誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)抜け感
雑誌のスタイリングを見ていると、「抜け感」という表現が出てきます。
これは、肌の露出が多い春夏にはあまり出てこない言葉なのですが、秋を過ぎたあたりから、急激に言われ始めます。
この「抜け感」とは何でしょうか。
どこにも正確には定義されていないでしょうし、感覚的なものなのですが、簡単に言うと、ずっとつながっている部分からの「隙間」というような意味です。
「抜け感」のスタイリングですが、基本は、首、手首、足首を少し出すことを言います。
たとえば、首だったら、タートルネックではなくVネック、袖は七分丈、パンツはクロップトパンツなど、隠してもいい部分、本当だったら覆われている部分をあえて出す、そのことを「抜け感」 と呼んでいます。
そのほかの部分でも可能なところもあります。
例えば、半そでに長い手袋など。ただし、「抜け感」とは呼ばないものがあります。
それは、あいている胸元、ダメージジーンズから透けて見える肌、ミニスカートとニーハイソックスの間、これらは「抜け感」とは呼びません。エロを感じさせたら、「抜け感」ではないので、そこは勘違いしないようにしましょう。
ではこの「抜け感」、なぜ必要なのでしょうか?
「抜け感」が表現するのは女性らしさの一種です。その証拠に、男性のスタイルで、「抜け感」は要りません。
「抜け感」を取り入れると、無防備な感じが表現できます。
つまり、そういった、一つ抜いた感じがないと、そのスタイルは無防備とは逆の、防衛的スタイルに見えてしまいます。
たとえば、体型を隠したいがために、全身くまなく布で隠してしまう、または寒いから、 とにかく全身をくるむ、それはいろいろな意味で防御のためのスタイルです。そこに隙はありません。
その隙のなさが、かたくなに見えます。
かたくなな人にはかわいさがありません。
一方、どこか肌が出ていると、見ているほうは、防衛心が感じられず、リラックスして、ほっとします。「抜け感」は、相手が安心して話しかけてもいいような雰囲気を作りだすためのテクニックです。
取り入れ方ですが、基本は、首元を見せる、手首を見せる、足首を見せるです。
もちろん素肌のほうがより「抜け感」がありますが、真冬の寒いときなど、足もとだけシアーなストッキングをはくだけでも、かなり違います。
また、首はVネックで、その上からスカーフをまき、小さく三角形に素肌が見えているだけでも、十分抜けた感じになります。
「抜け感」は、同時に垢ぬけた感じを出します。
おしゃれを知っているな、よく研究しているな、ただ、服を着ているだけではないな、という感じを相手に与えます。ほんのちょっとの工夫ですが、相手に与えるイメージをコントロールできます。
おしゃれのコツは、知ってしまえば、何ていうことはありません。
本当に「たったそれだけ」のことです。
それを知らないがために、うまくいかないだけのこと。
だけれども、知ってしまったら簡単でしょう?
いつでも、知っているだけで、実践しなかったら、それは知らないと同じことで、意味がありません。
ここでこうしてブログを読んでいるだけではなく、明日から早速取り入れてみてください。
知識を実際に実践してみたこと、それがあなたのおしゃれ力になります。
2012・09・03
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