「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する確認調査、そして情報提供のお願い (その3)
2024年7月22日 記事公開。
こんにちは、 teshima takashi です。
去年の2月と4月に、ファミコン版「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する記事を投稿しました。今回はその第3弾です。
提供いただいた情報
この一年強、発売日確定につながる情報は得られていません。たまに X で情報提供を呼び掛けたりしていますが、情報提供者は現れませんでした。
その中で、 tk_nz @tk_nz さんからいくつか情報をいただいておりましたので、ご紹介します。といっても2023年4月にいただいた情報で、取り扱うのが大変遅くなってしまい、申し訳ありません。また調べていただき、誠にありがとうございます。
雑誌「テクノポリス」 1986年4月号
徳間書店で刊行していたゲーム雑誌。国立国会図書館にも置いてなく、閲覧が結構難しい当時の雑誌で有ります。1986年4月号ということは、1986年3月の発売です。「ハイドライド・スペシャル」の発売日は3月21日と書かれているそうです。
別冊宝島 僕たちの好きなTVゲーム 80年代懐かしゲーム編
宝島社 公式サイト
宝島社が刊行していたいわゆるムックという感じでしょうか。公式によると発売日は 2009年12月11日でした。「ハイドライド・スペシャル」の発売日は 3月18日 となっています。
双葉社MOOK なつかしゲーム大全
参考:国立国会図書館サーチ
双葉社のムック。国立国会図書館サーチによると、出版年月は1999年6月。「ハイドライド・スペシャル」の発売日は 3月18日 と記載。
徳間書店インターメディア「超絶 大技林 ‘98年春版」
参考:駿河屋
徳間書店の大技林シリーズの内の1冊。前回の(その2)でも数冊取り上げていますが、「ハイドライド・スペシャル」の発売日は同様に 3月18日のようです。
やはり、これまでの傾向と同じように、1986年の発売日付近に関する刊行物では 3月21日、近年刊行されたものは 3月18日 と記述されているようです。
同人誌「Hi-Tech」創刊号
(その2)で触れましたが業界紙「ゲームマシン」紙において、発売日から約1か月ほどのタイミングで「ハイドライド・スペシャル」の発売日が 1986年3月18日と記述されていることを紹介しました。
今回、 HAZUKI (@studiohazuki )さんより、3月18日には既に店頭で発売されていたと記述のある同人誌「Hi-Tech」の情報をいただきました。HAZUKIさん、ありがとうございました。
同人誌「Hi-Tech」とは、正式には「ハイテックclub 会誌 Hi-Tech」と呼ばれるらしく、私も存在は知っていました。電波新聞社の雑誌「マイコンBASICマガジン」(以下ベーマガ)で記事を書いていた山下章氏、響あきら氏、YK-2氏などのライター陣や、漫画家・イラストレーターのくりひろし氏などが関わっていらっしゃいました。ベーマガ誌上で「Hi-Tech」に関する告知もされていたので、ベーマガ読者だった方々にはある程度は周知されていたのではないかと思います。
この同人誌「Hi-Tech」の創刊号は1986年5月にリリースされたようで、表紙を見てわかるように、読者のコーナーに「ハイドライド・スペシャル」の記事が掲載されていました。
記事はハイテックの会員が投稿したと思われる記事で、いわゆる攻略法が掲載されています。しかし、この記事の冒頭に発売日に関する着目すべき文章が記述されていました。
この文章によると、3月18日にはすでにおもちゃ屋で販売されていたということが見てとれます。また、これは「ゲームマシン」誌で記載された発売日と同じ日であることを示しています。
この記述が間違いでなければ、3月18日もしくはそれよりも前に生産工場から出荷され小売店舗に届いていることが分かります。仮に「3月18日」を発売日とするならば、この記述は正しいことになります。
これを見て感じたのは、記事で書かれていたように発売予定日として宣伝されていた3月21日よりも前の3月18日には既に販売されていたというのが厳然な事実だとしても、「発売日は3月18日」であると断言できないと筆者は考えました。それは他にも可能性が考えられること(例えばフライング販売)、東芝EMIや流通関係者の公式な情報が見つかっていないからです。他の可能性を捨てきれない以上、断言することはできないのです。
そんな感じで、「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する情報を引き続き募集しております。特に、東芝EMIや流通関係者のお話を聞いてみたく思っております。何かしらご存知の方がいらっしゃいましたら、 X の @teshimatakashi1 の方までご連絡をお願い致します。
ちなみに筆者の考えとして、発売日はどちらかに固執している訳ではなく、単にはっきりさせておきたい、というその心情だけで調査と記事執筆を行っております。発売日が18日だろうが21日だろうがどちらでも良いのですが、こういう歴史的事実の探求は筆者の知的好奇心をくすぐる面白い作業であります。
(おわり)
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