短編④の設定資料

 短編④、おっさんが主人公のスクロール(呪文巻物)が題材のファンタジーな物語の設定資料があったので公開。多分、続かないので好きなように空想して頂いて。スクロールとは何ぞや、という内容です。

 なお、物語の後に書いた形跡があるので後付けです。世界観の補完だと思って頂ければ。

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造印 -サイン-
スクロールに所有者を認識させるために必要な特殊文字の一種。
使用時にこの造印と造印の認証時に契約した始動語が必要。
そのため、他者から購入した際は造印に合わせた始動語を作り手から聞く必要がある。
聞きそびれるとただの何の価値も無い紙。
スクロールとして作製されたものは書き込めないため、羊皮紙としてすら使えない。ゴミ。

スクロール発動
発動には始動語が必要。魔力を吸収するタイプは魔力も必要。気力でも代用可。
主人公が主に使う始動語は発動と書いてアウェイクンと読む。
普段使わない単語が好ましく、誤って発動しないものがいい。

また、スクロールは巻いた状態でなく開いていないと発動しない。
スクロールの種類に関係なく、始動語は一つで十分だが、通常とは異なる緊急事態に使うようなタイプは別途設定が可能で、その場合はスクロールに別途記述が必要。

魔力
魔法使いが魔法を行使する際に消費すると言われているエネルギー。正負の値があり、正魔力は魔力が安定して満ちている状態、負魔力は消費した状態を指す。
例えば100の安定した魔力が満ちた空間で50の魔力を消費すると、その場は50の正魔力が残った状態、で、50の負魔力が存在する状態となる。
負魔力はその場の不安定性を明確にする目安となる。通常、安定した場からの使用であれば言及されることは無いが、不安定な場の場合、魔力暴走のリスクを計る目安となる。

魔力暴走
魔力が極端に不安定になったときに発生する局地的災害。
外観は特別な事象が起きているようには見えないが、魔力を行使しようとすると正もしくは負に振り切った現象が発生する。
例えばファイアボールの場合、火炎が術者の目の前で爆発するか、不発に終わる。
また、一部の魔力を多く体内に有する種族は吐き気、めまい、頭痛といった症状を発症する。

気力
この物語においては魔力の代替として使えるエネルギーの一種。
生き物全般に伴う、体力、行動力、生命力などのエネルギーを総称したもの。
そのために分類が曖昧で、使用に注意が必要。よほどの達人でなければ明確に使用エネルギーを決定できないため、気力を魔力の代わりとして使うことは無謀とされている。最悪命はない。

スクロール製作
呪文を書く対象、呪文を書くためのインク、必要があれば筆、この3つの道具と知識、造印が必要。
紙の種類はインクが浸透するのであれば何でも良い。そのため、密度の高い石などは不可。スクロールはあくまでインクを触媒とするため、石に書きつけることは出来ない。
掘り込む場合でも、浸透とは異なるため不可能。
インクは呪文を安定させるための触媒、染料、自身の魔力を混ぜ合わせて作るが、特殊な処置を施した魔封瓶に入れなければ保存がきかないため、スクロールを作る前に調合して作り出すことが多い。
一方で、慣れてくると触媒は不要になり、染料も書きつけた呪文を可視化させるためのものであるため、
最終的にはタグ付けなどの他の方法で分類し、魔力のみで作ることも可能。
ただし、その場合は顧客側にも慣れと知識が必要となる。売らないならば問題は無い。
筆は好みの範疇だが、太すぎたり筆の毛にバラツキがあると滲んだりくっついたりして失敗する。
そのため、細身の筆が好まれる。もちろん指で書いても問題は無い。
知識はスクロール作製と魔法の知識が必要。呪文を綴る緩急にも適性速度があり、適切に綴れると威力が増す、など
恩恵がある。一方で禁忌も存在しており、極端に効率が落ちたり、ハイリスクハイリターンな効果を及ぼすものもある。
逆に魔法の知識は呪文だけで良いが、どのような呪文かを知っていれば運用も楽になる。
造印は幾何学的模様の一種が良いとされる。以前でこそ真似されないことが前提であったが、今は主人公に伝わったものを除いてスクロール作製は失伝しており、特に被ることも心配しなくていいため、自由度が高い。

スクロール用途
魔法と同じく多岐に渡るが、スクロールとして使うタイプのものは生活魔法のような繰り返し使うタイプ、緊急時の一撃必殺として切り札のように使うタイプが好まれる。
魔法と異なる点は詠唱が不要であること、魔力の使用が極端に少ないこと、発動時、スクロールと始動語が必要であること、などで、瞬間的に発動が可能な一方、手ぶらでは発動できないデメリットも存在している。
そのためスクロールを切り札として使う場合、すぐに取り出せる箇所に持っておくこと、咄嗟に始動語を唱えられるように訓練することなどが重要となってくる。

スクロール強化
スクロールの効果を強化する方法は2種類ある。魔石で発動時に魔法そのものを強化する方法、スクロールに魔力を流し込み、呪文の力を増強させる方法がある。後者は製作者にしかできない。
主人公の切り札、チェインアウェイクンは後者の応用。連鎖的に発動させることで消費魔力と威力が正比例する。
当然、魔力を多く食うため、別途に魔力がなければすぐ枯渇する。

魔力プール
スクロール製作を"意図的に失敗"することで呪文の行き場を失った魔力がスクロールに籠る現象。元々所有魔力がそれほど多くない主人公が編み出したスクロール製作の裏技。
ただ、上手く失敗しないとスクロールから魔力が漏れ出し、ただの紙切れになってしまうため、失敗のための呪文は精査する必要があり、失敗も"綺麗に失敗"する必要がある。
また、使用の際にはこれとは別に"特定の条件下で発動"という条件をルーン文字で明記した、それ単独では何の役にも立たない紙切れ(スクロール)が必要。これを所持しているだけで、その特定の条件下になった時に魔力プールから魔力を引き出すことが可能となる。

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 以上になりますが、気が向いた時に追加するかもしれません。

 この物語に限らず、こういう(妄想の果ての)設定資料が山ほどあるのですが、いつか供養したいですね…。管理状況が思いついた順なので整理するのも大変な乱雑な状態ですが…。

 大体、設定を書いたら満足してしまうのですよね。だからここに投稿できるのはほとんどが勢いに任せたもので、だから満足し次第、終着点を作って終わりに出来るわけです。

 設定を書くと終わりが決まっちゃうから、そこを目指すと迷走するんですよね…。登場人物が思い通りに動いてくれることなんてありませんから。

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