ハニヤ・ヤナギハラの新作は相変わらず長くてくどくて一気読みするしかないTo Paradise
ハニヤ・ヤナギハラの新作、To Paradise、読み終わりました。相変わらずヤナギハラ節全開です。
つまり、長いんですよ。(3部構成、700ページ)
くどいんですよw
でも読み始めるとやめられない。あんなに先が長いと思ってたのに、いざページ数が残り少なくなってくると、終わっちゃうのが惜しくなってくる。そして今回の作品は題名の通り、主人公が「もしかして幸せになれるかも?」って新天地を求めて出発するところでイキナリ終わるんですよ。それが3連発。その先ハッピーエンドなのかもわからない。ここまで読ませといて、それはないだろ、的な。
でもまぁ前作のA Little Lifeみたいに最後に奈落の底に突き落とされなかっただけ、マシ、というかw
そして名前がかぶる、かぶる。みんなデイヴィッド・ビンガムか、チャールズ・グリフィスか、エドワード・ビショップって名前。でも書き分けができてるので、意外にも混乱しません。それどころか、名前別に人気投票できそうなくらい。
テーマといえば、そうですね。家族、愛、遺産(親の資産&負の歴史両方)、辺りかなぁ。
個人的にはNYUのあるワシントンスクエア周辺の地名が出てくるたびに、この時代はあの辺、こんな感じなのか〜、って思っちゃいますね。
初っ端で、スピードバンプのように立ちはだかる「同性婚が当たり前」、というハードルさえ越えられれば、するっと世界観に入っていけます。
でもやっぱり3話目がキツいかなぁ。アトウッドあたりがよく書いている地獄のような近未来図が、コロナ禍の現実味と相まって、これは少子化が止まらない日本だって、政府の政策が暴走すればこういう社会になるよね、という寒気しかしません。
でも、みんな、家族を守るとか、この人となら幸せになれるとか、それで親の期待を裏切るとか、そういうことでもがくんだよなぁ。
で、今回、考えてみました。特にその作家が好きだとまでは言わないけど、寡作で、いざ新作が出るとえらく長くて重たくて…だけど読まざるを得ない、アメリカの3大小説家。ジョナサン・フランゼン、ドナ・タート、そしてハニヤ・ヤナギハラに決定です。
ということで次も期待してます。読みまっせ。
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