トップセールスが語る、LIMEX営業の全貌
#1. 素材メーカーが製品を売る!?LIMEXの営業体制
-まず、LIMEX事業本部の営業体制について教えてください。
LIMEX事業本部は、現在、以下の5つのチームに分かれて営業活動を行っています。
-具体的にどのような営業活動を行っているのでしょうか?
「素材メーカーの営業」と聞くと、素材を扱う専門商社や製品メーカー、印刷会社など中間商流の企業に販売するイメージが一般的だと思います。しかし、私たちはLIMEX営業の初期から、エンドユーザーに直接最終製品として納品する手法を取ってきました。既存の設備を活用して、様々な用途の製品を生み出せることは、LIMEX素材の大きな特長の1つですが、最初から中間商流の企業に「新素材を使ってください」と提案しても、取り扱ったことの無い新素材に対しては不完全な部分があるのではと抵抗感を抱かれ、一筋縄ではいきません。
LIMEX素材を圧倒的な規模とスピードで普及させるためには、最終製品まで仕上げてエンドユーザーに届けることで、LIMEXを導入する価値を直接感じてもらい、エンドユーザーからの高評価を得ることが重要です。このことを通じて、中間商流の方々にもLIMEX素材を取り扱う機会を増やすことができます。
-先日は新たに「LIMEX パートナープログラム」というものが始まりました。これはどのような取り組みなのでしょうか?
このプログラムは、代理店や印刷会社の方々と共に、LIMEX素材・LIMEX製品の普及を目指すために開始しました。これまでパートナー企業とは、各社と個別に連携してきましたが、さらなる規模の拡大とパートナー連携の効率性を高めるために、パートナーの特性に合わせた3つのプログラムを用意しました。これにより、私たちの直販では網羅できなかったターゲット顧客にもLIMEX SheetやLIMEXを使用した製品の提案が可能となり、LIMEX素材の普及を加速させていきたいと考えています。
*LIMEX パートナープログラムの詳細はこちら
#2. 様々な業界に導入が広がる、LIMEXの強みとは?
-在籍歴も長く、現在トップセールスとして活躍されている仲谷さんですが、これまでどのようなお客様にLIMEXを導入いただいてきたのでしょうか?
私がLIMEX事業において営業としてこれまで培ってきた歴史は、LIMEXというブランドの成長の歴史と重なると考えています。
2017年2月に入社した当時は、LIMEX名刺をLIMEX製品の第1号として販売していましたが、LIMEX Sheetの耐水性・耐久性を活かして、飲食店のメニュー表に使用できるのではないかというアイデアが上がり、外食業界への提案を開始しました。従来のメニュー表とは違ってラミネート加工を施さなくてもLIMEX Sheetそのものに耐久性が備わっていることと、資源保全に繋がる環境性能を評価いただき、大手牛丼チェーンの「吉野家」をはじめ多くの飲食店で採用が拡大しました。
メニュー表の次には、LIMEXを使用した袋製品が大きく採用されました。「LIMEX Bag」は、2020年の「レジ袋有料化」の開始を受けて、環境に配慮した袋を求めるアパレルやアミューズメントパークなどの業界に採用され、導入事例を製品のPRに繋げていきました。 その後は、海外でのサプライチェーンの構築で価格競争力を向上させ、お客様の要求に応えるための製品ラインナップの拡充を進めながら、販売を強化しています。炭酸カルシウム(石灰石)の配合比率を抑えた「LimeAir Bag」は、現在では100円ショップの「セリア」など小売店で商品として販売されているレジ袋や、食品工場で使用するゴミ袋などにも広がってきています。
-近年は様々な環境に配慮した素材が増えてきていますが、その中でもLIMEXの強みは何だとお考えでしょうか?
個人の意見になりますが、従来のプラスチック製品の機能性を失わずに製品化できる点がLIMEXを使用した製品の強みだと思います。各社がプラスチック削減対策を推進する中で、紙製や他の素材に切り替えるニュースが増えましたが、約70年かけて進化してきたプラスチックの優れた機能性を再現するのは難しいという声も聞かれます。その点、従来のプラスチック製品の成形機で、環境性能と機能性を有した製品化ができる点はお客様に評価されていると思っています。 また、私たちTBMのビジョンや掲げている目標に対するアクションに共感していただけることも、LIMEX素材の普及を大きく後押ししていると感じます。「デニーズ」を運営しているセブン&アイ・フードシステムズ社をはじめ、私が担当している様々な業界の企業からもTBMへの期待の声をいただき、複数のLIMEX製品を使用いただいています。
#3. 自身が生み出す、社会的インパクトの大きさ
-LIMEXという新素材を普及させていく上での困難や課題はどのような点がありますか?
プラスチックや紙で十分だと思っている方々に、「なぜLIMEXにしなければならないのか」という理由を納得いただくことが必要不可欠です。企業として意思決定をする際、新素材を使うことに対して「本当に変更して大丈夫なのか」「切り替えた効果をどう示すのか」といった不安をどのように解決していくかが課題です。
-そういった課題を、これまでどのように乗り越えてきましたか?
LIMEX素材や製品の導入による環境負荷低減の定量的な効果や、安心してご使用できることを実際の事例を交えながらお伝えしています。 そのためには、営業として社内の関係箇所との調整を怠らないことが不可欠です。ある大手企業向けのレジ袋の案件では、導入先が運営する店舗への個店配送の体制が条件でしたが、当時のTBMにはその仕組みがありませんでした。そこで体制が無いから諦めるのではなく、SCM室と連携してゼロからお客様の求める配送体制を構築しました。その構築を完了したうえでお客様に価格を提示し、他社製品と比較されている中で、採用に至りました。多くの関係者にサポートしていただいた困難を乗り越えてきた案件だったので、先方から採用の連絡をいただいた瞬間は、今でも忘れられないですね。
-仲谷さんが営業をする中で、仕事のやりがいを感じたエピソードがあれば教えていただけますか?
今まで様々なことを経験しましたが、入社から現在まで変わらずに感じていることは、「この仕事は誰にでもできるわけではない」ということです。私は「自分じゃなくてもできる仕事は自分がやる意味がない」と考えるタイプです。最初に入った会社は、8万人の従業員がいたため、自分は会社における8万分の1の存在でした。私が入社した当時のTBMは、約60人の規模でしたが、今は300人を超えています。300分の1は、何万分の1よりも大きなインパクトを与えられると思います。
印象に残っているのは、某家電量販店に「LIMEX Bag」を提案した時です。当時は従来の石油プラスチック100%の袋と比べると、性能面と価格面でのハードルがありましたが、「これは社会的に必要なコストだ」という有り難い言葉をいただき、採用を決めてくださったあの瞬間は、非常に強い感謝の気持ちとともに自分の記憶の中に深く刻まれています。
LIMEX製品のような新しい製品やサービス、仕組みを作ることは、私にとっては全て新しいチャレンジです。自分だからこそできるはずだと信じ込んでいますし、共に挑戦してくれる仲間がいます。「幸せを共有したら2倍、苦しみを共有したら半分」という言葉がありますが、その言葉を現実に体験できていることが、自分の仕事におけるガソリンのような気がします。
#4. 未来を創るために、失敗を恐れず、突き進み続ける仲間を
-最後に、一緒に働きたい人物像について教えてください。
「これまでのキャリアで自分が打ち込んできたビジネスでの経験を、どうやってこの会社で生かしていくか」という点は非常に重要だと思います。これまでの常識に縛られすぎていては、TBMの挑戦を進めていく上で難しいと思います。過去の経験をうまく活かしながら、TBMの目指す方向に自身を常に変化させて適応していける人、チャレンジを伴ったとしても変化すること自体を楽しみながら困難を乗り越えていく向上心がある人に来ていただきたいと思っています。
様々な困難にぶつかって挫折しそうな時に、製品や仕組みが整っていないことなど自分以外の他者のせいにせず、自分自身に矢印を向けて、健全に自省できるかも大切です。社内を見渡しても、自分で原因を突き止めて改善する覚悟を持って仕事をしている人がこの会社で活躍している印象です。
とにかく勇気を持って、失敗してもあきらめずに何度もチャレンジをすることが大切だと思います。チャレンジには失敗が付き物ですが、失敗を恐れてしまっていては何も始まりませんし、大きな変革なんて実現し得ないと思います。営業に限らず全ての部署で必要な要素だと思うので、失敗を恐れずに挑戦ができる人たちと一緒にLIMEXというブランドを世界中に広げていきたいと思っています。