【SS】忍者ラブレター｜＃毎週ショートショートnote

おひさま幼稚園は今日もにぎやか。園庭でケンちゃんと太郎くんは、いつものように忍者の修行をしている。

落ち葉を空中にパッとばら撒き、その間に木の陰等に移動する隠れ身の術の修行のようだ。赤や黄色の落ち葉がとても目立っているが、二人は気にしない。

「ケンちゃん、今度は手裏剣投げしない？」

手裏剣は小石。木に向かって、かっこよく石をぶつけるのだ。

「今日は違うことしよう！」
「なにするの？」

ケンちゃんは、落ち葉を拾ってこう言った。

「この葉っぱは大切な秘密の手紙。誰にもバレないように届けるんだ。」
「誰に？」

ケンちゃんは砂場でプリンを並べているミコちゃんを見つけた。

「ミコちゃんがお城の姫ということで、敵に手紙を盗まれないように渡すんだ」
「わかった」

太郎くんは真っ赤なモミジ、ケンちゃんは先が大きく二つに割れたイチョウの葉を選び、ミコちゃんに届けた。

「赤い方が好き！」

ケンちゃんのハート型の手紙は受け取ってもらえなかった。

［409字］noteのエディターカウンター

久々のおひさま幼稚園です。ドングリも落ちていそう。ミコちゃんは砂のプリンの上に載せているかもしれませんね。

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