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備忘録ー青いマドリッドの空に魅了されて

コロナウイルス蔓延中、2020年5月末に家族ビザで夫と日本→スペインに渡った話をざっくりと書きます。 *より正確で最新の情報は、大使館等へ問い合わせをするなど、確認を進めてください。

自分の部屋からはこんな景色が見える。

サラサラの風が肌を撫で、木々が歌い、カササギがお喋りを楽しんでいる。

網戸のない窓からはハエのお客様が時々やってくるけれど、じき外にかえってゆく。

夢のようだ―そう、マドリッドの家に無事到着したのだ。


出発の日の朝、空港内のホテルで4時半に目を覚まし、飛行機に乗って、到着したのはスペインの現地時間で22時ごろ、日本時間の朝5時ごろだった。

空港はガラガラで、お店もほとんど閉まっていた。

夫の駐在帯同とはいえ、現地のIDカードは夫しかもっていなかったから、行く先で入国を止められたらどうしよう、という不安を抱えたまま、荷物検査を通り、搭乗口に向かう。

ところどころでパスポートや渡航の経緯の確認がなされ、熱を測られる。

夫に何度となく、「さきにずんずんいかないで、わたしが止められたら説明のために寄って来てね」と念を押した。もっとも夫はずんずんいくタイプではないのだが。

2人で初めての海外渡航。「家族なんだからまとめて出せばいいのに」と夫に言われるまで、後ろに立っていた。

JALの飛行機の中も自分たちの席の周りはがらんと空いていて、というか空けられていて、複数名のCAに「長旅ですし、席もこの通りガラガラですから、どうぞ周りの席もたっぷりつかって、横になっておやすみくださいね」と声をかけて頂いた。

お言葉に甘えて横になった。早朝に起きた分、気を失ったように寝ていた。

勿論映画も楽しんだ。

「フォードvsフェラーリ」という映画、面白かった。

久しぶりにトム・ハンクス主演の「フォレスト・ガンプ」やティム・バートン監督の「Big Fish」を飛行機に持ち込んで見返したけれど、何回見てもしみじみする。そして涙がぽろぽろ。

今回飛行機は2回乗り継いだ。

大阪ー羽田ーロンドンーマドリッド。

マドリッドに家族ビザで初めて入国する人は、シェンゲンのスタンプをマドリッドで押してもらう必要があるので、スペイン以外のシェンゲン国を経由してマドリッドに入ってはならない。一方、ロンドンはシェンゲンではないし、経由の時点で入国することもないので、ロンドン経由は可能。

(←これ、私がとてもほしかった情報だったのでシェアしておきますね。現在、日本→マドリッドの直通便が全然取れないので、悩まれている方はご参考までに。)

ロンドンーマドリッドはイベリア航空で渡航したのだが、ロンドンの搭乗口で、パスポートとは別にIDカード(NIE)の提示を求められた。システムに登録しているようだった。

わたしは持っていないので、「私はこの人の妻です」と言うことで許してもらった。「どんなタイプのビザなの?」と訊かれ「ファミリービザよ」と答えた。やりとりが英語でできて助かった。

イベリア航空の機内では、A4サイズ表裏の申告書を1世帯1枚渡され、記入した。英語とスペイン語好きな方がえらべた。表は夫の名前や滞在場所、パスポートナンバー、私の名前を記入。

申告書には、18歳以上で1枚申告書を提出すること、と書いてあったが、CAには「家族は1枚でいいのよ」と言われ、私の名前は、「18歳未満の者はこちらに記入」という欄に書くようにというCAの指示に従った。

裏は「この2週間以内に病院にいったか、体調がわるくなったか、体調が悪い人と接触したか」などの項目にチェックをいれ、渡航目的を記入した。選択項目が「旅行」「ビジネス」「留学」のようなものしかなかったので、項目の下の空いているところに"We are going home(おうちに帰る)"と書いた。

入国審査はパスポートを渡すと何の説明も必要とせず、驚くほどさらっとハンコを押してくれて、ほっとした。

荷物をうけとり、出口に向かう途中で再度熱を測り、申告書を渡すと「入国後2週間は、食料などの生活必需品の買い物を除き、外出してはならない。1日2回検温すること」という紙を渡されて解放された。


入国後1週間が経過した。

スペインに来たのは初めてで、それこそ外出も買い物以外全くしていないけれど、毎朝果物をもりもりと食べ、自分の部屋からこの窓辺を眺め、新鮮な涼しい空気を吸うたびに、幸せな気持ちになる。

ベランダに食べた後のアボカドの種を埋めて「あぼやん」と呼んで可愛がっている。時々、「あぼんぬ」とか「あぼすけ」とかになったりする。芽が出ると言いな。

時差ぼけも段々治り、午後も集中して勉強できるのも気持ちがいい。

2週間経ったら、外に走りに出かけよう。


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