小説同人誌の装丁の話
なんだか本を出しまくって疲弊した2021年。ジャンル移動した2022年。
同人誌を出すのはしばらく良いかな〜と思っていたのに、気がつけば2022年の暮れに小説同人誌を発行していました。
今回はその話です。
ここからは二次創作要素があるので注意。
友人に誘われ、12月のイベントに出ることを決めたのが夏ぐらいのこと。
具体的になんの話を書くか決めていなかったので、4月からちまちまweb連載していて、長くなりそうだった話を再録することにしました。
そこからなんとかかんとか書き続けて約15万字超。ウェブへの連載を終えた後もかなりの修正・加筆を行い、二万字程度の書き下ろしも書いてなんとか発行まで漕ぎ着けました。初めてこんな文字数書いた。
仕様など
そんなに凝ったことはしていないのですが、仕様をば。
小説でも本文の見え方が全然違うのでぜひオフセット印刷したかったのですが、それが出来るくらいの部数を出せて良かったです。やっぱり綺麗だった、最高。最近のオンデマもめちゃめちゃ綺麗なんですけどね。オンデマはなんとなく字が太るのが気になる。
バカみたいな厚さになりました。それなのにA5だから存在感がすごい。一人で書いたひとつの話なのにアンソロみたいな重量感がある。
本文用紙は90kgにしましたが、厚すぎるということもなかったです。栄光の書籍用紙はこれか、またはかなり薄い紙しか選べないのですが、厚い文庫本を作るなら薄い紙のほうがいいのかもしれません。
クラフト紙の遊び紙、表紙の色合いと合っててイイ。
遊び紙、うまく入れないと却って邪魔になる感じがしてしまうのですが、これはわりとナチュラルに仕上がっていてよかったです。
というか、小さい判型の本で遊び紙が厚すぎると邪魔になっちゃうのかも。
あと、中表紙のタイトル部分に背景を入れるのにハマってます。なんとなく。
本文フォントはちくご明朝体にしました。
普段はこぶり明朝体を使うことが多いのですが、今回は途中明治時代の話も出てくるので、もう少しオールドスタイルなフォントにしたく、ちくごで。
筑紫明朝とかもいいけれど、本文だとくどいかな。短い話なら行けるかな。
書き下ろしとは別に、二ページだけの書き下ろしを奥付けの後ろに入れました。なんか最近流行ってるイメージ。
Cメロみたいで好き。忘れた頃にまたやりたいです。
デザインの話
デザイン表紙のときにはデザイナーの方にお願いすることが多いのですが、今回は納期諸々の事情もあり自力でやることに。
依頼するときも自力でやるときも、ピンタレストでイメージになるデザインを探します。何でもかんでも、無からは生まれない。
イラストを依頼する際、木漏れ日の下にいる二人のイメージがあったので、それに合うデザインを探していました。
グリーン、自然、漫画、…みたいなワードであれこれ検索し、イイなと思った表紙がこちら。
このイメージをベースに置きつつ、もうちょっとアニメ的な表現でもいいかなと試行錯誤して最初のデザインになりました。
元にしたデザインはもう少しアナログチックな表現ですが、光らせたり透けさせたり影をつけたり、意外と手を入れてしまいました。でもアナログな雰囲気の平面的デザインは寧ろ技術が必要な印象なので、デザイン素人はこれくらいが良いのかも。
それに、全体的にはシンプルなデザインが寧ろマットPPに映えていい感じになりました。
因みに裏表紙はほぼ手を入れていません。素材だけぶち込み、あとはサークルロゴ。
特に字書きにおすすめしたいのですが、サークルロゴを一度プロに作ってもらうと、どんなシンプルな本にしてもそれを入れれば一気に洒落ます。
ぜひ。
振り返り
またデザイン表紙もいいな〜と思うし、頼めるならイラスト表紙もいいな〜と思っています。
装丁にももっとこだわってみたいなあという気持ちはずっとあります。でもそれ以上にまた分厚い本を出したいな〜という気持ちが強い。
シンプルな本もイイとは思うんですが、手に取ってワクワク、時間が経ってワクワクするのは、何か作者のこだわりが全身から溢れ出している本だなあと思います。
表紙デザインに関わらず、せっかく紙の本にするなら、紙の本にしかできない表現も沢山やりたいなあと夢ばかりが広がる今日この頃。
何か形になるものをつくるのって、やっぱりテンション上がりますね。