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中英語期で増えた職業に基づく姓が近代英語期で減ったのはなぜか?

英語史の輪 #131 を受けて考えてみました。


職業姓減少の要因

まず、職業姓の数が減るとしたらどのような要因があり得るのか、3点の要因を想定してみました。

  1. バリエーションの整理

  2. 非職業姓への改姓

  3. 夫婦同姓制度による収斂

バリエーションの整理

チーズ職人を意味する姓でも Cheseman, Cheser, Furmager など様々なバリエーションがあったことが hellog #5494. 中英語期には同じ職業を表わすにも様々な名前があった にも示されています。そういったバリエーションの整理が進み、チーズ職人になら全員同じ姓になるように整理されていった可能性があるのではないかというのが第1の要因案です。

非職業姓への改姓

職業姓から地名や親族関係に基づく別の姓への移行が進み、結果として失われた職業姓が増えたのではないかというのが第2の要因案です。

夫婦同姓制度による収斂

一時期話題になった、2531年には日本人全員が佐藤さんになるという東北大高齢経済社会研究センター吉田浩教授(加齢経済学)の試算のように、夫婦同姓制度の普及によって姓のバリエーションが失わたのではないかというのが第3の要因案です。

要素分解

上記3点を要因とした場合に、それらの背後にある要素にはどのようなものがあるのかを考えてみました。

3要因案に基づく要素分解

謝辞

要素分解において、以下の案は堀田先生および heldio リスナ各位のコメントを参考にさせてもらいました。貴重な視点をありがとうございます。

  • 威信化・フランスかぶれ:堀田先生

  • 他称から自称への変化:Lilimi さん

  • ギルドの発達:Anna さん

  • 非職業姓への改姓:Grace さん

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