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「速報」は1年で300本、LINE NEWSはどう届けている?

新型コロナウイルスの世界的流行や東京五輪の延期、菅新内閣の発足など、2020年は非常に関心度の高いニュースが立て続けに起こりました。その節々でLINE NEWSはLINE公式アカウントやニュースタブで速報をお届けし、その数は299本にのぼります (2020年12月21日現在)。LINE NEWSはどのような意識のもとで速報を配信し、どのような体制を敷いているのか。また、速報を巡る問題に直面した際にどのようなアクションを起こしているのかご紹介します。

プッシュ通知でしっかりニュースをお届け

LINE NEWSの速報は、以前ご紹介した「LINE NEWS DIGEST」と同じく、約3,000万人の友だち登録者にプッシュ通知形式で届きます。プッシュ通知は、スマートフォンをはじめとするモバイルデバイス特有の機能であり、ニュースとの相性が良いと考えています。LINEはメッセージのやりとりでプッシュ通知が使われていますので、そのなかでサービスを運営するLINE NEWSは、プッシュ通知を用いてニュースを届けることにも力を入れて運用しています。

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速報を「速く確実に届ける」ためにやっていること

LINE NEWSは、速報について「速く確実に届ける」という意識を徹底しています。速報を「速く確実に届ける」ための1本目の柱は、編集部のパフォーマンス向上(人の力)、もう1本の柱はシステムの開発やアップデート(テクノロジーの力)です。

編集部には1日約10,000本の記事が媒体から届きます。編集部は、これまでの経験や指針に基づいて速報すべきか否かなどの議論を行い、スピードを意識した意思決定を行います。速報は、編集部が操作画面の「送信」ボタンを押した瞬間に膨大なユーザーに向けた配信が開始されるため、慎重な意見が出ることもあれば、すぐに知らせるべきといった積極的な声があがることもしばしば。

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速報配信の速度に影響するのは、何より情報をキャッチアップする能力です。編集部は常時、SNSに流れる情報やテレビの速報を確認したり、事前に情報を共有したりしています。配信の有無を巡り意見が分かれた案件については、後日振り返りの議論を行い、「次回の判断」に向けた知見を積み重ね続けています。

また、重要なニュースをもれなく察知できるように、ツールのカスタマイズも行っています。編集部がいつも会話しているSlackやLINEに、速報系の話題を収集するbotなどを実装・設定することで、いち早くニュースをキャッチアップし、確実に編集部全員の目に入るようにするといった手も講じています。

しかし、編集部のパフォーマンス向上だけでは、速報を「速く確実に届ける」ための限界がどうしても見えてきます。ここからは、開発チームの出番です。

号外2枚

編集部と開発チームは緊密に連絡を取り合い、編集部からリクエストを出すことも少なくありません。例として挙げると、各媒体からの記事取り込み速度を秒単位で短くしてもらったり、媒体から配信された記事に更新がかかった際に検知できる仕組みを実装してもらったりしました。

また、速報を配信するための操作画面も、ミスなく迅速に利用するためにアップデートを重ねており、開発チーム抜きにはLINE NEWSの速報体制は成り立ちません。

状況により異なってくる速報の届け方

一口に速報といっても、ユーザーの見え方にはいくつか種類があります。基本となるのが画像とテキストを組み合わせた速報です。配信回数が最も多く、今年お届けした速報299本のうち、225本がこのタイプでした。

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ニュースアプリの速報というと、通知速度を追い求めたテキストのみのケースであることがほとんどですが、LINE NEWSではスピードはもちろんのこと、画像の持つ情報量にも重きを置いています。視覚的な理解度向上を狙える画像を編集部がその都度選び、22文字以内(上下それぞれ11文字)で、ニュースの内容を的確に把握できる表現を考えています。

災害情報のように不特定多数の人々の生命に関わり、すぐに行動が必要な内容などの場合には、スピードを最優先し、記事タイトルとリンクURLだけを組み合わせた速報を配信することもあります。

速報を配信した際には、ニュースタブのボタンにバッジを点灯させ、ニュースタブのトップに"速報"として記事を掲出します。LINE NEWSのLINE公式アカウントを友だち登録しておらず、プッシュ通知が届かないユーザーに向けても、大きなニュースがあったことを知ってもらうためです。

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また、通知を自動化することで「速く確実に届ける」ことを実現したケースもあります。

地震や大雨、噴火をはじめとする自然災害の第一報は、人の行動に直結する緊急性が非常に高い情報です。

当初は全て人の手で編集していましたが、地震情報特別警報を分類し、速報の配信とニュースタブトップへの掲出が自動的に行われるようにシステム化しました。また、震度3以上の地震情報に関しては、後述する「Smart Channel」への自動掲出も行われています(通知の自動化について詳しい変遷はこちらから)。

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気象庁の発表によると、2019年に発生した地震は震度1以上が1,564回、最大震度4以上が40回、最大震度5弱以上が9回でした。このような頻度や震度の規模に合わせて、自動配信・掲出の条件を調整し以下のように設定しています(2020年12月21日現在)。

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Smart Channelで速報をさらに確実にお届け

ここまではLINE公式アカウントへの速報配信とニュースタブトップへの掲出をご紹介しましたが、台風をはじめとする大規模な自然災害や新型コロナウイルスに関する情報など、多くのユーザーに多大な影響を及ぼしうる事象が発生した場合には、LINEサービスで最もアクティブに使っていただいているトークリストの最上部に表示される「Smart Channel」を使った掲出も行っています。

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「Smart Channel」は通常、個々のユーザーにマッチした情報が自動で表示されています。しかし、大規模災害などのニュースが届き、編集部が必要と判断して掲出された場合には"速報"として優先的に表示できる仕組みになっています。

-「Smart Channel」で配信した例-
・台風10号 鹿児島県に特別警報の可能性 記録的な被害のおそれ、最大級の警戒を
・安倍首相が辞任の意向を固める 体調が悪化し、継続困難と判断
・国内の感染確認、1日あたりで過去最多 都市圏の歓楽街など中心に急拡大の懸念

「Smart Channel」は地域別に配信先を選択することもできるので、より地域や地方の人々に密着した届け方ができるのも強みです。

新型コロナウイルスに関する速報もしっかり

コロナ禍にある昨今、LINE NEWSは新型コロナウイルスの情報展開に特化したアカウント「LINE新型コロナ情報」も運用しています(新型コロナウイルスに対するLINE NEWSの取り組みはこちらから)。

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このアカウントでは、国内と世界における感染状況のデイリーレポートや記者会見の中継、感染予防対策などに関するお役立ち情報を配信中です。

👇「LINE新型コロナ情報」を友だちに追加する
https://lin.ee/2AatD6nev/lnnw

また、速報も配信しています。

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このアカウントは新型コロナウイルスの情報提供を目的としているため、LINE NEWSのLINE公式アカウントと比較すると、速報の配信頻度は高めになっています。

国内の1日あたりの新規感染者数や各地域の感染情報、政府や自治体の対応、各国の動向など、より生活に関わる情報に比重を置いて、ユーザーに届けるべきか否かを議論した上で情報をお届けしています。

-これまで「LINE新型コロナ情報」で速報した例-
・全国で新たに3024人がコロナ感染 初の3千人台
・大阪、京都、兵庫で緊急事態解除 首都圏、北海道は来週半ば再検討
・感染対策は「短期集中」小池都知事 酒類提供店の午後10時までの時短営業要請
・「大阪モデル」初の赤信号点灯決定、知事15日まで外出自粛要請へ 学校は継続
・沖縄知事、年末年始の緊急特別対策を発表 来月12日まで 離島往来や新成人の宴会の自粛、忘新年会は縮小など

現在も新型コロナウイルス収束の見通しは立たない状況が続いています。感染状況をはじめ、政府や各自治体から新たな対応が発表された際には、いち早くお届けしてまいります。

終わりに

様々な記事を配信するなかで、「あのニュースは速報するべきだったのではないか(しなくて良かったのではないか)」と編集部で振り返りながら、同時に「より速く、かつ理解しやすい伝え方は何か?」や「避難などの実際の行動につながりうる通知の仕方はどういうものか?」などの模索も、日々続けています。現状のプッシュ通知は、"多くのユーザーに同一の情報"を届けることに活用していますが、今後は災害・避難情報や新型コロナウイルスの地域情報など"それぞれのユーザーに合った情報"を、最適なタイミングで個別に届けられるよう、改善してまいります。

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