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柏餅を作ってみた。

快適なドライブ気分で車を走らせていると、隣にいた妻が突然大きな声を出します。
「止まって!」
なんだなんだ。
山の向こうにエバンゲリオン初号機でも見えたのかと、待避所に車を停めます。
妻はドアを開け、脱兎のごとく走ります。
私は、どうしていいのかわからず、車の中であたふた。

攻撃されたらどうしょー

妻はなりふり構わず路肩の山の中に分け入ってゆきます。
いくらなんでも、エバはそんなところにはいないがなあと思っていると、妻は10枚ほどの葉っぱを持って現れました。
艶やかな緑の葉っぱ。
それは私も見覚えのある物でした。
遠い昔、私がまだ神童と呼ばれていたころ、母に作ってもらった柏餅の葉です。

私の町では、5月の節句には柏餅と笹巻が二大巨頭として君臨していました。
あんこの入っているのが柏餅。黄粉やお砂糖を付けて食べるのが笹巻です。

妻は鼻息も荒く葉っぱを私に突きつけ「今日は柏餅を作るけんね」ときっぱり宣言しました。

ものの本によると、柏餅は江戸時代になって流行したもの。参勤交代によって全国に流行は広がったものの、関東では柏の葉。関西ではサルトリイバラの葉が用いられたらしいっす。
私の地ではもちろんサルトリイバラです。


移動する車の窓からこれを見つけた妻の慧眼に襲入るばかりです。
120メートルもさがって頭を下げないといけない思いでありました。

で、材料はこれ。

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米粉を水で練ります。

水をすこしずつ入れてください。

水が回ると粉がベタベタになるので、なめてかかると痛い目を見ます。

何度かに分けて、少しづつ水を足して、まだ粉まみれの状態でもゆっくり練っていると綺麗な餅になります。

悪魔でも水は少なめにしてください。

そして、まあるく団子にすると、それを平たく伸ばして餡を包みます。

ここで欲張って大きな団子を作ると、葉っぱに入りきらなくなります。

欲張り爺さんは、昔ばなしでも後で悲しい目に合いますからね。

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葉っぱに包むときには、葉の表面に食用油を引いておくと後でよい事があります。

葉っぱが小さいときには2枚で挟むとよいでしょう。

そして、ゆっくり蒸し上げます。

冷ましてあげると、葉っぱにくっつかず食べやすくなります。

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我が家は家族で平和にいただきました。

エバの襲来もなくって良かったです。



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