2023年の組織体制の振り返りと今年に向けて
こんにちは。Linc'wellの開発部の岡野です。2022年から引き続き、開発部の責任者として開発組織が社内でより大きな成果を出すためのサポートをしています。
前回の記事を見返すと、開発部の責任者になりたてということもあり、張り切ったタイトルの記事になっていますね。前回から1年弱経過して、2023年を振り返りつつ、今後に向けての取り組みについて書きます。
2023年の振り返り
開発部にとって、2022年から準備をしてきたプロジェクトの集大成となる1年でした。大きく2つのプロジェクトが完了し、それぞれ無事リリースすることができました。
抜本的によりよい体験を提供するための、患者向け診察予約Webアプリのリニューアル。Ruby on RailsのViewベースのMPAからReactベースのSPAに移行しました。プロジェクトをリードした佐々木から渾身の記事が共有されていますので、ぜひこちらもご一読ください。
Linc'wellが提供しているサービス群へのアクセスを一つにまとめたモバイルアプリ「クリフォア」のリリース。GraphQLの複数エンドポイントの運用、Flutterの採用、各OSのヘルスケア機能との連携など、技術的に新しいチャレンジを詰め込んだプロダクトになっています。
うまく機能したこと
プロダクト間の連携を密にするために、開発部としては職能横断でのチームを作っていました(バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、など)。このチームがあったことで、知識や情報を共有しながら、
発生する問題に対して適切に対応しながらプロジェクトを遂行できたと
考えています。
患者向け診察予約Webアプリのリニューアルが長引く中で、試験的に組成した技術基盤チームが活躍しました。技術基盤チームは開発体験の向上や技術的なチャレンジがしやすい環境を作るために組成したチームです。
プロダクトも技術分野も横断して発生する課題を検知し、解決を推進する体制ができていたことで、問題発生時にスムーズに対応を行えるようになりました。
改善の余地があること
一方で、無事大きなプロジェクトを終えて見えてきた改善点もあります。
プロダクトごとではなく職能ごとのチームを作ることは当然トレードオフがありました。職能ごとの連携が強いため、プロダクトチーム内でもナレッジの偏りが生まれ、できることの偏りが発生しました。その影響で、プロダクトチーム内での属人性が高まり、プロダクトの価値に向き合いにくい組織になりつつあると感じています。
複数のプロダクトを横断した技術的な課題が、技術基盤チームを組成した時に想定していたよりも多くなってきました。順調に事業が成長・変化している証拠でもあるので喜ばしいことですが、放置しておくとプロダクト開発全体の生産性の低下につながる懸念があります。
2024年に向けて
開発組織のテーマとして「フルサイクルエンジニアリング」を置いています。本来的な意味からはズレるところもあるかもしれませんが、以下のような意味合いで使っています。
プロダクト開発に関わるエンジニアが設計・開発から運用まで、これまで以上にカバーできるよう、プロダクト開発全体を通した問題点を捉え、
解決しやすくする上記のプロダクト開発を支える、ツールやナレッジを充実させ、問題解決に集中できる環境をつくる
これら2つを実現するために、組織として「プロダクトチーム」「技術基盤チーム」の2つに再組成しました。2023年には試験運用だった技術基盤チームを本格的に運用していきます。
プロダクトチームの取り組み
プロダクトチームとしては、より安定的にスムーズにプロダクトを届けていくための取り組みを行なっていく予定です。
プロダクト自体の知識やサポートを行うためのナレッジの偏りを減らし、チーム全員がプロダクトの価値に向き合える状態を目指す
その上で、企画・設計・開発・運用の流れの中で、チームごとに改善を
積み重ねていく。例えば、テスト実施タイミングの見直しやリリース
フローの改善など。これらの課題の中で、プロダクトを横断して発生している大きな課題については、技術基盤チームと協力して解決を進めていきます。
技術基盤チームの取り組み
技術基盤チームの中にある「リライアビリティ&セキュリティチーム」などは昨年から活動をしていました。今年もより発展させていきたいと考えています。一例として、
アプリケーションのログが散在している状況を解消し、システム障害等の問題発生時の調査を容易にしていく
データ基盤自体は構築できてきたので、それらの活用機会を増やしていく
などです。
また、今年からは新規に「認証基盤チーム」「バックエンド基盤チーム」「フロントエンド基盤チーム」の立ち上げを行なっていきます。それぞれ担っていくことは
認証基盤チーム: プロダクトごとに管理している認証に関する処理を集中し、保守性や開発のしやすさを高める
バックエンド基盤チーム: 複数プロダクトを横断して開発をしているサーバーサイドのアプリケーションについて、プロダクト間の影響範囲の把握が難しくなっている。その解決のために、プロダクトや機能の単位で適切に分割を進めていく
フロントエンド基盤チーム: プロダクト横断で利用するデザインシステムの構築や、利用ライブラリ・フレームワークの見直しによる抜本的なパフォーマンスの改善を進める
などです。
おわりに
プロダクトの提供価値を高めるために開発していきたいエンジニアも、それを支える安定した基盤を作りたいエンジニアも絶賛募集中です。より詳しい取り組みを知りたい方、少しでも興味を持っていただけたら、まずは気軽にお話ししましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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