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「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する確認調査、そして情報提供のお願い

2023年2月13日 記事投稿。
2023年2月15日 誤記修正。
    雑誌「ログイン」1986年4月号の表紙と該当ページの写真を掲出。
2023年4月5日 その2の記事リンクを一番最後に追加。


 こんにちは。
 りんど ( Twitter ID : Lindberg1999 )でございます。

 前々から気になっていることが有りまして、Twitterでもたまに呟いていたりするのですが……

 もう6年くらい前のツイート。

「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する疑問

 それは、任天堂ファミリーコンピュータ用のゲーム「ハイドライド・スペシャル」の公称されている発売日に関しての疑問です。

 T&E SOFT が 1984年12月 から約1年かけて当時のパソコンの様々な機種向けにリリースした「ハイドライド」というロールプレイングゲームがあります。このうち、MSX用のROMカートリッジ版(1985年11月発売とされている)の内容をベースとして、ファミコン向けに開発が行われました。「ハイドライドII」で採用された「魔法」や隠しキャラなど、パソコン版には無かった新要素を取り入れています。開発のメインプログラマーは加藤英治さんで、前述のMSX用ROMカートリッジ版のプログラマーでもあります。
※ 投稿時、加藤さんの名前を「英二」さんと記述しておりましたが、正しくは「英治」さんです。ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。(2023年2月15日)

開発は T&E SOFT ですが、販売(今でいうパブリッシャー)は東芝EMI株式会社です。「TOEMILAND」というブランド名を用いてファミコンやMSX向けのゲームを販売展開していました。

この「ハイドライド・スペシャル」、筆者が所持している販促チラシを見ると、

「3月21日、ハイドライド・スペシャル/いよいよ新登場!!」

という記述が有ります。つまりこのチラシでは発売予定日は 3月21日 ということになります。

「ハイドライド・スペシャル」販促チラシ(表面)

しかし、この記事を書いている2023年2月現在、Googleにアクセスして「ハイドライド・スペシャル 発売日」をキーワードとして検索してみると、違う結果が出てきます。
利用環境により検索結果は多少変わるかもしれませんが、「ハイドライド・スペシャルの発売日は 3月18日」という内容の検索結果が大量に出てくることが分かります。

例えば、ゲームニュースメディアとして有名である「ファミ通.com」(現在、株式会社KADOKAWA Game Linkageが運営)にも「ハイドライド・スペシャル」の発売日は掲載されていますが、こちらは 1986年3月18日 です。

文化庁が公開している「メディア芸術データベース」に掲載されている「ハイドライド・スペシャル」の情報ページも、「出版日 1986-03-18」と記述されています。

なお、データ出典の項目に「超絶大技林 2011年秋完全全機種版 / 金田一技彦 監」とあり、この書籍を元にして書かれているのが分かります。私はこの書籍を持っていませんが、アンビット及び徳間書店が出版社として挙げられています。

「超絶大技林 2011年秋完全全機種版」は、ゲーム雑誌「ファミリーコンピュータ Magazine」の別冊付録から始まったシリーズで、別冊から書籍として独立して毎年刊行されてきたのは周知の事実かと思います。このシリーズの歴代の書籍でもこの発売日が触れられている可能性がありますが、私はこのシリーズを一冊も持っていないので詳細を知ることはできません。

「大技林」についてはさておき、なぜ発売日が違うのか?発売日が変更されたのだろうか?この発売日は他にどこに書いているのだろうか?資料を追っかけてみたら何かが判明するのだろうか?

そんな風に感じて、手元で持っていた資料と少しばかり入手した資料を基に、「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する記述を調査してみることにしました。

以上、現時点での確認調査結果です。

1986年3月付近の資料


(1) ファミリーコンピュータ版「ハイドライド・スペシャル」ソフトパッケージ

ファミリーコンピュータ版「ハイドライド・スペシャル」パッケージ

商品番号:FS-2002G(TFS-HS)

とりあえずまずは原点からということで一番最初にゲームパッケージ。
パッケージ(紙箱)裏面及び取扱説明書の最終ページに
「(C) 1986 T&E SOFT」
と記述が有ります。これ以上の発売日に関する情報は有りません。

(2) 攻略本「月刊少年ジャンプ ホビーズジャンプ特別編集 ハイドライド・スペシャル マルテク必勝本」

「月刊少年ジャンプ ホビーズジャンプ特別編集 ハイドライド・スペシャル マルテク必勝本」表紙

1986年4月15日 第1刷発行

著者:H・S CLUB
   (C) YUKI-DESIGN 1986
編集:株式会社ホーム社
発行所:株式会社集英社
ISBN:4-08-858128-8
雑誌コード:43611-33
定価:380円

 月刊少年ジャンプとホビーズジャンプの編集部が中心となって発行したゲーム攻略本。しかしながら、「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する記述は有りません。

(3) 月刊漫画誌「月刊少年ジャンプ 4月特大号」(1986年4月号)

「月刊少年ジャンプ 4月特大号」1986年4月号 表紙

発行日:昭和61年4月1日 ※昭和61年は1986年です。
    毎月1回・1日発行
巻数・号数:第17巻第4号
雑誌コード:04787-4
定価:290円
発行所:集英社

 月刊少年ジャンプと(4)で後述するホビーズ・ジャンプは(2)の攻略本の特別編集を担っていることからもわかるように、誌面で「ハイドライド・スペシャル」の特集を組んでプッシュしていました。

 この号では、巻頭カラーからゲーム画面を多数掲載して特集を組んだり、「魔法戦士(マジックウォーリアー)伝説 ハイドライド」という漫画の連載を開始しています。漫画の作者は「森本サンゴ & オカピー・ブラザーズ」です。
 発売日の記述に関しては、以下の記述がありました。

3ページ
巻頭カラー特集「大スクープ第4弾 ハイドライド・スペシャル完全紹介!」
 「定価4900円 3月21日発売」
 「最終バージョン完成!!/発売日3月21日(金)は/もうすぐだ!!」
と記述されている箇所が有ります。

6ページ
このページは上下のコーナー記事に2分割されています。上側は「ハイドライド・スペシャル/かくしキャラ大募集!」というコーナーですが、下段には(2)の攻略本と(4)で後述する「ホビーズ・ジャンプ VOL.9」の発売日が記述されています。
 ・「ホビーズ・ジャンプ VOL.9」の発売日→「3月18日(火)発売」
 ・攻略本の発売日→「4月10日(木)発売」

7ページ
東芝EMI(TOEMILAND)のハイドライド・スペシャル及び関連の広告
 「3月21日。/あのハイドライドが/ファミコンソフトで登場!」という記述が有ります。
 ちなみに、この広告にはイメージソングとしてリリースされたちわきまゆみさんのシングル「エンジェル・ブルー」が同時発売であること、「ハイドライド・スペシャル大チャレンジ大会」というゲームイベントの開催についても書かれています。

8~9ページ 「ハイドライド・スペシャル 発売記念大懸賞」
 8ページに「ファミコンゲームソフト/「ハイドライド・スペシャル」は/3月21日発売です。」という記述が有ります。

144ページ 「ハイドライド・スペシャル 大チャレンジ大会」
 前述したゲームイベントの詳細が書かれています。イベントは東京・大阪・名古屋の3か所で行われ、「ハイドライド・スペシャル名人」がウルトラ・テクニックを公開する事、ファミコン20台を設置して「ハイドライド・スペシャル」が遊べること、プログラマーのサイン会、オリジナルステッカーのプレゼント、ちわきまゆみさんの特別ステージが行わることが書かれています。発売日に関する記述は有りません。
 ちなみに、各会場の開催日と開催場所は
  東京 → 3月21日(春分の日) 銀座三越屋上
  大阪 → 3月25日(火) 阪急ファイブ8F オレンジルーム
  名古屋→ 3月30日(日) 吹上ホール3F(中小企業振興会館)

となっています。

288~289ページ 「ホビーズジャンプ Vol.9」の発売予定広告
 「ホビーズ・ジャンプ Vol.9」自身に関しては次の(4)で記述しますが、288ページ右下に「ホビーズ・ジャンプ Vol.9」の発売日が 3月18日(火) であることが記述されています。

(4) 漫画雑誌「月刊少年ジャンプ特別編集 4月大増刊 ホビーズジャンプ VOL.9」

「月刊少年ジャンプ特別編集 4月大増刊 ホビーズジャンプ VOL.9」
表紙。イラストは森本サンゴ先生と思われます。

発行日:昭和61年4月20日
巻数・号数:記述無し
雑誌コード:04788-4
定価:320円
発行所:集英社

 表紙に『「ハイドライド・スペシャル」大特集』と書いてあるように、巻頭カラーで特集をしています。また関連して「ハイドライド・スペシャル」という読み切り漫画を掲載しています。作者は「森本サンゴ & OKAPPY BROTHERS」です。

19~22ページ相当部分の折込下側
 「ファミコンソフトオールカタログ128」
 これまでに発売されたファミコン用ゲームソフト及び直近で発売予定のゲームについての一覧で128本掲載されています。その中に、
 「ハイドライド・スペシャル(3月21日発売) 東芝EMI 4900円」
という記述が有ります。
 ちなみに、この折込の表面(15~18ページ相当)は「ハイドライド・スペシャル 攻略フォトマップ」と題した記事で、フェアリーランドの地上マップ及び登場モンスターが掲載されています。

23ページ
「本誌独占特別企画 ハイドライド・スペシャル パーフェクト必勝法」
 ページ中段左側に「定価 4900円/3月21日発売」と記述が有ります。

26ページ
コーナー「ハイドライド・スペシャル大チャレンジ大会」
 イベント内容の開催日程等が記述されていますが、発売日については触れられていません。

35ページ
東芝EMIの広告
 月刊少年ジャンプ4月号7ページの広告と同一内容です。
 発売日に関する記述も
3月21日。/あのハイドライドが/ファミコンソフトで登場!」
 と同様です。

104ページ
「ハイドライド・スペシャル マルテク必勝本」発売広告
 (2)の攻略本の発売広告で、攻略本発売日が「4月10日発売」と記述されています。
 ゲームの方の発売日の記述は有りません。

119ページ 
「ハイドライド・スペシャル 大チャレンジ大会」
 ページの上段から中断にかけて「大チャレンジ大会」の詳細が書かれています。内容は月刊少年ジャンプ4月号と同一のようです。

358~359ページ
月刊少年ジャンプ4月号・5月号の販売広告
359ページに「大チャレンジ大会」の開催が書かれています。

(5) 雑誌「マイコンBASICマガジン」March 1986 (1986年3月号)

雑誌「マイコンBASICマガジン」1986年3月号 表紙

印刷日:昭和61年2月25日
発行日:昭和61年3月1日
巻数・号数:第5巻第3号 通巻45号
雑誌コード:18361-3
定価:380円
発行所:電波新聞社

主に市販のパソコンゲーム及び読者が投稿した各種パソコン用ゲームプログラムを掲載していた雑誌ですが、アーケードゲームや家庭用ゲーム機の話題も有りました。

192~193ページ
T&E SOFTの広告が掲載されていますが、「ハイドライド・スペシャル」に関する記述は有りませんでした。


雑誌「マイコンBASICマガジン」1986年3月号 250ページ
「速報 ハイドライド・スペシャル」の記事。左下に発売日の記載が有る。

250ページ
「速報 ハイドライド・スペシャル」
 ハイドライド・スペシャルのリリースに関しての記事です。ページ下段に
「※「ハイドライド・スペシャル」は,3月21日発売予定です。」とあります。

(6) 雑誌「マイコンBASICマガジン」April 1986 (1986年4月号)


雑誌「マイコンBASICマガジン」1986年4月号表紙

印刷日:昭和61年3月25日
発行日:昭和61年4月1日
巻数・号数:第5巻第4号 通巻46号
雑誌コード:18361-4
定価:380円
発行所:電波新聞社

192~195ページ
T&E SOFTの広告が4ページに跨って掲載されています。
そのうち、192~193ページ全体は「ハイドライドII」の広告ですが、192ページ中段あたりに「ハイドライド・スペシャル」の記述があります。
 「ファミコン版 ハイドライド・スペシャル 3月21日新登場! 希望小売価格\4,900」
ついでに、同ページの下段にT&E SOFTが発行している情報誌「T&Eマガジン No.9」が3月20日に発行する旨も記述されていました。

雑誌「マイコンBASICマガジン」1986年4月号 192ページ T&E SOFT広告より

284ページ
「HOT INFORMATION」
下段欄外に「大チャレンジ大会」が開催されることと日程・場所が記載されています。

(7) 雑誌「マイコン・ゲームの情報誌 PiO」1986年4月号

※ 雑誌原本は所持していないが、該当部分のコピーを所持しています。

発行は工学社。同社が発行している雑誌「I/O」の姉妹誌で「マイコンBASICマガジン」と同様に読者投稿プログラムを掲載していた雑誌です。ソースリストの長い大作傾向のゲームが多く掲載されていました。それでもいくつかメーカーの広告が掲載されていました。

4ページ

雑誌「マイコン・ゲームの情報誌 PiO」1986年4月号 4ページ T&E SOFTの広告

T&E SOFTの広告
 「ハイドライドII」のシャープ X1版と富士通 FM-7版が新発売という広告が全体にわたっていますが、真ん中に「ハイドライド・スペシャル」の広告が掲載されています。
 「ファミコン版/ハイドライドスペシャル 3月21日発売!」と発売日が記述されています。
また、下段には「T&Eマガジン No.9」が3月25日発行であることが記述されています。

(8) 雑誌「マイコン・ゲームの情報誌 PiO」1986年5月号

※ 雑誌原本は所持していないが、該当部分のコピーを所持しています。

24~30ページ
連載コーナー「PiOなソフトハウス」
ゲームメーカーに取材した連載記事です。この回ではT&E SOFTを取材しており、横山社長や内藤時浩氏等のインタビューを元として主に「ハイドライドII」を取り上げています。
この記事中、27ページの下段に「ファミコン版ハイドライド[ハイドライド・スペシャル]」というコーナーが有ります。このコーナー記事の中に
「(前略)その名も「ハイドライド・スペシャル」が東芝EMIから3月21日に発売になりました。」
との記述が有りました。

雑誌「マイコン・ゲームの情報誌 PiO」1986年5月号 p.27より

(9) 雑誌「ログイン」1986年4月号

※ 雑誌原本は所持していないが、該当部分のコピーを所持しています。
雑誌原本を持っているという事を最初の投稿時に失念していた為、改めて引っ張り出して確認しました。 (2023年2月15日)

雑誌「ログイン」1986年4月号 表紙

 株式会社アスキーが発行していたパソコンゲーム雑誌。原本を入手出来たら改めて確認したい所です。

74~75ページ
T&E SOFTの広告が掲載されています。内容は(6)マイコンBASICマガジン 1986年4月号192~193ページと同一と思われます。「ハイドライド・スペシャル」の発売日も同様に「3月21日」と書かれています。

雑誌「ログイン」1986年4月号 74ページ~75ページ

(10) SPレコード「エンジェル・ブルー」(歌:ちわき まゆみ)見本盤

「エンジェル・ブルー」

東芝EMIが「ハイドライド・スペシャル」を発売するにあたり、「ハイドライド・スペシャル イメージソング」としてこの歌が作られ、ちわきまゆみさんが歌うことになりました。いわゆるタイアップです。「ハイドライド・スペシャル」の広告などには「エンジェル・ブルー」が同時発売という事も書かれています。

なお、ちわきまゆみさんの公式サイトに掲載されているディスコグラフィーを閲覧すると、2枚目にリリースされたシングルで発売日は「1986年3月20日」と書かれています。

発行者:東芝EMI
商品番号:WTP-17838
ジャケット表面左下に [H・3・20] と記述有。
歌:ちわき まゆみ
A面収録曲「エンジェル・ブルー」
 ハイドライド・スペシャル イメージソング

B面収録曲「Yummy Yummy Yummy(ヤミ・ヤミ・ヤミ)」

ジャケット裏面には、
「「ハイドライド・スペシャル」 FS-2002 G/希望小売価格 \4,900/好評発売中」と記述が有ります。

「エンジェル・ブルー」ジャケット裏面より「好評発売中」の文字


レコードの方には両面に「見本盤」という記述、また「3/20発売」という記述が有りました。ちわきまゆみさん公式サイトの記述と比較しても、これは「エンジェル・ブルー」の発売日とみなされるのでしょう。

「エンジェル・ブルー」レコードA面
左側に「3/20発売」、右側の枠内に「見本(非売品)」
これはB面にも同様に記述されている。

(11) 「T&E マガジン No.9」

「T&E マガジン」はT&E SOFTが自社製品の情報を流したり、ファンやユーザーとのコミュニティを図るために発行していた機関紙でした。このNo.9は私は所持していませんが、持っている方にお願いをして見せてもらいました。見せていただいて本当にありがとうございました。感謝申し上げます。助かりました。

発行日:1986年3月25日
発行所:株式会社ティーアンドイーソフト

「T&E マガジン」No.9 12~13ページ

12~13ページ
「ファミコン版ハイドライドスペシャル新登場!!」
2ページにわたって紹介されていますが、記事本文の冒頭にこう書かれています。

「T&E マガジン」No.9 12ページ文章冒頭

「皆様、お待ちどうさまでした。待望のハイドライド、ファミコン版の完成です。開発はティーアンドイーソフト、販売は東芝EMIで、3月21日に全国の玩具店で発売されました。

発売日から離れた時期の資料


さて、ここからは発売日からは離れた時期に発行された書籍に掲載されている発売日の情報です。とはいっても数多く所持している訳ではありませんが、一つ一つ確認しました。

(1) 「永久保存版 ファミコンゲーム オールカタログ 1983-1988」ファミコン通信 6月3日号特別付録①


「永久保存版 ファミコンゲーム オールカタログ 1983-1988」表紙

雑誌「ファミコン通信」昭和63年6月3日号
昭和63年6月3日発行(隔週金曜日発行)第3巻 第11号 通巻50号

1983年から発売されたファミコン用ソフト456本について、タイトル・定価・発売日・メディア・簡単なレビューが書かれているカタログ本で、「ファミコン通信」6月3日号の特別付録①です。
ちなみに、該当誌の表紙画像によると特別付録②は「ファミ通特製カートリッジステッカー」だったようです。
※投稿時『「スーパーマリオブラザーズ3 攻略ガイド2」』と記述していましたが、改めて確認したところ違いましたので記述を差し替えました。(2023年2月15日)

53ページに「ハイドライド・スペシャル」が掲載されています。
発売日は「61年3月」となっており、年月のみとなっていました。これはこのカタログ全体が年月までしか記述していないので、こうなっています。

「永久保存版 ファミコンゲーム オールカタログ 1983-1988」
53ページ 「ハイドライド・スペシャル」掲載部分

(2) 「ファミコン通信 編集部責任編集 '89全ソフトカタログ」アスキームック

「ファミコン通信 編集部責任編集 '89全ソフトカタログ」表紙

発行日:1989年9月15日
編者:ファミコン通信編集部
発行所:株式会社アスキー
雑誌コード:63595-42
定価:980円(本体951円)

1989年のファミコン通信で出したソフトカタログ本。ファミコン用778本、ゲームボーイ用25本、PCエンジン用127本、メガドライブ用46本のゲームソフトが掲載されています。

74ページにハイドライド・スペシャルが掲載。
「86年3月18日発売」と記述されています。

「ファミコン通信 編集部責任編集 '89全ソフトカタログ」74ページ
「ハイドライド・スペシャル」の部分

(3)「ファミリーコンピュータMagazine100号記念 ファミコン ロム カセット オール カタログ」No.7特別付録

「ファミリーコンピュータMagazine100号記念 ファミコン ロム カセット オール カタログ」
表紙

「ファミリーコンピュータMagazine」No.7
平成2年4月6日発行(隔週金曜日発行)第6巻第7号(通巻100号)

徳間書店のゲーム情報雑誌「ファミリーコンピュータMagazine」が創刊100号を記念して、同号に付録として付けたカタログです。ディスクシステムを除くROMカートリッジのゲームソフト619本を掲載しています。

「ファミリーコンピュータMagazine100号記念 ファミコン ロム カセット オール カタログ」
p134より「ハイドライド・スペシャル」の部分

134ページ右下に「ハイドライド・スペシャル」が掲載されています。
「発売日 '86年3月18日」となっていました。

(4) 「ファミコン ロム カセット オール カタログ '91年版」5月10日号特別付録

「ファミコン ロム カセット オール カタログ '91年版」表紙

「ファミリーコンピュータMagazine」5月10日号
平成3年5月10日発行(隔週金曜日発行)第7巻第9号(通巻126号)

(3)の「ロム カセット オールカタログ」と同様に「ファミリーコンピュータMagazine」の特別付録としてつけられた1991年版。

172ページ右下に「ハイドライド・スペシャル」が掲載されています。
(3)と比較して同一内容に見えます。
「発売日 '86年3月18日」となっていました。

(5)「ぼくらのTVゲームHistory ファミコン10年!」角川スニーカー・G文庫

「ぼくらのTVゲームHistory ファミコン10年!」表紙

平成6年1月1日 初版発行
編著:GAME PAPA
定価:600円(本体583円)
ISBN:4-04-480601-2

テレビゲーム雑誌に関わってきた業界人の「ゲーム同好会」的集団「GAME PAPA」が、ファミコン発売から10年を機にその歴史とゲームにまつわる思い出話をまとめた文庫本です。
295~339ページの範囲で [資料編]ということで、1983年7月15日~1993年7月23日 の期間で発売されたファミコン用ソフトの一覧が掲載されています。296ページには「資料協力:任天堂株式会社」との記述が有ります。

「ぼくらのTVゲームHistory ファミコン10年!」296ページ
右下に「資料協力:任天堂株式会社」とはあるが、言い換えればその任天堂が協力した範囲については不明であり、全部ではなく一部の可能性もあるかもしれない。

「ハイドライド・スペシャル」は300ページに掲載されています。
発売日は「3/18」とされていました。

「ぼくらのTVゲームHistory ファミコン10年!」300ページより
「ハイドライド・スペシャル」の部分に赤線を引いた。

ここまで調べて。そして情報提供のお願い

ここまで一部を除き、筆者が持っている資料から「ハイドライド・スペシャル」の発売日を確認してきました。1986年3月の発売日付近では「3月21日」と書かれているものばかりだったのに、少なくとも1989年から発行された資料には「3月18日」と書かれているものばかりでした。

確認した情報を元に時系列に並べると、このような感じになります。


 1986(昭和61)年 3月
18日(火) 「ハイドライド・スペシャル」発売日……①
     「ホビーズ・ジャンプ No.9」発売日
20日(木) ちわきまゆみ「エンジェル・ブルー」発売日
21日(金) 春分の日(祝日)。
     「ハイドライド・スペシャル」発売日……②
     イベント「大チャレンジ大会」東京会場
25日(火) イベント「大チャレンジ大会」大阪会場
     「T&E マガジン」No.9 発行日
30日(日) イベント「大チャレンジ大会」名古屋会場
 1986(昭和61)年 4月
10日(木) 攻略本「月刊少年ジャンプ ホビーズジャンプ特別編集
     ハイドライド・スペシャル マルテク必勝本」発売日。


何故、このような事が起きたのでしょうか?実際に発売予定日が21日だったものが、18日に変更されたのでしょうか。それとも18日と書かれた資料、もしくは21日と書かれた資料のどちらかが誤りだったのでしょうか?理由を考えることはいくらでもできますが、それは結局推測に過ぎません。
発売日の記載がなぜ変わったのか、その理由をこの資料を確認しただけでは解明させることはできていません。私自身、この疑問をどうにかして解明したいという思いがますます強くなりました。

そのためにも、「ハイドライド・スペシャル」の発売日に関する何かしらの情報---書籍・雑誌・新聞等のメディアや当時の関係者からの情報提供をお願いさせてください。当方が持つ資料だけでは不十分です。
宜しくお願い致します。

長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただいたことに感謝を申し上げます。いつか、真実が分かることを期待して調査を続けていきたいと思います。

(おわり)

(追記)
続き(その2)の記事を投稿しました。


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