2-71 終わりを克(よ)くするの美を保たん いっそう自戒につとめられて、有終の美を飾られんことを願いあげる。 嗜好、喜怒の感情は、賢者も愚者も同じように持っている。 賢者はうまく押さえて、過度に発散させることはしない。 (おわり) #貞観政要71 #第10章守成の心得
2-70 つねに危亡を思う 天下が平和に治まっているからといって、いささかも気をゆるめず、つねに滅亡にいたらぬように気を引き締めて、終わりをまっとうしたいと考えている。 過去の帝王のなかに、反面教師を求めることによって、第三者の目を持つ #貞観政要70 #第10章守成の心得
2-69 谷那律(こくなりつ)、太宗の狩好きを諌める 太宗が狩に出る途中、諌議大夫の谷那律に、着衣が雨の浸みを防ぐ方法を尋ねた。 谷那律は、瓦でつくったものであれば防げると答えた。 しばしば狩などにお出ましになるなという意味である。 #貞観政要69 #第10章守成の心得
2-68 止足を思わず、志、奢ビに在り 取るに足らぬ事柄をあえて処罰するのは、陛下の気持ちが、足ることを忘れているからである。 #貞観政要68 #第10章守成の心得
2-67 戦いを忘るれば人殆うし 国内が平和に治っていても、戦いを忘れてしまえば、侵略の危険にさらされる。 備えあれば憂いなしというのが、軍事の鉄則である。 #貞観政要67 #第9章用兵の限界
2-66 あに一女を惜しまんや 人民のためとあれば、姫一人を惜しんではおれない。 兵は凶器、国を滅ぼす元であり、聖人の慎むところである。和親の策こそ天下万民の幸いである。 #貞観政要66 #第9章用兵の限界
2-65 百姓において損あらば、なさじ かりに自分の身に益があっても、人民を苦しませることは、断じてしない。 服属を許した国の危機には、兵を出して救援にかけつけなければならない。将兵の労苦は並大抵のものではない。 #貞観政要65 #第9章用兵の限界
2-64 兵は凶器なり 兵は凶器である。万やむをえざるときに用いるものである。 古来、いたずらに兵をもてあそんだ者は、いずれも滅んでいる。 #貞観政要64 #第9章用兵の限界
2-63 しばしば戦うは亡ぶるの道 まっ先に滅びる国はどこか。 しばしば戦って、しばしば勝利を収める国である。 しばしば勝てば、王は得意満面となり、しばしば戦えば、民力は底をつく。 #貞観政要63 #第8章刑罰の論理
2-62 国家の法令は簡約なるべし 国の法令は単純明快で有るべきだ。 しばしば法令を変更するのは、世道人心の不安を招くもとである。法令を制定するさいには、慎重に条文を検討し、曖昧な規定は避けなければならない。 #貞観政要62 #第8章刑罰の論理
2-61 務め、寛平に在るべし 法の執行は、寛大、公平な裁きを心掛けてほしい。 現代の法は昔の時代よりもゆるやかであるが、とかく過酷なものになりはしまいか心配である。 #貞観政要61 #第8章刑罰の論理
2-60 親(しん)といえども必ず罰す 国政に臨み、法を適用するにあたって、えこひいきがあってはならぬ。 私情にかられて罪を許すなら、他にも罪を免れる者が出てくる。 #貞観政要60 #第8章刑罰の論理
2-59 法を用うること寛簡に在り 一度死んだ者は二度と生き返らせることができない。法の適用は、なるべくゆるやかにすることがのぞましい。 公平で人柄のよい人物を司法官に任命し、その裁きが妥当適切なものであれば、俸禄を増し黄金を下賜する。 #貞観政要59 #第8章刑罰の論理
2-58 すべからく本(もと)を務むべし 根本のところをしっかりとおさえておかなければならない。 君主が無為の政治を行えば、人民の生活は安定し、逆に、君主が欲ばった政治を行えば、人民の苦しみは増す。 #貞観政要58 #第8章刑罰の論理
2-57 重臣と親王の序列 漢・魏の時代から唐の時代まで、公の場における親王の序列は、三公の下位ときまっている。 儀に及ばぬことは、法令ではっきりと規定されているため、即刻やめさせるべきである。 無用の混乱を招くことを恐れたからである。 #貞観政要57 #第7章学問の効用
2-56 国史の修改を命ずる 唐の太宗は、現代の国史を編纂して、提出することを命じた。 その中で、史官にありのままの表現に修正を命じたことは、公平無私といえる。 #貞観政要56 #第7章学問の効用