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ムングダルのナムキーン うちにあって 日本の一般家庭の1%未満にしかないと思うものを挙げてみる その17

ムングダルのナムキーンと紹介しても、ムングダルもナムキーンも???な人が多いと思います。
わかってはいてもこのおいしさはあんまり日本で人に広めたくない、というか広まってただでさえ見つけるのに苦労しているのに先に買われるのは残念なのでむにゃむにゃと独り言的に記してみます。

ダルはマメを意味し、インドでは食事だったりスイーツだったりスナックだったり、毎日豆無しではいられない場合も多いのです。日本人なら大豆は豆腐味噌醤油として毎日欠かせないみたいな感じですが、マメ全体ひっくるめてです。
これはヒンドゥ教徒やジャイナ教徒など菜食が基本である人が多いから、タンパク質を摂るためにも、また食のバリエーションのためにも、豆の存在は非常に大きいことも理由でしょう。肉や魚や卵からタンパク質を摂らないとなると後は牛乳や豆が重要です。

… という解説を昔南インドの博物館で見ました。ちゃんとヴェジタリアンとノンヴェジタリアンの必要な栄養成分が展示してあって、ヴェジタリアンの栄養摂取にはチャイのミルクも一役買っていると知りました。

北インド(含ネパール)では、
チャパティ、ライスなどの主食 & ダル(豆スープ)
が、日本の白ごはんと味噌汁のように基本中の基本です。

ダルの中でもムングダル(ムング豆)は日本でもお馴染み、緑豆です。
緑豆  
ほら マロニーではない中華で使う緑豆春雨とか。いやもっと身近なら一番安いタイプのモヤシ。あれは緑豆を発芽させてるし。
緑の皮の部分を剥いて、半分に割ったのがこれ。

これはうちではインド料理のスープに使っています


そしてナムキーンというのはスナックのうちのあるひとくくり。日本で言えば「乾き物の珍味」とか「おかき」みたいなとあるひとくくり。

インド圏では一般的なものだけれど、「1ヶ月インド旅行してきました!!」くらいな人だとなかなかナムキーンの虜にまでなる人は少数派だと思うからです。
1ヶ月というのはインド旅行には大変短いのです。中には1ヶ月旅行を20回重ねていた人もいたので一概には言えないけど、ナムキーン大好き💕とかになるには少し場数を踏んだ方が。小腹がすいてスナック類食べるとしても、他にサモサとかパコラが目につけばそっちから手を出しそうだし、車内で隣り合わせた人が果物をくれたりビスケットをくれたりする確率よりナムキーンをくれる確率は低いでしょう。

私もこれにハマったのは3度目、のべ半年を重ねてからでした。
路上ではその場で炒ったナムキーンみたいなのを売るベンダーもいますが、今は大小袋に入って売られているのでカッパえびせんとかベビースターラーメンみたいな感覚です。
そう、そういう感覚。
インドでは飲酒が日本ほど一般的ではなく、わずかな海外生活の長いセレブがワインを嗜む例を除けば、羽目を外したり荒くれたりした感じで主に男が飲んだり飲ませたりするイメージも強い。そこではおつまみとか肴などなしでガブガブしてそうで、ナムキーンはお酒に比較的合うにも関わらず、おやつ的スナックの位置にいそうです。

ムングダルのナムキーンは皮剥き緑豆を素揚げして塩味にしたものです。
ポテチのあっさり塩味みたいに、他のフレーバーやスパイスはなしです。
これがシンプルでうまい。

左は皮剥き緑豆そのまま    右は揚げて味がついたナムキーン(スナック)

実は結構色んなものを試したけど、他の種類のナムキーンはかなり強烈なスパイス風味だったり辛味が強かったりするものも多くて、クセが強くてリピしてません。
中ではこれは結構イケたけど。

チャナ(ひよこ豆)
色々MIX   右上の写真から🌶️とタマリンド味とわかる

やっぱりとりわけムングダルのナムキーンはおいしいのだと思います。
この袋を何個も買ったあっち系食材店のおじさん(インド系)が、
「実は私も食べていたところ」
と言いつつレジ下から口の空いた袋を出して私の掌に分けてくれました。迷わずインド人のように素早く口に放り込んで
「これはおいしい。これが好き」
と同意したのでした。

追記

インドからの輸入が多く食べ物でもかぶっている事の多いネパールに28年ぶりに行ったら、以前のお菓子と言えば、アメちゃん ビスケット チョコレート🍫 という流れに加え、スナック類の台頭が目立ちました。
もちろん甘い系のお菓子は人気で種類も増えていたけど、ポテチなどに加えナムキーンの販売も激増し、小さなサイズの袋がどこの店先にも下がっています。
食事が充実して、間食やおやつの嗜好が甘い物中心からしょっぱいスナックにも、という流れとみました。

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