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砂鉄から鉄を作ってみた。
石器を使っていたのが石器時代。
土器を使っていたのが縄文時代とか弥生時代。
そして、鉄器を使うようになった時代が1500年ほど続いています。
鉄は便利な金属で、現代ではあたりを見回せば鉄製品だらけ。
でも、金属の鉄って自然界にはほとんどないものです。
木こりが山に生えている鉄を伐りに行きました。とか
さるかに合戦で栗拾いのついでに鉄を拾ってきましたとか、聞いたことがないでしょう。
鉄が必要なら、頑張って人間が作り出さないといけないのです。
日本では、大正時代までは砂鉄を原料にして鉄を造っていました。
いわゆるたたらというやつです。
昔、中国山地で盛んだった砂鉄を使った製鉄技術を残そうと、私たちは小さな製鉄をやってみました。
本当は粘土で四角い炉を作ってやりたかったのですが、あまりに大掛かりになるため、インスタントな縦型炉を作ります。
少しでも狂いがあってはいけないので、技師長は慎重に事を進めていました。
高さ2メートルほどの炉に火を入れて、炭をガンガン入れます。
30分ほどすると、青白い炎が上り始めます。
みんなで手分けをして、砂鉄を入れて行きました。
心を込めて、少しづつ。
少しづつ。
砂鉄には、酸化鉄と珪素が半分づつ含まれています。
その珪素が溶けて炉底に溜まります。
この珪素をうまく分離するのがたたらのキモです。
真っ赤な溶岩のように流れ出てきたのがノロと呼ばれる不純物。
真っ赤に溶けて流れ出しているもの。
じつは、これは鉄ではなく不純物のほうなのです。
そして7時間。
炉を解体します。
鉄は半溶解のまま、炉内に残っています。
水に漬けても10分くらいはぐつぐつと煮えていました。
そして取り出したのがけらと呼ばれる鉄塊
砂鉄に半分の酸化鉄が含まれているとしたなら、15Kgの砂鉄には7.5Kgの酸化鉄が含まれています。
まだ若干の不純物を抱いていますが、これくらいの鉄が採れたのなら上出来でしょう。
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