たたかえカプサイシン

朝6時。1時間半身浴。目薬をバシャバシャ突っ込んで軟膏を目の周りに。ワセリンを唇に。基本長袖ではあるが手の甲に日焼け止め。手首に蕁麻疹対策のステロイド。指先にはメロディー。夏の私はかつてなくヌルヌル。これまでの人生、一切洗顔も肌のケアもしてこなかった。なんなら体洗うのもせっけんを上からぶっかける程度だ。が、今夏の日光は完全に私を殺しに来ている。「来夏こそ何も塗布することなく過ごしてやる」と呪詛りごちながら、ヌトヌトになった指のやり場に困り洗面所へ急ぐ。

岡山ペパーランド。岡山はいつだって懐かしい。頻繁に行っていた頃のバンドもブッカーもほとんどいなくなってしまい、お待たせしてしまった。最近のセットリストはCD収録の曲が多いせいか物販がいつもより動いている気がする。もしかするとCDに収録されている曲を演奏すると物販が売れるのかもしれない。もしかすると新曲がアブいているのでレコーディングを謀ったほうがいいのかもしれない。現メンバーでは3度目のライブだが、何年も前から今夜が約束されていたようなタフでファンな演奏を特等席で体感している気になることができ、面白がる、嗤うことに積極的になることが自分にとって最も耐久性を高めるものなのかもなと、終演後の汗を拭きながら考えた。

イベントは健全なタイム感で18時撤収。飲酒もそこそこに会場を後にし、地獄のような激辛料理を食べ、あぁあぁという間に大阪。たまたま、なんとなく住んでいる街より、自ら歌うと決めて向かう場所が好きだ。自己決定の揺るぎない肯定。悲しくなりたくないのなら、お前もお前も今すぐSNSをやめろ。