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カラスサンショウの蜂蜜 うちにあって 日本の一般家庭の1%未満にしかないと思うものを挙げてみる その18


カラスザンショウはうちの近くの里山のところどころに生えているのですが、今までその全貌をつかんだことはありません。

初めは家の近くのハイキングコース入口あたりでした。
冬、その辺りにサンショウにそっくりな実がよく落ちていました。
隣の家との境界にあるサンショウの低木からこぼれ種で生えたうちのサンショウとにてる。
4月には筍ご飯に木の芽を添え、青い実を醤油付けやちりめん山椒にしたこともあるので、「これはサンショウ?」と見回していました。種はこぼれ、枝状の房のままなのでいわゆる山椒の実ではないけれど、形も香りもよく似ています。
何度も手にとっているうちに、冬里山を歩くと
「あ、この辺にあの山椒に似た実のある木があるんだな?」
と匂いでわかるようになりました。

次もそのハイキングコースのちょっとマイナールート。
今はそこも整備されていますが、15年前子どもの山歩き自主保育で上り下りしていた雑木林で、体を支えるために迂闊にとある樹の幹に手をついたら、拷問用具のように樹皮からでかい棘が生えていて、刺さって悲鳴をあげました。保育中だったので声抑え気味に頑張ったのですが、こうまで敵意を剥き出しにした樹皮があるとは侮れん、と思いました。
里山に詳しい人に「カラスザンショウ」の幹かもと聞き、調べたら当たり。
そして実がサンショウに似たアレだということも。

わかったことはわかったのですが、生えているカラスザンショウはどれも大木なのです。その上里山では梢が上の方で他の木々と入り乱れてどれがどの小枝で葉っぱで、どっから実が落ちているのかさえ下からはわかりません。
トレイルから外れるとそれらしき樹があったところで下の薮や急な斜面によって近づくこともできません。
幹を見つけても上の梢は見えないし、落ちてる実を拾ってもどこから落ちてきたかよく見えない。
全貌が見えない場所に生えているのです。

この「からすさんしょう蜂蜜」は初めて試してみました。

こんな花が咲くんだ。
イラストは実から想像した通りの花です。

7〜8月が花期とあるので、もしかして?と樹の生えている場所にさっき行ってみました。
まず実を拾うあたりに行ったけれど、そこは幹さえ特定できません。薮に隠れて近寄る術はありません。
ただ多分葉の形からこれが葉の茂ったあたりだと思いますが、花が咲いてるのやら咲いてないのやら下からはどうしても判別できませんでした。

20mくらい樹高がありそうに思える
空を背景にすると葉の形はわかった

そして昔棘にやられたあたりを探索すると多分これが幹。

あれ?トゲがない このブツブツした突起の先端に超危ないのがあったはずなのに

経年によって、トゲは落ちていくようです。元はこんな感じ。

ほら 痛そう

花を見るのはあきらめて、蜂蜜を試してみます。
さらっとしています。
同じシリーズの百花蜂蜜に比べてもかなり。
一般的な蜂蜜が基礎化粧品のジェルに近いとしたら、これは「かなりとろみのあるテクスチャー」と言われるギリ乳液でいけそうなくらい。
味はさっぱりあっさり爽やか系。でもしっかり感じます。
「コクがあるのにキレがある」というアサヒ生🍺的表現がピッタリ。
カラスザンショウの蜂蜜について、ちょっと苦味があってスパイシーと書かれている記事を読みましたが、これに関して言えば苦味はほとんど感じませんでした。

山椒と言えば実は昔四川省で悶えるほど苦しんだ麻辣の麻の方(唐辛子の辛味が辣で、花椒の痺れるような刺激が麻)が蘇ってきますが(本場で七転八倒だった。唐辛子はいくら辛くてもスーハースーハー水飲んだりしてるとやがて引くけど、花椒の痺れと辛味は口内を破壊した)、日本の山椒はピリリと辛い程度です。
どちらにしてもミカンの仲間と言われてもピンときませんでしたが、実際なっているのを見ると、実の匂いと小さな果皮をよくよく観察するとミカンにそっくりなことで納得しました。
やっぱりそのミカンに似た香り。
香りのトーンは明らかに百花蜂蜜よりハイトーンの感じです。繊細でしっかりクリアな印象。

一つわからないことが。
百花蜜はわかります。咲き乱れる色々な花の蜜でしょう。
よくあるレンゲも一面のレンゲ畑が思い浮かぶし、ニセアカシアが咲き乱れる風景も、ミカンやリンゴの畑で一斉に花が咲いてるところも、そこで蜜を集めつつ授粉を手伝うミツバチも目に浮かびます。
でもカラスザンショウ畑はきっとない。ない。里山の蜂蜜とあるから、蜜蜂をとある里山に放したら、他の花には目もくれずカラスザンショウの花に集中して蜜を集める、ということでしょうか?
それともカラスザンショウの花が咲く7、8月の時期に、他に競合する花がないからその時期の蜜はカラスザンショウとされているのか?

養蜂をしたい、と結構真面目に思った時期があるのですが、実際を学んだことはないうちに家族に散々打ち砕かれました。
自分には作物として植物を育てる能力はないけど、農作物に飛んでくる昆虫への興味とチャレンジする精神はあると思ったのですが、まず趣味から始めてみようか?

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