流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~微アルコール飲料編~
私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。
本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。
17回目は、「微アルコール飲料」を取り上げます。ビールテイストやカクテルテイストなど、ノンアルコール飲料よりもお酒本来の味わいを活かすよう工夫されており、アルコールが強くない人にも注目されています。今回は20~59歳の男女を対象に、どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。
1.「微アルコール飲料」の現状と認知度
微アルコール飲料とは、0.00%のノンアルコール飲料とは異なり、アルコール度数が1%以下の飲料を指します。ノンアルコール飲料よりも、本格的なアルコールテイストを楽しむことができます。アルコールが苦手だけどお酒を楽しみたい、ノンアルコール飲料では物足りないといった人や、健康志向の人でも気分やシーンに合わせて気軽に飲めるのが魅力です。
「微アルコール飲料」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
・微アルコール飲料の認知率は全体で73%
・「知っているし、飲んでいる」という現在飲用率は全体で10%
・「知っているし、以前飲んでいたが、いまは飲んでいない」を含めた飲用経験率は全体で22%
「微アルコール飲料」の認知率は全体で約7割でした。男女別では、男性が76%、女性が71%とやや男性が高くなりました。
年代別では、男女ともに20代より30~50代のほうがやや高い認知率で、もっとも高いのは30~50代男性で76%でした。
「知っているし、飲んでいる」という現在飲用率は全体で10%、「知っているし、以前飲んでいたが、いまは飲んでいない」を含めた飲用経験率は全体で22%となっています。現在飲用率、飲用経験率ともに女性よりも男性のほうが高めとなっています。女性では、飲用経験率が20代よりも30~50代でやや高めでした。
2.どのくらいの人が飲んでいそう?~現在の流行体感~
次に、「微アルコール飲料」を飲んでいる人が、現在身の回りにどのくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が飲んでいそうかをスコアとして算出した数値です。
その結果「微アルコール飲料」の流行体感スコアは全体で「11.7」で、およそ8~9人に1人が飲んでいるイメージを持たれていることがわかります。
男女別ではスコアに大きな差はみられませんでした。年代別にみると、女性ではあまり差はないものの、男性では30~50代と比べて20代のほうが高くなっていました。
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が飲んでいると思うか」を想像して答えてもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に飲んでいそうかをスコアとして算出した数値です。
「微アルコール飲料」の流行予想スコアは全体で「28.5」で、およそ3~4人に1人が1年後に飲んでいそうというイメージでした。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の2.4倍浸透しているというイメージになります。男女別でみると、男性よりも女性のスコアがやや高くなっていました。年代別にみると、男性では30~50代に比べて20代のほうがやや高くなっています。
「微アルコール飲料」を1年後に飲用していそう/していなさそうと思う、それぞれの意見をご紹介します。
4.自分は飲用してみたいか?~今後の飲用意向~
次に、今後の飲用の意向について回答してもらったところ、飲用意向がある人の割合(「ぜひ飲んでみたいと思う」「機会があれば飲んでみたいと思う」の合計)は全体で43%となりました。一方、飲用意向がない人の割合(「あまり飲んでみたいと思わない」「まったく飲んでみたいと思わない」の合計)は全体で44%となり、飲用意向がある人・ない人の割合はほぼ同率となりました。
男女別にみると、飲用意向がある人の割合は男性よりも女性のほうが高くなっています。年代別では男女ともに20代のほうが高く、20代女性では5割強ともっとも高くなっています。
「微アルコール飲料」の飲用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
5.「微アルコール飲料」は今より2.4倍伸びる!?
ここまでの主な数値をまとめてみました。2022年3月9日時点での「微アルコール飲料」の認知率は73%、現在飲用率は10%でした。
流行体感としては、全体で”およそ8~9人に1人が飲んでいる”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の2.4倍である”およそ3~4人に1人が飲用していそう”というイメージを持たれています。
男女年代別にみると、今後の飲用意向では20代女性が他の層よりも高く、5割強の飲用意向があります。
また流行体感スコア、1年後の流行予想スコアともに、男性では30~50代に比べて20代がやや高くなっています。女性では年代の差はほぼみられませんでした。
お酒に弱い人でもアルコールを楽しめる「微アルコール飲料」。約7割が認知している一方で、実際に飲んだことがある人は2割程度でした。
「飲みやすい」「少しだけ酔って楽しみたい」「ランチでも飲める」といったメリットを感じる人もいる一方で、「ソフトドリンクでよい」「おいしくなさそう」といった意見もありました。そのときの気分や体調に合わせて、幅広いシーンで楽しめる微アルコール飲料。今後の飲用率が拡大していくのか注目です。
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の20~59歳男女
実施時期:2022年3月9日~2022年3月11日
有効回収数:1582サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります
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