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「活動」を支える新たな「場」の創出 その2

令和3年12月の定例会で行った一般質問の背景や考え方について記していきます。

 自由な存在として「活動」することが人間としての条件の一つであるという言説に従えば、その前提としてある固有性や独自性などの差異性あるいは多様性を相互に認め合い、関係性を築くことから全ては始まります。人間の「活動」が営まれる「場」はそうした差異性や多様性を前提に、さらに人間の生の充実に資するものであることが期待されます。

 道路、公共施設、学校、公園・・・など様々な公共の空間が、市民の「活動」を支える「場」として機能してきました。持続可能なまちづくりを進める中で、地域社会や時代の要請と将来のニーズに応えるため、新たな役割と機能を備えた「場」を創出する必要があるのです。
 人間の生の充実に資する「場」をどのように創っていくかを考え、12月議会での一般質問に取り組みました。その1~3は背景となる考え方、その4は今後に向けての新たな視点です。


その2
公共施設の統合・再配置~多様な「活動」を支える新たな「場」~

 人間は「活動」を通じてお互いに承認し合い関係性を構築することができます。そして関係性の中に、生きがいが生まれます。その活動の「場」をどのようなものにしていくべきかについては、市民との合意形成の中で、見出していくことが重要です。
 これまで市民の活動の「場」を担保していたのは、主に各自治体の公共施設です。しかしながら、高度経済成長期に整備された公共施設は老朽化への対応が急務となっています。人口減少と高齢化が進む中で、更新や維持管理費用の確保が大きな課題となっています。

ボランティア団体の活動拠点となっている
福生市福祉センター

 こうした課題は多くの自治体に共通するもので、福生市も例外ではありません。福生市は公共施設等総合管理計画及び個別施設計画等を策定し、公共施設の統合・再配置、保全・改修などを計画的行うことで、課題への対応を図る方針です。

各地区の再配置の時期と進め方のイメージ
(福生市個別施設計画より)

 さて公共施設の統合・再配置の課題と今後の福生市の学校教育、生涯学習のあり方は互いに深く関連しています。市は学校を核とし、そこに公民館や地域会館などの生涯学習関連施設を寄せていくイメージをもっています。持続可能なまちを形成していく中で、これからの生涯学習関連施設は、今まで以上に市民の学びをはじめとする多様な「活動」を保証することができる「場」でなければならないと考えます。

図書館をベースに様々な機能をもつ
大和市文化創造拠点シリウス(2020年視察)

 人生100年時代と言われますが、生きがいをもって生きるために、人は学び続けなければなりません。いつでも、だれでも、何度でも学ぶことができるまち。生涯学習社会の形成には、多様化する市民の多様な「活動」とこれ支える新たな「場」が必要です。公共施設の統合・再配置は市民の合意を得つつ生涯学習社会の形成に資するものでなければなりません。

 こうした公共施設の統合・再配置等には長い年月がかかり、多額の予算も見込まれます。市民の思いを形にしていくことと実現可能な計画であることの両方を見極めることができるよう、情報取集・調査研究して参ります。

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