記事一覧
短編小説 アリラン峠を越えて
太陽節の失敗
「何が太陽節だ、ろくに電気もきやしないくせに」。
真っ暗なタワーマンションの階段を登りながら、周りに誰もいないのを確認して金白虎(キムペクホ)は悪態をつく。ここは誰もが憧れる地上の楽園、朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌。今日は太陽節の行事で、白虎の働く化学製品工場の労働者たちも準備に駆り出された。ところが白虎が30分も遅刻したせいで、工場労働者全員が党員からこっぴどく叱られた
大手ブラック企業で心がけていたこと
大手ブラック企業に勤めていた頃、隔週で革命の首脳部(本社)に全労働者が呼ばれて、偉大なる指導員同志らのありがたいご教示を2時間延々といただく会がありました。
ご教示の内容はざっくりいえば「数値目標を決死擁衛せん」。数値目標を達成できなかった部署は名前を呼ばれて、全労働者の前で自己批判をしたり、次への対策を述べたりしました。北朝鮮でいういわゆる生活総和というやつです。
私はこの会を「党大会」と名
大手ブラック企業を脱北した話
私は東京藝術大学を卒業したのち、社会(主義)人(民)という言葉に惹かれて、学生時代インターンをしていたデイリーNKジャパンではなく、大手学習塾に入社して2年間働きました。ところがその会社は今はやりのブラック企業だったのです。
思えば私の就職活動は適当でした。まず、就活解禁の大事な時期にシンガポールで遊び呆けていました。
慌てて応募したのは共●通信。日本で唯一平壌に支局を持っています。北朝鮮にこん
先軍女子が考える「ストレスフリーな南朝鮮傀儡旅行」
概要:日帝残滓の海外旅行先としてなぜか人気な南朝鮮。年間渡航者は1700万人と、年間訪朝者に比べて格段に多い。ところが、南朝鮮は米帝によって傀儡となった資本主義の権化のような国家であり、無防備に旅行へ行くとものすごいストレスを受けることとなる。そこで、今回は年に数回のペースで積極的に傀儡旅行を行う先軍女子の私が、傀儡旅行に行く際の注意点やお勧めなどを紹介する。
目的:赤化統一
予算:南