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誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)靴 実践編

今日は実践編です。


長いあいだ、靴と鞄の色は揃えるもの、というのが靴の基本ルールでしたが、洋服のカジュアル化に伴い、そのルールも崩れてきました。
けれども、きちんとした印象を与えたいときは、靴の色と鞄の色をそろえるというルールは、今でも通用します。
ですから、改まった席では靴と鞄の色をそろえる、というのはよいと思います。


ただ、靴や鞄のデザインのバラエティがふえたこと、また、洋服全体のカジュアルな流れの中では、おしゃれに見せたいときに靴と鞄の色をあわせるということは、必ずしも必要ではありません。
逆に、靴の色使いがよいと、おしゃれな感じがぐっと増します。

これはたとえば、カラフルなサンダルが主流となる夏などではあまり感じないのですが、真冬の、ほとんどの人が黒いブーツをはいているとき、紫のスエードのロングブーツをはき、その紫がマフラーと同じ色だったりすると、私など、おぬし、なかなかやるな、と感じます。

そして、おしゃれに見える人ほど、ほかの人があまりはいていないような靴をはいているのも事実です。
特に、デザイン性のあまりない、シンプルなスタイルのとき、靴だけは凝ったものをはいているというのはよい方法だと思います。


それで、その方法ですが、要は簡単で、靴に使った色を全体のスタイルのどこかほかの部分とそろえる、または靴のみポイントカラーとして投入する、これだけです。
これは、ワードローブを構築する際に、しっかりと自分の色を決めてさえいれば、難なくできます。
問題は、その決めた色と同じ色の靴が売っているかどうか、ということだけです。


さて、洋服と同様、靴にも流行があります。

靴は服を着たときの全体のシルエットの要にもなるので、洋服のシルエットが変わると、それに引きずられて変わってしまうのです。

一番変わってしまうのはヒールの高さ、太さ、形です。トウの形も丸かったり、四角かったり、とがったりしますが、ヒールほどではないでしょう。


そんな中、長くはける靴はないのかというと、そんなこともありません。
靴においても、やはりトラッドは余りスタイルが変わらないので、長くはけると考えていいと思います。
また有名なブランドの、いわゆる名品と言われる靴は、大事にはけば10年は使えるでしょう。

例を挙げるとすると、
サルトルの乗馬ブーツ
ブッテロのウエスタンブーツ
フェラガモのヴァラ
ダンスコのサボ
レペットのバレエシューズ
マノロ・ブラニクの黒いパンプス
グッチのビットローファーなど、
ほかにもいろいろあると思います。

これらのブランドの靴は、値段もそれ相応にしますが、やはり名品ですので、流行を超えています。また、大事にはけば、中には10年はもつものもあります。


最後に、靴を語る上で最も重要な点。それは、はきやすさです。

2000年から2012年ぐらいまではヒールが高くないと全体のバランスがとれないファッションが続いたので、80年代、90年代の、ぺったんこ靴が流行った時代を謳歌した人たちは苦労したか、もしくは、あきらめてずっと同じフラットな靴をはき続けたか、どちらかだったと思います。

私も、歩きやすさをうたっている国産メーカーの靴を何度か試しましたが、どれも1日の外出に耐えられるほどのものではなく、なかなかこれといったものが見つけられませんでした。靴は売り場ではいただけでは決して本当のはき心地がわからないので、困ったものです。


また、いろいろはいてみてわかったですが、必ずしもヒールが低ければ歩きやすいわけではなく、高くても重心がしっかり乗れば、問題なく歩けるということです。ここら辺、皆さん、それぞれ足の形も違うと思うので、地道に自分に合う靴を探してみてください。


女性が洋服を着るということは、
ヒールの高い靴をはくことを暗に要求してきたり、
見た目だけで歩きにくい靴をはくことが素敵とされたり、
何とまあ、苦労の多いことです。

それに比べて、男性の靴のシンプルなこと。
すべての男性に1日女装して、新宿や原宿でお買いものにでも出かけてみてほしいくらい。1日で音を上げてしまうでしょう。


それでも、洋装を選んでしまった私たちは、自由に歩ける靴を探し続けなければいけません。

ぴったりの靴をはけば運命の輪が回り出します。
シンデレラの物語は、そのことをあらわしています。


あきらめずに自分にぴったりの靴を探しましょう。
自分にふさわしくない靴は拒否しましょう。
いつものスニーカーでどこまでも行けるのなら、それでいいのです。

自分がどんな靴をはけば遠くまで行けるのか、それを知っているのも、また自分です。

ヘルメスのように翼をもつ靴を見つけたら、それはどんなことでも可能だということ。
あきらめないで探しましょう、自分だけの翼のはえた靴を。

2012・06・18

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