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犬としてちょうどいい幸せ ダサイン前夜に名残惜しむ【専業旅婦飯43〜28年目のネパール20日目下】

Boudhanath

昨日ここのホテルのお湯の出を褒めちぎったが、スタッフも若いけど相当にいい。ちょうどいいフレンドリーさと気遣い。ユーモア。今回の旅は、Namobuddha guest house の夫妻が魂部門のベストなら、ここのスタッフはお仕事としてのホスピタリティ部門のベストだ。

そして犬もいい。
朝食の時間はガーデンカフェへの道を行き来し、日中は決まってエントランスで寝そべっている。賢さは一目瞭然。

彼の名はPepe

外に出ると近くでこちらもいつも寝そべっているレストラン前の犬

中央と右の二匹が見事に同じポーズで座っていたので写真を撮ったが
その瞬間に中央が顔を動かしてしまった

鶏にしても犬にしても、道端にたくさんいる。30年前よりすごく体格が良くなった。そしてもちろん飼犬は一部だが、生存競争もあるだろうから大抵大人しくわきまえていて賢そうだ。
無闇に噛んだり鳴いたりし続ける犬を生かしておくことはないだろうし、人間とうまく共存して生きていける犬に育てられた、そういう素質を獲得した犬が生き残る。こんなに野犬に安心していられるのはそういうことかも。

ネパールの人達の栄養も明らかに向上していて、若い人の体格も良くなっているが、鶏なんか見事で、一羽が日本の鶏並みだ。でもあっちはブロイラーでこっちは地鶏。肉の詰まり方が違いそう。
30年前は鶏肉は一番高い「具」だったが、今はバフや卵などとの差はそれほどない。相対的に随分安くなったようだ。
90年代インドで見た鶏及び鶏肉の肉付きは貧弱だった。そもそも肉食が一般的ではなかったから、肉屋の店先に並んでいることも少なく、ベジタリアンだらけの中後ろ暗い気分もあるので(ノンベジタリアンのレストランでは個室にカーテンを引かれたりする)純粋に値段も高いので旅行中は野菜中心になる。
タンドリーチキンも大変骨ばって骨つきもも肉も可食部分が少なかった。その分すごく味は濃かったけど。
ネパールに入るとチベット系など仏教の人も多く、習慣的に肉も身近だ。以前から厳格なベジタリアンではないけど後ろめたさのあるインド人が、肉食&酒を目当てにネパールに来ていた。インドでは特に昔は酒もあまり大っぴらに飲むものではなかったのだ。ネパールで羽目を外すらしい。
体質的というより飲み慣れてないという点で、飲むとベロンベロンになる人も多かった。
映画でも酒の力で馬鹿騒ぎとかのシーンがやたら多い。

ここは表に肉は見せていないが
生前と解体後の詳しい絵の看板

以前からインドの鶏よりは大きかったが、こうまで見事なのがコッココッコと道端で色々ついばんではいなかったように思う。
だってこんな供物が道端にあるし、食べかすも落ちているし、鳩に餌をやる寺院とかも多いから競合相手も少ない。

まぁこれはダサイン用の気合い入った供物だろうけど

今日の夕食は見出しの写真の四川料理と、タンドールを備えたナンやインド料理と、その他麺などのチベット料理と、ネパール料理と、ピザやパスタなどの西洋料理と、えらくメニュー数が多いお店に入る。
でも昔からネパールでそういう店が多いけれど、小麦粉を捏ねて焼いたら、具によってピザになりナン風になり、また細く麺にしてトマトソースを絡めてチーズの載せてパスタ、野菜や肉と炒めたら炒麺、スープに入れたらトゥクパ、という風に、ベースは同じものが変化させられて意外にそれっぽくなるということがわかったのだが。

アルファベットの Sichuan は「スーチョワン」と読み、「四川」を漢語読みしたもののアルファベット表記だ。
ネパールとヒマラヤを挟んで隣りあっているチベットは、その地理から四川料理の影響を受けている。
中国を旅行したり中国語を齧ったらわかるが、日本で暮らしていたら「しせん」と呼ぶだけで全く事足りる。
以前ある動物園に家族で行ったら人の少ない所でアラームが鳴り響いていた。誰も職員が来ないので、そこに書いてある番号に電話して、連れ合いが「何が原因かはわからないけど、アラームが鳴っている」と報せていた。
「そこはどこらへんですか?」と職員に聞かれ、「あの 四川のヤギ がいるところの近く」と一生懸命説明していた。職員は 四川のヤギ と言われても全く意味がわからなかったようで、しばらく押し問答していたが、私は知っている。それは「四川のヤギ」みたいなものだがカタカナで「スーチョワンバーラル」と表示された動物のことだと。
私はわかるよ。でも普通わかんないよ。

そう言えばネパールで中華といえばよくこれを食べていたことを思い出し、頼んだのがこれ。

Ping Sha とHot Lemonを注文

Ping Sha の Ping は粉のことで、春雨のような乾麺を戻して使う。言ってみれば、「永谷園の麻婆春雨」がそれ。Shaはチベット語で肉のこと。チキンにした。ここのはキクラゲや青梗菜入り。

北海道弁当ハウスに赤提灯が光っていた

暗くなってもボーダナートのストゥーパの周りを数珠と経文と共に回る人は減らない。それどころかツーリストは減り、僧や信徒が圧倒的に多くなる。
明日の夜にはここを発たなければいけない。そんな名残惜しさを打ち消すように私も回り続けた。

横のこちらの小さなストゥーパのブッダアイのついた部分は
面長なせいかシュッとしている

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