毎日王冠回顧

 過剰人気と見てダノンキングリーを軽視していただけに、出遅れた瞬間ガッツポーズをしてしまった(嗤い)が、最後に舌打ちする結果となった。個人的な是非はともかく、早速回顧してみよう。

 レースラップは以下の通り。
12.9 - 11.3 - 11.3 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 11.2 - 11.3 - 11.8(勝ちタイム1分44秒4)
 同日2勝クラスの平場戦が、
12.3 - 11.2 - 11.8 - 12.2 - 12.0 - 11.1 - 11.2 - 11.7(勝ちタイム1分33秒5)
となっている。

 GⅡ且つGIクラスの逃げ馬アエロリットが出走しているレース。当然このぐらいの厳しいペースになっておかしくないのだが、やはりこのレベルの出走馬とは言え、脚が上がった馬が何頭か見受けられ、スローペース症候群に慣れすぎている馬が多いなという印象を受けた。レース予想に書いたペース予想、タイム予想については、そのままドンピシャなのは良かったが、馬券が当たらないと意味がないので何とも……。レコードにコンマ2秒なので、極端に馬場が良いわけでもないレースとしては、かなりレベルが高かったのではないか?

 勝ったのは、出遅れながら最後方から差してきたダノンキングリー。結果的に見れば、展開上は番手じゃなくて正解だったのかもしれないが、出遅れるということはそれだけ物理的な不利自体は生じているわけで、馬場も割と前が残る馬場である以上、強い競馬だったと思う。仕上げもある程度余裕があったように思われ、上がり目もまだあるかもしれない。ただ、今回の競馬は偶発的なものだったが、これに味を占めて中団辺りからの競馬にするようだと、この馬の良さが消える様な気がするので、そこは注意して見ていきたい。

 2着のアエロリットは、こういうペースで逃げて後続の脚を封じる競馬なのだから、津村にしては良く乗ったと思う。差した馬が強かった、それで良い。この後は天皇賞(秋)のようだが、マイル戦よりは中距離でのタイトな流れを作り出す方が、相対的に向いている(この点サイレンススズカ的な馬と言える)と思うので良い選択だと考えている。逆に言えば、天皇賞秋はかなり厳しいレースになることが予想出来る。

 3着のインディチャンプは、アエロリットを終始マークする形で、福永にしては良く乗ったと思うが、一時先頭に立ったものの、最後は逆に突き放された。4コーナーの手応えからして、楽に勝てるかと思ったが、ここが1F距離が長いのか、仕上げ方が足りなかったのかは微妙。まあ先頭には立ったのだから距離と見るべきかな……。休み明け初戦としては、可もなく不可もなくというところだろう。このペースで楽に先行出来たことは、これから先を考えると悪くはないと思う。

 4着のペルシアンナイトは、府中ならこんなものかという感じ。往年の力はないのかしれないが、かと言って全盛期でも府中はコロッと負けているので、着差を見ても悲観する内容ではなかろう。右回りではまだ買える馬だ。

 正直5着のランフォザローゼスには驚かされた。ここ2戦の大凡走が嘘のように、着順だけでなく、着差も見られるレベルにまで上げてきたからだ。厳しいレースだけにフロックとも言い切れず、多少状態が上がってきたということなのだろうか。調教評価も個人的にはかなり低く(C評価)見ており、見る目がなかったと言われれば仕方ない。

 モズアスコットは結果的にはやや太めだったとは思うが、ダノンに一気に交わされたのは、力的に往年のレベルにないのかなと。今回は推していただけに残念だがこれが現実なのだろう。

 ギベオンは一瞬来るかと思ったが力負け。ケイアイノーテックも来れず、内枠、ディープ馬場でもこの着順なのだから、今回は用無しだったということで。ここら辺を買っていた自分に見る目がなかったという話。

 総評としては、おそらくこれでダノンキングリーは、サートゥルナーリアと共に斤量もあり天皇賞(秋)で人気になるのだろう。3歳馬が1、2番人気を占める可能性もあり、本番ではどうなるか楽しみでもある。個人的には古馬相手には、本番ではそう楽ではないと思うのだが……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?