見出し画像

高齢者の疾患と生活習慣・環境

低栄養


高齢者の身体機能の低下を表す言葉には、フレイルやサルコペニア、ロコモティブシンドロームなどがあります。

サルコペニア・ロコモ・フレイル

動かなくて食欲が低下する場合や、食べれなくて活動量が低下するようなこともあります。

転倒や社会的孤立感から外出の機会が減少

活動量が低下し食欲不振
歯の調子が悪く、食事摂取量が減る

栄養不良となり活動量が低下


担当した利用者さんは、「口の中がにがい」と訴えていました。ご家族は大学病院などにも同行し、いろいろ検査を受けたのですが原因は分からずじまい。ご本人は元気になるために何とか食べたいと話されるのですが体重は激減、外出もおひとりではできなくなりました。ご本人は、食べ残したものをリメイクするようにヘルパーさんに指示されたり、偏ったものしか食べないため栄養不良は明らかでした。ご自身が食べたいと思うものを食べるようにしてみてはどうか?と尋ねると、「祖母から食べ物を大切にしなさいと言われて育ったので、食べ物を捨てることはできない。」と話されました。ご高齢者の幼少期は戦中戦後など大変な時でした。食べ物を大切にすることはとてもよく分かるのですが、支援の難しさを感じました。

主治医に確認後、薬局で売っている栄養補助食品を勧めると「これなら飲める」と喜んで飲まれ、徐々に食事摂取量も向上しました。食欲不振の訴えもなくなったのですが、半年ほどしてまた「食べられない。」の訴えが再発しました。栄養補助食品を飲んでいるか確認すると、おなかを下してしまうので飲んでいないと話されました。おなかが緩くなってしまう場合は、冷蔵庫で冷やさず常温で飲むといいそうです。

栄養状態の大切さを感じた例でもうひとつ。定期的にショートステイを利用していた90代の利用者さんですが、身体機能が低下して在宅生活が困難になったとご家族から老人保健施設の入所相談を受けました。認知症がおありで、ご本人からは身体の不調を聞き取ることはできません。ご家族に食事摂取量を確認すると、「食べています。」どんなものを、どのくらい?と尋ねると、「茶碗に一杯のおかゆと、なすの炊いたん。」この方には、入所後は食事形態を考慮したハーフ食(きざみ食+栄養補助食品)を提供しました。定期的に状態確認を行いながら栄養補助食品も必要なくなり、歩行できるまでに回復していました。

高齢者の食事のポイント
食事バランスガイド


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?