオムツ交換、体位変換、安否確認などに利用され、急に介助が必要になったときなども随時訪問し、相談・支援を行うことも可能です。

定期巡回・随時訪問型訪問介護看護は1日の訪問回数に制限がありません。月額定額制のサービスで、5~15分くらいの短時間の訪問が複数回必要になる糖尿病のインシュリン注射などの服薬管理やオムツ交換の支援を調整します。急に立ち上がれなくなった時など困った時に対応してくれる随時訪問サービスや訪問看護も受けられます。このサービスが始まったときにはいいサービスが始まったと思いましたが、勤務していた地域ではあまり広がらず、主にサービス付き高齢者住宅で提供されているのが現状でした。自宅介護の方の夜間のオムツ交換のために調整を試みたことはありましたが、利用者やご家族が事業者に自宅の鍵を預けることに抵抗があり実現しませんでした。

訪問看護や訪問リハビリは、主治医が必要性を認めた場合に利用できるサービスです。医師の指示のもと、自宅で看護師による医療的ケアや健康状態の観察、理学療法士や作業療法士によるリハビリを受けられます。訪問看護も訪問リハビリも介護保険だけでなく医療保険でも対応できますし、バイタルチェックや服薬管理などは訪問介護と重なるサービス内容もあり、どういう場合に利用するかはケースバイケースです。訪問看護は利用単位数が高いので、糖尿病でインシュリン注射が必要な方でも、ヘルパーさんが器具をセットしてメモリを合わせて、注射はご本人にしてもらう、というように訪問介護で対応している方もおられました。

訪問入浴は、自宅に簡易浴槽を運びこんで入浴介助を受けられます。主治医の許可は必要ありませんが、入浴前後に体調確認を行うため看護師と介護職で訪問します。

※居宅療養管理指導
通院が困難な方を対象としたサービスで、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士等の専門職が自宅を訪問し、健康管理や療養上の指導を行います。ケアマネージャーへの情報提供が条件で、ケアプラン作成に反映することになっています。
癌末期のターミナルの方を担当していた頃の話です。医療機関から退院後、医療保険で訪問診療と訪問看護をうけ、介護保険のサービスは介護ベッドのみのご利用でした。診療所と情報共有することなく約2週間後にお亡くなりになり、ケアプランに居宅療養管理指導は位置付けていませんでした。亡くなられてから2~3カ月後、訪問診療の情報提供書が送られてきて驚いたことがあります。「要介護認定③」の記事で介護保険の保険請求の流れを記載しましたが、居宅療養管理指導の算定にはケアプランへの位置付けは必要ですが、支給限度額(単位の管理)の対象ではありません。訪問診療事業所が保険請求したのか定かではなく、居宅療養管理指導は誰のための制度なのかと疑問に感じた出来事でした。

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