誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)カラーブロックと色のトーンについて
ここ最近、カラーブロックと呼ばれている、2色構成のアイテムがいろいろ売られています。
特徴は単に2色を使うのではなく、どこかにラインが入って、そこからぱっきり色が変わるということです。
ですから、今まであったような、たとえば、黒いドレスで襟と袖口だけが白、というようなものは、カラーブロックとは呼ばれていません。あくまで色のブロックで構成されているアイテムをカラーブロックと呼んでいます。
大体のものは、シンプルな形に大胆なカラーブロックというデザインで、今まであまり、こういうタイプのものはなかったことから、市場にもたくさん出回るでしょうし、取り入れやすいアイテムではないかと思います。
では、このカラーブロック、どのように着こなせばよいでしょうか。
まず基本は、全体のコーディネイトを2色以内におさえるスタイル。
たとえば、紺とベージュのカラーブロックだったら、アクセサリーのゴールドやシルバーを除いて、すべてこの2色以内で構成します。コレクションなどで提案されているスタイルには、このやり方が多いです。色見を最小限に抑えることによって、シンプルなデザインでも、モードっぽく見えます。
次のスタイルは、3色以内に色をおさえるスタイル。
これがごく一般的でやりやすいスタイルではないかと思います。鞄、靴、小物含めて、3色以内に抑えます。いわゆる3色ルールの適用です。この場合も、貴金属のシルバーとゴールドは除いても構いません。
さて、最後は上級者のためのスタイルです。つまり、2色でもなく、3色でもなく、多色使いです。
もし、カラーブロックのニットなりワンピースなりを3色以上のコーディネイトに落とし込むにはどうしたらよいか。その答えは、使う色全体のトーンをそろえることです。
一般的にトーンは以下のようにわかれています。
ペール(うすい)
ライト(浅い)
ブライト(明るい)
ヴィヴィッド(鮮やか)
ライトグレイッシュ(明るい灰色がかった)
ソフト(やわらかい)
ストロング(強い)
ダル(鈍い)
ディープ(濃い)
グレイッシュ(灰色がかった)
ダーク(暗い)
ダークグレイッシュ(暗い灰色がかった)
(詳しく知りたい方はネットや、色見本帳などを調べてみてください)
もし、全体のコーディネイトを多色使いで構成したいなら、すべての色のトーンを同じにすると、きれいにまとまります。
これは何もカラーブロックのアイテムを着るときだけに通用するものではなく、ほかのどんなものの多色使いでも同じです。
柄物でもチェックでも、多色を使いたいなら、トーンを合わせると、おしゃれに見えます。
しかし、これはとても難しいのです。なぜなら、トーンがぴったり合わせられるのは、同じブランドの同じシーズンのものぐらいであり、ほかのものは全くばらばらだからです。
去年のもの、今年のもの、こちらのブランドのもの、あちらのブランドのもの、同じブルーひとつとってみても、すべてトーンが違います。
年代も違う、いろいろなブランドで、すべて同じトーンでワードローブをそろえるというのは、至難の業です。
その結果、同ブランドの同シーズンもの以外で多色使いをしようとすると、色のトーンが違ってしまい、印象が散漫になります。
それはごちゃごちゃしたイメージで、色のハーモニーがありません。落ち着きない感じがして、美しさからは遠ざかります。結果的に、おしゃれには見えなくなります。
黒ばかりの服が流行した時代、色に対する感性はかなり落ちたと思います。黒だけは、トーンの外側の色です。
もちろん黒も一色ではなく、墨色のような黒とか、漆黒の黒など、あるわけですが、ヴィヴィッドな黒やグレイッシュな黒はないのです。黒は黒でまとめれば事足りました。
今また、色に対する感性が問われています。
さぼった分、勉強しなおさなければなりません。
黒ばかり着ていた人が、色ものを選んだ途端、全くおしゃれに見えなくなった例を何人も見ました。
黒ばかり選んでいる間に、色を選ぶ眼力が落ちたのです。
いつまでも白黒映画を見ているような、そんな世界に、いきなり鮮やかな色があらわれても、それにはついていけません。
服ばかり見ていたら、色の勉強にはなりません。
優れた美術やデザインを見て回るのもいいでしょう。
しかし、最も多彩で完璧な色合いをしているのは、自然界です。
自然ほど、完璧なトーンで構成された世界はありません。
これから、多色使いのスタイルがどんどん提案されていくことと思います。
それに追いつくためにも、今からでも遅くはないので、色について学びましょう。
色についての理解を深めれば深めるほど、あなた自身の住む世界の色も多彩になります。
今までは虹を3色でしか認識しない世界に住んでいました。
しかし、これからははっきり7色に見えるよう、目を鍛えましょう。
虹がはっきり7色に見えるようになれば、虹のふもとにあると言われている黄金の壺が見つかるでしょう。
それは、あなたが世界にどれだけの色を発見するか、その一点だけにかかっています。
虹の向こうにいかなくても、あなたの世界は色づいて、輝き始めるでしょう。
2012・09・24
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