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誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)あなたの人生の目的は何?

ファッションレッスンをしていると、私の想像を超えた悩みを抱えたクライアントさんがやってきます。

そのクライアントさんの悩みはざっと言うとこんな感じでした(作り話じゃなくて、実話です)。


「とあるスタイリストさんが好きで、その人のお勧めのものを買い続けてきた。ところが一向におしゃれに見えない。こんなにたくさんあるのに、しかもお勧めのものを買って、お金もたくさん使ったのに、おしゃれだと、ひとに言われない。なぜおしゃれに見えないのかわからない」

ちなみにこの方は自分のお店を経営している経営者です。
彼女がどんなものを買っているか見てみると、色はほぼグレー、もしくはジーンズのブルー。形はジーンズ、ワークシャツなどの作業着。そこにとにかくたくさんのグレーのセーターとカーディガン。中には、どこかの工場の制服と見紛うばかりのグレーのジャケット。どこかのスタイリストさんお勧めという前情報がないのならば、それらは明らかに、作業員のためのワードローブです。


何のために服を着るのか考えてみましょう。

人それぞれにはその人生でかなえたいことがあって、究極的にはそれはその人の幸せであり、魂の成長でしょう。

ですからその過程で、「破壊された○○を修復し、一刻も早く復旧すること」が当面の目的なら、その作業員のためのワードローブでも問題ありません。むしろ、そうならなければおかしいです。


けれども、人生の目的が作業員でないのなら、あなたはその作業着系ルックを一刻も早くやめたほうがいいでしょう。なぜなら人はあなたのその作業着系ルックを見て、あなたを作業員のように扱うからです。


高級レストランに入っても、デパートで服を買うときも、ホテルでチェックインするときも、あなたがその作業着系ルックだったら、作業員のように扱われます。なぜなら、あなたは全世界の人々へ向かって、「私は見たとおりの人物です」と宣伝して回っているからです。


スタイルはイコールその人です。新しいとか、誰かがお勧めしたとか、高かったとかの問題ではありません。あなたがその場に作業着系ルックで行ったのなら、あなたは作業員として受け取られるのです。


その作業着系ルックでは、レストランでいい席に通されることはないでしょう。銀行へ行ってもお金を貸してはくれないでしょう。住宅展示場や車のショールームに行っても、本気で買うお客とは思われないでしょう。

誰か作業着ではない、例えばスーツやワンピースの人、それが年下の人であったとしても、と一緒にどこか取引先へ行ったなら、その取引先はあなたを差し置いて、スーツやワンピースの人に話しかけるでしょう。


日本語で灰かぶり姫と訳される、まさに灰色のシンデレラは、灰かぶりであったけれども、舞踏会でドレスを着たから王子様に見染められます。ふだん着の作業用ドレスのままだったら、まず第一に舞踏会の会場へ入れません。

顔かたちも、心も美しいシンデレラでさえ、これがいいのよ、みんな、私の本当の姿を見るはずよ、などと思って、作業着ドレスのまま舞踏会へ行くなんてことはしません。ではどうするか。

自分の人生の目的を達成するために、素敵なドレスを魔法使いのおばあさんに頼んで着るのです!目的達成のために、シンデレラは行動するのです!

けれども、あなたが作業着系ルックである限り、あなたは舞踏会へは参加できません。永遠に、参加、できません!


ジーンズなどの作業着、Tシャツといった下着、運動靴であるスニーカー、それだけを着ていたのなら、あなたはいつだってそのように扱われ、いつしかあなたも作業員としての自分を認めてしまうことになるでしょう。


何度も書きますが、人生の当面の目的が、「作業員としてやるべきことをやる」ならよいのです。

けれども、それがそうでないのなら、作業着系ルックは一刻も早くやめたほうがいいでしょう。何のためにそのスタイルを選ぶのか、そしてその服を買うのか、もう一度考えましょう。

いくら誰か有名な人がそれを勧めたとしても、それがあなたの人生の目的の遂行のために役立つのでなかったら、そんなものを選んだところで、あなたに起こるのは望んだ出来事ではありません。


誰かに自分の力を与えてしまうと、このようなことが起こります。

自分の人生の舵を取るためにも、自分の人生の目的をはっきり決めて、それに従ったワードローブを作りましょう。

それはおしゃれなこととは全く矛盾しません。むしろ、そうでなければ、本当の意味で、おしゃれではないのです。

2017・02・08


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