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専業旅婦飯34〜28年ぶりのネパール16日目(下)

Kathmanduへ

Panautiから街道の都市Banepaに出たら、空気の悪い都会の喧騒の道に戻った。
わずか10日程離れていただけだが、都会に今度は一人で泊まるというのもちょっとした冒険だ。

なぜそんな風になったかわからないけれど、20世紀一人で旅行していた時、とにかく安い宿にばかり泊まっていた。
バカみたいだけど、最初中国側を散々旅行してから入ったので、ただただネパールルピーの単純に額面というか単位が大きいことに慣れなかったのだ。日本円に直すと当時1ルピー5円足らず。87年当時中国は外貨兌換券一元が40円くらい、人民幣25円くらいに換算されたから、当然単位は大きくなる。
初めての一人旅の私は100ルピーとか聞くとただびっくりして、適当に見つけたゲストハウスのちょっと日当たり悪いからと安くしてもらった部屋に25ルピーで3週間程泊まった。
それほどお金ないわけじゃないのに人の事(連れ合い)言えない程貧乏臭かった。もっともその頃雨季の閑散期だったからで、冬に行くと3倍くらいの値段になっていたが。
でもなかなか居心地の良い宿で、知り合った日本人女子大生と屋上で「真っ赤な秋」の上下パートに分かれて合唱したのはとても楽しい思い出だ。

今日本円はいいだけ円安だし、ネパールも全般的に出稼ぎも多く格差は縮まっている。というかそれなりに楽しく旅行しても当時1ヶ月1万円もかからなかったが、あの頃の経済大国の勢いなどない今の日本人にとって、そしていい年の大人にとって、切り替えてそれなりの宿を取ることは決めていた。
タメルの老舗宿Kathmandu Guest House はあらゆるレベルの部屋があるというので、そこで部屋を選ぶ事も考えたが、貧乏臭さが再発して思わず安い部屋を選んでしまう可能性もある。
こんな時はと、Booking.comで半額ディスカウト中のホテルを選んだ。
日本ではじゃらんネットやBooking.comで値引きをさがすのはいつもだが、ネパールでいきなり宿の人と交渉する以外の手を使うとは、21世紀だなぁ。

昼はまだ朝食の余韻が残る腹具合なので
街角のサモサとジャガイモの揚げ物という
スナックで済ます

基本的にとても方向音痴なので、こうまでホテルや店が増殖したタメル地区で予約したホテルに着くためにはGoogle mapなしでは居られない。路地を入ったところにようやく見つけた。
Google mapを手元で見れるのも21世紀だなぁ。

1階と4階のどちらの部屋がいい?と聞かれる。
「どちらがいい部屋なの?」と聞くと「4階は広いけれど、上り下り大変だからその点1階は楽」と言われ、開放感ありそうな4階を選ぶ。
あ、ここは英国式だから5階ってことだった。
まぁ年齢の割に歩くのは苦にならないし。
と思ったらまさかのコネクティングルーム。それも一部屋がかなり広い。
一人でキングサイズベッドとシングルサイズベッド2台、ソファとデスク2台さぁ好きにどうぞと言われてその無駄感に笑う。

カトマンドゥでは是非したい事があったのだ。
それは映画を見る事。
インド🇮🇳映画は私の趣味であり、ネパールでももちろん見る事ができる。

南インドタミルの大将 VijayLEO
世界的ボリウッド俳優 Shahrukh Khan JAWAN

そんな魅力的な公開中の映画の中から、つい選んでしまった。この絶対下らなそうなこれ。だってネパール映画だし。

Pardesi2という映画
Google翻訳するとこれ
おまけに 2だし

映画館を探してタメルを北に行くと、すごいショッピングコンプレックスがあり、そこの4階にあった。


別に普通首都にこれくらいのところがあって何に驚くかと思うだろうが、87年初めてビルにできたエスカレーターに面白がって何度も得意げに乗るおじさん、怖がって泣いて嫌がる奥さん。見てるだけで微笑ましかった時代を知ってるからだ。
高級ホテル以外で市内で唯一と言われたカフェ、Top Of The World のルーフ行き手動エレベーターもすごく味があった。
日本も35年ぶりに見ると驚く事がたくさんだろうけれど。

19時過ぎからの上映前に夕食を済まそう。一人だと入りやすい所と言えばどうしてもこういう所になる。というのが見出し画像の店。
大きく出ているANIYOLという看板の方ではなく(1st Floorは日本の2階)、下のチベット料理の写真が出ているレストラン。入口のチベタンカーテンがこの手の飲食店の目印だ。

Buff(水牛) Chicken Veg.の中から
ついネパールらしいBuffを選ぶ

チベットのモモは、SteamかFriedかSoupを選べるのが一般的。蒸餃子、揚げ餃子、水餃子(スープに入った)だ。要するに。

見たネパール映画 Pardesi 2 はものすごくものすごく度肝を抜かれた。
最初は良かった。
ガラガラの座席に家族連れや友達やカップルが、始まっても電話に出たりおしゃべりしたりいるのは想定内。
街頭テレビくらいに思った方が楽しめる。
ネパールのかつての藤井フミヤのような主演男優とかつての千堂あきほのような相思相愛の相手役女優。
千堂あきほに一目惚れするのは列車内強盗から皆を救ったグルカ兵。彼は冬彦さんだった頃の佐野史郎似。
どれも例えが古くてごめんなさい。
因みに息子を思ういいお母さん役の人は女優なの?と思うほど悪相。
ポカラのペワ湖(いつの間にかこんなにきれいになったのか?それとも修正?)のほとりで踊ったり、アメリカ留学した男の面倒をみてアプローチする女と恋の鞘当て?色々障害があってもこの素朴な感じはお約束のやつだろうとたかをくくっていたら、最後の最後
どっひゃーん
というインド映画なら不文律のはずのハッピーエンドを、このネパール映画は完全に覆した誰にとっても悲劇でいきなり終わる。

ど どうしてこんなことに?
娯楽ではなく主題は「浮かれて海外留学するとこんな不幸になる」なの?

呆然としつつ、インターミッションを挟んだ2時間半の映画のため、既に22時を過ぎている事が心配になった。
300メートル位とは言え暗くはないか?物騒ではないか?ホテルのエントランスは閉まっていないか?
初めに泊まった旧市街はそうだったし、昔もそうだった。
しかし外はローカルの女の子も含めた若い子もまだいっぱい。ホテルもごく普通に開いてロビーで人も談笑していてまだ夜浅い感じ。
タメル地区は歓楽街になったのか?

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