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セルフメイクセラピー

今は2020年の6月。世界はどうなっているかというと、コロナウイルスという感染力激強の疫病が流行ってしまい、コンサートはおろか友達との食事すらも行きにくい世の中になってしまいました。感染者と直接接触せずともエアコンの風に乗ってウイルスが漂ってくる為感染してしまうという話も出ています。今は緊急事態宣言も解除され以前より出歩く人は増えましたが、外出する時は必ずマスクを着用する世界です。

私は職種上どうしてもリモートで働くことができないので平日はマスクを着用し出社、マスクを着用し働きマスクを着用し帰路に就きます。

私は化粧品が好きで、各シーズン毎新作コスメの情報を集めるのが趣味です。インスタやツイッターを血眼になって漁り好みの商品を探します。そしてメイクの中で一番重要なのはリップで、他をどれだけ手間かけて塗りたくったとしてもリップを忘れたら全てが台無しになると思っているタイプです。逆に他を塗り忘れてもリップだけでもしっかり塗っていればなんとなく完成形に見えます。なので「今日塗るリップ」を選ぶ事が重要な朝の儀式なんです。むしろそれが楽しいから朝起きたようなもんで、決して仕事に行きたいから起きたわけではありません。しかしマスク着用が義務化している今、このリップ儀式は全く無意味なものになりました。そしてアイメイクさえ面倒になり全てがどうでもよくなりました。

メイクしない生活、そしてコンサートの予定も無い今私は何のために生きているのか???今の私に価値はあるのか???という疑問が脳内を駆け巡りました。ドルヲタという趣味やメイクに拘るという趣味が無い人って普段どうやって自分の価値を見出してるのか本気で聞きたい・・・彼氏とかそういう事か???

私はナメていました。メイクの力を。メイクはただ自分の顔を華やかにするためだけのものだと思っていました。しかしマスクのせいで気付いたんです、メイクは精神安定剤だと。メイクをすることで自分が自分に興味を持つ。自分には何色が似合うんだろうか、どんな塗り方をしたらきれいに見えるだろうか。そうやって自分で自分を構ってあげるのがメイクの時間だという事。


このままでは自分のアイデンティティが崩壊すると思った私は、例え外に出ない日でも週末はメイクをする事にしました。そうするとだんだん早寝するようになり、部屋の片付けとかしちゃったり、他人とのオンラインでのやりとりが捗ったり、なんとなく心に余裕ができたような気がしました。何より楽しい。色を選ぶのが楽しい。誰かのためではなく自分自身のためにするメイクって楽しい。

大学で私は社会福祉を学んでいましたが、授業の中で「メイクセラピー」という単語が登場したことがあります。心身障害者や高齢者など援助を必要とする方にメイクを施すことで彼らのメンタルを支えるというものです。メイクは私達を助けるという事実を大学を卒業して5年たった今実感しました。なんか気分が優れないなぁ漠然と不安だなぁという気持ちが渦巻いている方がもしいらっしゃれば、コスメのオンラインストアを訪問する事をおすすめします。見るだけでも結構セラピーです。

余談、私が唯一誰かのためにメイクをする時、それがコンサートなので早く現場に、現場に、、、行かせてください

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