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小説同人誌の通頒で遊んだ話

特にリアルの頒布会に出る予定もない中、突如本を作りたい欲求がむくむくと膨らみ、通頒先行(場合によっては通頒限定になりそう)で薄い本を出しました。今回はそれについてのお話です。

諸々の手間や利便性を考えると、基本的にとらのあななどに委託することが殆どですが、今回はとにかく通頒で遊びたい気持ちが強く、自家通販で頒布を行うことにしました。
正直なところ自家通販にこだわることもなかったのですが、結果的にそうせざるを得なくなりました。

ここからは二次創作要素があるのでご注意ください。



今回の本は、「新聞広告」「都市伝説にまつわる人々のお話」が主軸の内容。そのため、本そのもののデザインはルポルタージュを彷彿させるものはどうかとデザイナーさんからご提案いただき、タイポメインのモノクロデザインで進行することになりました。

デザインと同時進行で今回の仕様も検討していたのですが、コンセプトやデザインからざらっとした特殊紙表紙が似合いそうだったので、栄光さんから表紙用紙見本を取り寄せ、仕様を決定しました。

表紙用紙 ボス 160.0kg 雪
加工   なし
本文用紙 書籍用紙 90.0kg 淡クリーム
サイズ  A5
ページ数 48ページ(表紙込)
印刷所  栄光
※遊び紙なし

ざらっと具合と紙の色味がちょうどよくてボスの雪に決定。出来栄えにもすごく満足したので、特殊紙使いたいときにはやっぱり紙見本は必須だなあと改めて思いました。

特殊紙を表紙にすることを決めてから、あることが気になるようになりました。
それは表紙が傷つきやすいこと。PP加工した本に比べて、特殊紙表紙でPP加工をしないものはやはり周囲環境の影響を受けやすく、ちょっとした衝撃でも跡がついたり、傷ついたりしがち。

そこで最初に思いついたのはブックケース。

デザイナーさんへの依頼内容(という名の独り言のような)

最初にあったのは、カラフルなボックスの中から現れるモノクロの本、というイメージでした。色鮮やかな世界から、まるで新聞の紙面のような、古い映画のような、白黒の世界に引き込まれる感じ。
我ながら良いイメージだなあと思い、いろいろとブックケースを見ていたのですが、これだ!といったものも見つからず、、、そもそも本が薄いしブックケースがベストというわけでもない。
というわけで別の案を検討し始めました。

ここで絵を描ける方だったら、自分のイラストでグッズを作ろう、という発想になるのかもしれないのですが、当方、字を連ねることが精いっぱいの字書きの端くれ。かと言っておまけSSをつけるのも、今回はなんだか違うなあと思い、暫く悩み続けていました。

コンセプトから再検討

特殊紙表紙だから傷つきやすい。カラフルなものの中からモノクロが出てくるのはかっこいい。ちょっとこのあたりから視点をずらして、改めて今回の本のコンセプトから検討することにしました。

本の主題は、ひとつの新聞広告を巡る人々のお話、そして彼らの物語を通して推しカプを描くことにありました。
その新聞広告を見た者はある店を訪れることができる。しかしその店をもう一度訪問しようとしても、過去にあった場所にその店は存在していない。

そういうお話なので、「隠れ家的な店に置いてありそうなものにしよう」という方向に楫を切ることに。加えてどうしても紙製品で何かしたい気持ちがあったので、紙でできるものを探し続けていました。
なぜ紙にこだわっていたのかというと、やっぱり新聞広告がテーマなので。
ん〜紙でできること、ブックケースじゃない何か、隠れ家的な店からのメッセージになるもの……

ムエットだ!

急に語る

デザイナーさんに急に語り、そしてデザイナーさんから頂いたデータで作ったカードがこちら。

すてき

最初はショップカードみたいなものも考えましたが、二次創作のグッズ制作という観点からしてアウトな気がしたので、抽象的なデザインをお願いしました。

実際に形にしていくまで

そしてムエットなので香水を選ばないといけないのですが、オリジナル香水を作るか、または既存の香水を利用するかで悩んでしまいました。
が、香りが消えた後になにか再現性があるほうがいいのではないかと思い、既製品の香水から選ぶことに。

香水はcelesさんでムエットを何種類か注文し、その中からこれはというものを選びました。
直接店頭に行くよりも手っ取り早く、幅広いブランドから探せるので。

そして選んだのが、バイレードのエム/エムインクです。

その名のとおり、墨がテーマの香り。実際に匂いを聞くと、インク単体というか、インクがぎゅっと煮詰まったような、不思議な香りでした。君に決めた!!

説明カードみたいなものを作りました。
名刺サイズです。

最初は香り印刷みたいなものも候補にあったのですが、どうもぴったりな香りが見つからず、印刷所の選択肢も狭まるので、ムエットという結論に至りました。
香りものは苦手な方もいらっしゃるかと思いましたので、最終的にOPP袋に封じています。

そして特殊紙傷つきやすい問題は、グラシン紙の封筒に入れることで解決することにしました。

少しくすむのがまた良い
ムエットはOPP袋に入れた状態で、グラシン紙封筒の中に入れました。

これをさらに緩衝材つきの封筒に入れて皆様にお届けしています。
そうです。
ムエットをつけることにしたのでやむなく自家通販になりました。

今回の感想

同人誌って何しても基本自己満だし、そうであるべきだと思うのですが、それでも今回はかなり遊びました。
そして自家通販するには若干多い数を発送しているのですが、そのやり方を工夫するのも含め、同人活動だなあと改めて実感しています。また遊びたい。(ヤマトのお姉さんにはご迷惑をおかけしました)

そして今回このようにたくさん自由に遊べたのは、私のあらゆる無茶振りに応えてくださったデザイナーのマヨネーズさんのおかげです。
本当にありがとうございました。

マヨネーズさま(@mayonnaise_inc)

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