大人とは、過去の量が多い人
大人になればなるほどふえていくのは過去です。
過去の経験、知識、記憶などは非常に有効なものもあるので、過去がふえることは別に悪いことではありません。問題なのは不必要な物理的な過去、つまりモノでしょう。
物を捨てるということが流行ったのも、多くの意味は過去を捨てるということだと思います。買ったばかりで使わないものを捨てるのではなく、昔、あるいは大昔に買って使わないものを手放すということが、多くの捨てる系のテーマだったのではないでしょうか。
ここでは、過去は不必要なものとして認識されます。
服をたくさん所持して、その一枚一枚を着る機会が少なればなるほど、物理的なモノは劣化していきません(ポリウレタンを除く)。よって、捨てる機会は失われ、過去が体積することになります。
服は特に人間の肉体に最も近い物体なので、要らない物体をいつもまとっていることは、その人を要らない過去に閉じ込めることになります。モノには記憶が沁みついています。
またそれだけではなく、服はあなたの身体にまとわれ、周囲にあなたの過去の選択を表現します。
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