見出し画像

令和5年3月定例会一般質問の概要

3月定例会で行った一般質問のまとめです。

1.公共施設の再配置等における市民との情報共有・意見聴取等について


(1)「福生のハコモノを考えよう」地域懇談会について

「福生のハコモノを考えよう」地域懇談会の様子

【質問】

公共施設の再配置等については、福生駅西口地区再開発における公共公益施設の設置を中心に、市民の合意を得ながら計画を進めていただくよう、様々な角度から質問してきました。先ごろ行われた「福生のハコモノを考えよう」地域懇談会に地元高校生が参加するという、今までにない形で行われましたので、当日の様子等について質問しました。

【答弁】

令和5年2月4日に、もくせい会館にて開催した。グループごとに、家族構成等を設定し、将来の暮らしを想像、その暮らしに紐づくのはどのような公共施設なのかを話し合い、発表。これまでは、若い世代の参加者が少ないことが課題だったが、福生高校と多摩工業高校にご協力をいただき、生徒10名が参加した。引率した先生からは、年齢が上の地域の方に対して発表をしたり、対話をすることは生徒にとって貴重な機会であり、またぜひお声がけをいただきたいとの感想をいただいた。

【まとめ】

「人口減少」を踏まえ公共施設に関する計画を進めると、どの施設機能を残すのか「選択」したり「縮小」したりする局面が必ず来ます。計画で示される数値目標をクリアするだけでなく、時代やニーズに即しながら機能を「選択」「縮小」することが必要であると考えます。将来を担う、若い世代も含めた市民と情報共有・意見聴取のチャンネルを持ち続け、必要に応じてより多く設けるよう要望いたしました。

(2)市民説明会について

市民説明会 ふっさのハコモノ未来トーク報告書より

【質問】

市民説明会(※1)は、以前、東京都立大学の讃岐亮氏が行い、市民と行政の協働、「共創」の重要性を強調されていました。こうした専門家による意識づけは、一定の効果があり、重要だと考え今後について質問しました。

【答弁】

このような市民説明会は、節目に応じて実施することが考えられる。今後は、人口減少や高齢化などの社会課題も想定しながらの、踏み込んだ検討が必要。福生駅西口地区市街地再開発事業については、現在、再開発準備組合と当該地区に整備する公共公益施設の内容等について検討・協議を行っている。西口地区の施設の整備を前提として、既存の施設の在り方や再配置を考えることをテーマとした説明会を催し、新たな検討に入っていくことが考えられる。

【まとめ】

西口地区の施設自体も、組合が施行する事業とはいえ、市が大きな公費を投じるものです。新たに整備する施設が従来の「ハコモノ」と揶揄されないためにも、市民との意見交換、市民説明を踏まえ、整備に至る経過、手続きについて、透明性を確保しつつ事業を進めていただきたいと要望しました。

(※1)市民説明会 : ふっさのハコモノ未来トーク報告書

2.障害児及び特性のある子どもへの支援について

児童発達支援センターの設置が期待される福祉センター


【質問】

令和4年3月の一般質問で、「児童発達支援センターの設置」に向けて動いているとの回答をいただきました。①その後の検討と設置に向けた準備について質問しました。

②4月1日から施行される「こども基本法」では、「こども大綱」に基づく「子ども計画」を定める努力義務について規定されています。障害のある子供及び特性のある子供への支援については、家庭と福祉、教育がより一層の連携を推進するための方策を、市の「子ども計画」に盛り込んでいく必要があると考え、どのような構想をもっているか質問しました。

【弁案】

令和5年度末までに児童発達支援センターを1カ所以上確保する。①昨年夏には運営形態の異なる4カ所の児童発達支援センターを関係部署8課の職員で視察。各部署の関係する事業の確認や運営方法等について検討を進めており、現時点では福祉センターの活用を軸に、進めていくことが、最善と考えている。

②国においても、保育所等や学校などにおけるインクルーシブな対応を行なっていくという方向性が顕著になっている。「こども計画」に障害児に対する支援について盛り込むことは必須である。令和5年度以降、有識者や市民の代表等から構成される福生市子ども・子育て審議会で十分に御審議をいただきながら、具体的な方策を盛り込んでいくことになるとの事でした。

【まとめ】

家庭と福祉、教育がより一層連携し、一つとなってインクルーシブを進めるために、ユニバーサルデザインの保育・教育を「子ども計画」に構想として盛り込んでいくことを提案しました。さらに、トータルな存在として子供を育むための最良の組織はどうあるべきか、以前から訴えている「福祉と教育」の両方を所管できる部局の設置について今一度熟議していただくことを要望しました。

3.学校と地域の連携ついて

学校支援地域組織のイメージ図


【質問】

令和5年度教育委員会は組織改正し、学校と地域の連携を進めるとのことです。生涯学習推進課で所管してきた「学校支援地域組織(※2)」と教育指導課で所管してきたコミュニティ・スクール委員会に関する事務についてどのように整理し事業を進めていくのか質問しました。

(※2)学校支援地域組織:地域の方々や保護者によるボランティアの協力を得ながら、学校運営や教育活動を支援する仕組みのこと。福生市では全小・中学校に配置された「学校支援コーディネーター」が、学校のニーズと地域のボランティア(学校支援サポーター)との連絡調整をしてつなぎ、より効果的な学校支援活動を行っている。


【答弁】

「コミュニティ・スクール委員会」と「学校支援地域組織の活動」については、所管している課が異なっているが一部重複している状況もあり、両組織の役割等を整理する必要があると考えている。そのため、令和5年度からは「学校と地域の連携に関すること」を事務分掌とする生涯学習推進課が、その両事業を所管し、一体的な推進を目指すとともに、学校と地域が協働して行う取組の一層の充実を図る。

【まとめ】

コミュニティ・スクール委員会には、学校の基本方針の承認や学校運営への意見具申などの制度本来の役割があります。この点は、教育指導課の役割が大きいと考えます。生涯学習推進課は、「2つの役割」の整理等に関しては、関係者に対して丁寧に進めていただきたい。私は、生涯学習の成果を地域に還元することの重要性を訴えてきましたが、学校教育にも生かしていくことが重要です。生涯学習推進課の努力と教育指導課の経験を活かし、両輪で事業の充実を進めることの重要性を訴えました。

4.キャリア教育について

視察を行った姫路市のキャリア教育に関する教育方針①
視察を行った姫路市のキャリア教育に関する教育方針②


【質問】

昨年、総務文教委員会で小中一貫教育に関し視察した姫路市は、小中一貫教育の柱としてキャリア教育(※3)に力を入れていました。①これまで、キャリア教育をどのようにとらえ、実践してきたのか、また②今後の展望について質問しました。

(※3)キャリア教育:一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育。

【答弁】

①教育委員会は、各学校の「キャリア教育全体計画及び年間指導計画」の作成について指導・助言等してきた。各学校では、児童・生徒の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育めるよう、学習内容と、将来の生活などを関連付けながら、自らが見通しをもったり、振り返ったりする機会を設けるなどして、授業改善を進めている。また、地元企業と連携し、中学生職場体験等、体験を通した学びの充実を図っている。
②令和5年度より、各学校の代表教員一名からなる担当者会を設置し、推進に向けた協議を進めていく。地域の特色を生かした各校独自の取組についての検討や、「キャリア・パスポート(※4)の活用方法について協議することで、より一層充実するよう努めるとの事でした。

(※4)キャリア・パスポート:令和2年4月から、全ての小学校・中学校・高等学校等において導入が順次開始。学習活動等の振り返りの記録を、キャリア形成の視点から捉え直し、12年間の見通しをもって、より効果的に児童・生徒のキャリア形成を図っていくことを目的としています。

【まとめ】

私は、キャリア教育を福生市の小中一貫教育の柱にしていただきたいと考えています。先生方には、職業体験のみならず、普段の授業もキャリア教育の観点からとらえ直し、基礎的・汎用的能力(※5)の形成につながる「自分らしさを発見する授業」を行っていただきたいと要望しました。

(※5)基礎的・汎用的能力:「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力によって構成される。

基礎的・汎用的能力(姫路市の教育方針から)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?