見出し画像

オトナの自然遊び 〜キャンプ編〜

大台町・”森にとまる 水とあそぶ” コース 第2回 2020/12/12-13

コロナ禍に伴い,アウトドアブームよるキャンパーが増加している。写真を撮ってSNSに載せることが前提のキャンプ,その実態はどのようなものなのか。

初めてのオトナキャンプを体験すべく,寒波直前の土日,三重県南部 大台町にある「犁谷公園 (からすきたにこうえん)」に訪れた。そこで知ったのは,

自然や地域住民への思いやりが
映えるキャンプにつながる

ということ。周りに迷惑をかけないよう,気遣いをすることが,どのようにキャンパー自身の「映え」へとつながるのか。

防災時にも役立つ,真似てほしいオトナキャンプマナーについて,ご紹介したい。

画像1

( 包み込まれるような宮川峡谷の山々。この景観が損なわれてはならない。)

1.場所の選び方

まずは,テントを張ったり,焚火をするためのキャンプ地について。

大台町では,民間のキャンプ場のほかに,「キャンプ指定地」を条例で定め,清流 宮川のほとりでのテント設営を許可している。

美しい自然や地域住民との適度な距離感を,アウトドア訪問客に守ってもらうためだ。

指定地以外での宿泊キャンプ,路上駐車やポイ捨ては,映えない上に大人げなく,自然を損なったり,住民の方々との揉め事にもつながりかねない。

定められた場所で,自然に敬意をもってテントを張ることが,映えキャンプへの第一歩である。

画像2

( 犁谷公園もキャンプ指定地のひとつ。)

2.地面の使い方

場所が決まり,いよいよテントの設営,暖を取るための焚火の準備だ。

ここで重要なのが、来た時よりも美しく。これが映えキャンプの鉄則である。

多くのキャンプ指定地では,直火が禁止されており,焚き火台を用いることが望ましい。

しかし,マナーの悪いキャンパーが直火をし,燃え切らずに水をかけた跡が残っていることもある。

画像3

( 映えるどころか,見つけた人の心が悲しくなる。)

また,河原でのキャンプ設営時,岩や石をよけ,寝床をつくることがある。

この場合,帰るときには元あったように石を戻し,人が来た形跡を残さない

次に来た人や地域の管理者への心配りであり,自然を堪能した者が果たすべき責任だ。

画像4

( 左:テント設営時…人がいた跡。右 :片付け時…より自然に近い。)

3.薪の集め方

人が生きるために,最優先しなければならないのが,体温の確保である。

秋冬のキャンプでは特に,焚き火をすることが多いだろう。

薪は,事前に用意しておくのが無難だが,現地調達する場合は,決して山の木を伐ったり,伐ってある木をとってはならない。

山も切り倒された木々も,山の持ち主の所有物であるからだ。

河原にある流木や、落ちているスギバを拾うことが望ましい。

画像5

( 乾いた流木は良い薪になる。)

4.水の使い方

キャンプの醍醐味のひとつに,アウトドアごはんがあるが,どうしてもゴミや洗い物が出てしまう。

ごみを持ち帰るのはもちろんのことだが,キャンプ地での水は,とても貴重であり,なるべく汚さないように使いたい。

そのためにまず,使い終わった鍋や食器は,新聞紙などで汚れを拭き取る。

共用の水道設備がある場合は,拭き取ったうえで,米ぬか洗剤など環境に優しい洗剤を用いて,洗うことが望ましい。

拭き取り切らなかった食べ残し等は,ザルなどに集め,水道場に直接流さないようにし,長く使えるきれいなキャンプ地を保つ。

画像6

( 一見パルメザンチーズだが、中身は米ぬか洗剤。撮影は学生スタッフの方。)


これまで,場所の選び方,地面の使い方,薪の集め方,水の使い方について,アウトドアマナーをご紹介してきたが,これらすべてに共通することがある。

それは,マナーを守らない人がいると,「他の人がやっていたから,自分もやっていいか」という,割れ窓理論的な負の連鎖を生むということだ。

恥ずかしながら,私自身,今回のキャンプに参加しなければ,ろくにマナーを知らないまま,前の人を真似てうわべだけの映えるキャンプをしていたと思う。

この記事を通じて,アウトドアマナーに興味を持ち,自然や地域住民の方々に思いやりをもったキャンパーが増えれば嬉しい。

そして,ほんとうに映える、マナーのあるオトナキャンプが連鎖することを願う。

画像7

( 台を用いた,趣のある流木焚き火。アルミホイルに包んだジャガイモは,イカの塩辛を挟んで優勝。)

まとめ

自然や地域住民の方々への思いやりが,映えるキャンプにつながる。

宿泊キャンプは定められた場所で,マナーを守って楽しもう。

直火は避け,来た時よりも美しく,人が来た形跡を残さないようにしよう。

薪は持参するか,河原の流木を拾おう。

水は大切に使おう。


今回のキャンプの手引きをして下さったのは,(写真右から)Verde大台ツーリズム ( https://verde-odai.co.jp/ )の野田 綾子さん,蕨野 美幸さん,大杉谷登山センター ( https://www.oosugidani.jp/ )の蕨野 祐樹さん。

そして,このプログラムの主宰である,三重大学 坂本 竜彦 教授。

画像8

( 生き方もかっこいい大人の方々。)

貴重な経験の機会を頂き,本当にありがとうございました。

写真は,iPhone8,FUJIFILM X-E3で撮影したもので,
カメラの勉強中です!
最後まで読んでくださり、感謝いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。                                  

画像9




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?