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上半期LINEジャーナリズム賞発表!心を動かす、多彩な6記事を選出

「LINEジャーナリズム賞」をご存知でしょうか?

LINE NEWSでは、その年に配信された数百万本の記事の中から、記事閲覧数・ユーザーのアクションなどをベースに、「LINEで社会課題を工夫して伝える」という観点に基づき、優れた記事を独⾃に選出、表彰しています。それが、2019年から実施している「LINEジャーナリズム賞」です。

過去3回は年末に1記事を表彰してきましたが、より多くの良質な記事・書き手にスポットを当てたいという思いから「上半期LINEジャーナリズム賞」を新設しました。

今回は、2021年11月〜2022年6月に配信された250万本を超える記事の中から「上半期LINEジャーナリズム賞」に選ばれた6記事を紹介します。

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新品ランドセル、黒を選んだ娘にひやり
外国人ママが直面した「日本のフツウ」を見つめる

朝日新聞withnews(2022年3月28日掲載)

編集部コメント

日本で子育てをするモンゴル出身の女性が、日本の「フツウ」(暗黙の常識)と、どのように向き合ってきたのか。当然ながら、日本とモンゴルは文化も、子育てへの考え方も違う。また日本人であっても、「日本のフツウ」に違和感を覚えることはあるし、昨今はフツウを押し付けるのではなく、多様性を認めていこうという考えもある。記事を通じて、読者に「フツウ」を考え直す機会を与えてくれている。

LINE NEWS編集部 野村純平  

日本の子育てを巡る「フツウ」を外国人ママの視点で見つめ直した記事。外国人視点で浮かび上がる「暗黙の常識」への苦悩や気づきは、文化の違いはあれど不思議と共感できる部分も多い。一方で自分自身も大多数に漏れず「フツウ」を上塗りしてきた1人なのかもしれないと気づかされた。日本での子育てに悩む外国人の方はもちろん、日本人にとっても多様性について改めて考えさせられる内容。

LINE NEWS編集部 中熊裕也

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震災から11年 行方不明になった妻を捜し、
今日も女川の海に潜る夫

仙台放送(2022年3月5日掲載)

編集部コメント

妻を捜索するために潜水士の資格をとり、66歳になる今年も海に潜られている男性へのインタビューは、「3.11」を伝える多くの記事の中でとても印象に残った記事だ。写真や動画を使って、男性の震災後の人生を伝えている。また、単純なインタビューではなく、行方不明者が多く出ている地域の共通点や、広大な捜索範囲の理由も解説されている。行方不明者を見つける難しさをしっかりと理解できる。この記事を読むことで、震災から11年以上たつが今も東日本大震災は終わっていないことを実感させられた。

LINE NEWS編集部 春名宏希

初めて読んだ日から頭に残っており、選考の際はこの記事が真っ先に浮かんだ。愛妻を捜索するため潜水士の資格をとり、海に向かい続ける方を取材した記事。文中にある、「大丈夫?帰りたい。」と打たれた携帯電話のメール画面を見た時、スマートフォンをスクロールする指が止まった。津波への恐怖を感じているはずの妻の、夫を気遣う文面だった。海に潜った回数は約500回。その間に誕生した孫の笑顔は、妻を捜す原動力にもなっているのだと思う。動画やグラフも駆使し、何より丁寧な取材で男性のこれまでと今を記している。

LINE NEWS編集部 青木務

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ついていったらマルチだった―。
"洗脳"で全てを搾取。
「潜入取材」で暴いた正体と、首謀者の言い分

毎日新聞(2022年4月28日掲載)

編集部コメント

今も若者に魔の手を伸ばし続ける、特商法に抵触しないよう考え抜かれた「脱法マルチ商法」…正体を突き止めたい記者の使命感…。組織の手口の詳細が丁寧な取材で明かされている。記事中に複数ある一部加工した画像に写る若者はきっと誰もがすぐ近くで見つけることができるだろう。高い読了率が示唆するものは、身近な声掛けをきっかけとした潜入取材からはじまり、この先いったいどうなるのだろうと読む人の感情を揺さぶる記事構成の巧みさにあらわれていると思った。

LINE NEWS編集部 仲間悠人

街で手当たり次第に周囲に声をかける若者たちはいったい何者なのか。記者の好奇心と使命感から始まった取材は、「脱法マルチ商法」に突き当たる。自ら体験した者にしか書けない圧倒的なディテールと、丁寧な取材による記事は、何よりの注意喚起となる。組織に時間、金、心を搾取されるのはどこにでもいる普通の若者たち。「事業のため」と金の無心を続ける息子に、親の言葉は届かない。「あなたは、ついていきますか?」。最後の一文が重い。

LINE NEWS編集部 葛西耕

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不妊治療で追い詰められた先の幸せ、血のつながらない子と
家族になった夫婦の選択

読売新聞オンライン(2022年6月6日掲載)

編集部コメント

不妊治療の末に「血のつながらない子と家族になる」という選択をした夫婦について書かれた記事。「努力すれば報われる人生」から一転、決してかなわない現実に直面した夫婦が、特別養子縁組により子どもを迎えるまでの葛藤や覚悟が丁寧に描かれている。
初めて長男と会った日の気持ちを、声を震わせながら記者へと吐露した夫婦。記事内の動画から聞こえたその声は重くリアルに響き、テキストだけでは伝えきれない感情を読者へと届けている。

LINE NEWS編集部 前田将博

日常的に語られることが少ないが故、それぞれの家族の成り立ちや在り方はそれぞれの中に内包され、外側からは想像することが難しい。不妊治療に追い詰められ、葛藤を経て特別養子縁組により長男を迎え入れた夫婦。そこに綴られているのは、私たちの知り得なかった1人の"隣人"の家族の成り立ちだ。夫婦の心の動きを主軸に、各種調査資料やインタビュー映像を挿入することで多角的に構成された当記事は、身近に内在する"見えない現実"を立ち上がらせ、家族とは何かを深く問いかける。

LINE NEWS編集部 佐藤雄一郎

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"言葉にしてはいけない思い?" 語り始めた母親たち

NHK NEWS(2022年5月24日掲載)

編集部コメント

過去に戻れるとしたら、もう一度母になるかーーもし自分の母親がこんな質問をされたとして、「はい」と答えてほしい私たちの思いの裏には、母親=子どもに無償の愛を注ぐ存在、という社会的な前提があるのかもしれない。
2016年にドイツで出版され、各国で話題の書籍『母親になって後悔してる』は、冒頭の質問に「いいえ」と答えた母親へのインタビューで構成された一冊だ。同書の著者や、母親たちへの綿密な取材を基に書かれたこのNHK NEWSの記事が示す、"子を生んだ母親の後悔"を社会がどう受け止めるか、という問いの持つ意味は大きい。

LINE NEWS編集部 島村優

13の国と地域で出版されている書籍「母親になって後悔してる」から、現代社会を悩ます「女性の苦しみ」を多角的に捉えた記事。母性という言葉は、想像以上に重く女性たちにのしかかる現状をわかりやすく解説されており、読み終えて肩の荷が軽くなった。「母は人間を越えた女神のような存在ではありません」の一文で救われる女性は多そうだ。これまで言われてきた「幸せ」のしがらみに悩む人は多く、こうした声が浸透していくことで、多くの人たちが悩みから解放されていくことを願う。

LINE NEWS編集部 嘉島唯

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ウクライナは「他人ごとではない」
ロシアに奪われたままの故郷 日本にある領土問題

STVニュース北海道(2022年6月3日掲載)

編集部コメント

2022年2月にロシアが侵攻を開始したウクライナの状況は日々のニュースで聞こえてくるものの、77年前、「同じように」ソ連兵に故郷・色丹島に土足で踏み入られた経験を語る取材対象者の言葉は格段に重い。ビザなし交流を通してロシア人の「息子」ができたことについては、領土返還を巡る複雑な思いや隔たりが丹念な取材によって引き出され、ニュースを表面だけで捉えてはいけないことを強く感じさせられる内容だ。

LINE NEWS編集部 杉本良博

「他人ごとではない」。色丹島元住民への取材を通じて、ウクライナ侵攻が遠い世界の話ではないことを感じさせる。住んでいた家を旧ソ連人に奪われ、その横にある物置小屋で生活した—占領された色丹島での出来事だという。国家の対立で翻弄されてきた人々の歴史を描きながらも、"ビザなし交流"から始まったロシア人との交流など、認識の相違があるという現実を認めつつ人々が絆を深め、未来へつなげていこうとする思いを力強く伝えている。

LINE NEWS編集部 中山佑輔

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東日本大震災から11年を経た被災地で暮らす被災者の“今”を取材した記事、世界情勢が決して他人事ではないと知ることのできる記事など、多彩なラインナップとなりました。

下半期にはどんな記事が配信されるのか。日々いろいろなニュースをお届けしているLINE NEWSをぜひ覗いてみてください。


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