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8月に紹介するのは、夏バテに効く先人の知恵、仙草茶。

台湾も日本も、本場の夏に入ったことを、肌で実感しています。

家の前の田んぼ。米が美味しそうに育てられています。

夏の長い台湾では、熱中症予防のために、古くから「青草茶」が飲まれています。

「青草」とは、ハーブと薬草の間にあるものです。

薬草だと、薬用植物で漢方や中医の病院で薬として使われたりする物が多いが、青草はそれよりも気軽に、お茶のように毎日飲んで良い物で、つまり医薬品ではなく食品扱いです。

ハーブティーだと、香りや味を楽しんだり、ノンカフェインで身体を癒したりするのですが、台湾の青草茶はハーブティーより少し効果を強調することが多いです。

その原因は実は、青草茶屋さんは昔の薬局でした。

漢方がまだ台湾に入って来ていなかった時に、民間では既に薬草で病を治す習慣がありました。当時は、医者も病院もなく、人々が一番尊敬する場所、お寺で診療が行われていました。風邪や熱が出た時に、ドクダミ、アロエ、ヨモギ、シソ、レモングラス…などの薬草を飲むと良いと言われ、お寺の近くに薬草屋さんが必ずありました。今の時代を例えば、病院やクリニックの近くに薬局があると一緒ですね。台北のあの有名な「龍山寺」の隣の小径に、外からは全く分からないが中に入るとまるで薬草博物館のような「青草街」があります。昔からお寺で処方箋をもらってここで薬材を購入されていました。

その後、漢方薬が中国からやって来て、そして日本植民地時代に西洋医学も入って来ました。中医師より出す漢方薬や病院で使われる西洋の医薬品と比べて、マイルドで効果の強くない薬草は、だんだん日常的に飲むお茶となり、普段の健康維持のような役割になりました。熱中症の予防、風邪気味の時、そして暑い日に一番よく飲まれます。

中国から伝わって来た漢方薬。漢方薬屋にて。

数多くの青草の中で、一番台湾人の生活に馴染んでいるのは、仙草茶と仙草で作られた様々の食べ物です。

シソ科の仙草は、身体を冷やす効果があり、古くから熱中症予防などによく使われてきました。また、天然で豊富なペクチン含まれ、お茶だけでなくデザートにも良く使われ、仙草ゼリーにシーロップをかけたりかき氷のトッピングになったりして台湾では大人気な薬草である。

乾燥された仙草(茎と葉)


夏の市場に行くと、必ず仙草茶と仙草ゼリーが売られています。
黒い色は、乾燥された仙草の茎から、天然な色素が出ています。
また、煮詰めるとペクチンが沢山出て粘りがあり、もう少し片栗粉を入れてゼリー状にしてシーロップをかけて食べるのが、台湾人として夏の記憶です。

夏の市場で見かける仙草茶と仙草ゼリー

また、仙草はお料理にも使われます。

夏バテに元気を出してくれる鳥スープに、身体を冷やしてくれて落ち着かせてくれる「仙草鶏湯」に、コクをためによく長年熟成された大根の漬物(老菜脯)が一緒に煮込まれます。


台湾の仙草の一番有名な産地は、新竹の関西という所です。

台湾特有の「紅骨仙草」(茎が紅品種)が栽培され、一般の茎が白い品種より香りが濃くて人気です。

関西の農協スーパーで様々な仙草製品が開発され、観光のついでに行くのも楽しいです。

・8月の台湾茶|仙草茶

シソ科の仙草は、身体を冷やす効果があり、古くから熱中症予防などによく使われてきました。天然で豊富なペクチン含まれ、お茶だけでなくデザートにも良く使われ、仙草ゼリーにシーロップをかけたりかき氷のトッピングになったりして台湾では大人気な薬草である。


仙草茶はほとんどの場合冷たい状態で飲みます。 熱湯で抽出して、室温に冷ましたら氷を入れたら冷蔵庫に保存したりして、暑い時の水分補給としてゴクゴク飲むのが台湾流!

市場で売っている真っ黒な仙草茶は、乾燥の仙草を1.5時間ほど煮詰めた物で、今回のセットに入っているティーバッグは、焙煎されて細かくされた茶葉を使うことで、1時間煮詰めた物と比べると濃度が違うが、ノンカフェインなのでティーバッグを取り出さずにそのまま冷蔵庫に入れてもOK。

そのまま冷蔵庫に入れて冷やしましょう

・8月の台湾お茶菓子|三星ネギ入りヌガークラッカー

台湾の超人気お土産、ヌガークラッカーとは、2枚のクラッカーにヌガーが挟まれ、塩味のクラッカーと甘いヌガーと妙なハモにーを演出。中でも干しネギの入ったクラッカーが一番人気であるため、宜蘭の名物、三星ネギを使ったプレミアムヌガークラッカーを使用しています。

今回使用している三星ネギ入りヌガークラッカーは、「穀王」という宜蘭の有名なベーカリーで作られた物です。穀王のチームが、2022年フランスで行われたCoupe du Monde de la Boulangerie クープ・デュ・モンド(ベーカリー・ワールドカップ)にて優勝を取り、2010年の吳寶春、2018年の王鵬傑の次に、台湾のチームがこのコンクールで優勝を取りました。

☝︎豆知識:三星ネギとは、あのミシュランの三星ではありません(笑)。

宜蘭県の三星郷で栽培されたネギは、白い部分が長くて甘く、全国的に有名です。他の県民が宜蘭に来ましたら必ず買うお土産です(ネギとネギ入りヌガークラッカー両方です笑)★★★






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