『英単語って面白い』
新企画『英単語って面白い』の初回
今日から毎週土曜日は『英単語って面白い』というテーマで英単語の面白さや雑学、覚え方など英単語に関する様々な知識を解説・紹介しようと思います。
ただの文字列ではない。
実はおもろい話が盛りだくさん!
おそらく現役中高生にとって、英単語というのは小テストがあったり、受験のために覚えないといけなかったりなど厄介な存在でしょう。
しかし、その一面はあくまでも英単語の表の一面でしかありません。実は多くの人が知らない面白い話や雑学などがつまっているのです。
この記事では、そんな英単語の知られざる一面をお伝え出来たらいいなぁと思います。
今回の英単語
今日の英単語は「deer」です。
まずは英和辞典での意味を確認しましょう。
ついでに、英英辞典での意味も確認しておきましょう。
今回はdeerの歴史を紹介!
現代英語(西暦1900年以降に使われている英語)では、「deer」は「シカ(鹿)」という意味で使われていますが近代英語(西暦1500年~1900年頃に使われていた英語)では「野生動物」という意味で使われていました。その証拠としてシェイクスピアの作品『リア王』を紹介したいと思います。『リア王』の一節に次のような一節があります。
時代が進むにつれて「獣/動物」という意味の「beast」が使われ始めそれに伴って「deer」が「シカ(鹿)」という意味に限定されるようになりました。
(その後、「animal」が動物全般を表す単語として使われるにしたがって「beast」が四本足の動物という意味になり、さらには野生の獰猛な動物に限定されました。)
ちょこっと英語史
日本語にも現代語と古典(古文)があるように英語にも古い時代の英語が存在します。今私たちが使っている(習った英語)に至るまでの変遷(歴史)を英語史と呼びます。英語史は4つの時代に区分することができます。
古英語:Old English; OE(450年~1100年)
中英語:Middle English; ME(1100年~1500年)
近代英語:Modern English; ModE(1500年~1900年)
現代英語:Present-day English; PDE(1900年~)
*古英語の時期に関しては実際に残っている文献が7世紀の終わり以降のものであるため、700年~1100年と表記されることもあります。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は「deer」の歴史について紹介しました。こんな風に英単語の歴史を見てみると意外な真実が見つかるかもしれません。次の記事でお会いしましょう!
参考文献・引用文献
平賀正子(2016)『ベーシック 新しい英語学概論』ひつじ書房
西光義弘編(1997)『日英語対照による英語学概論』くろしお出版
ジョーゼフT.シップリー著 梅田修・その他訳『シップリー英語語源辞典』大修館書店
南出康世編(2014)『ジーニアス英和辞典 第5版』大修館書店
Oxford University Press(2020)『Oxford Advanced Learner's Dictionary 10th edition』オックスフォード大学出版局
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