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イトウユキコ@夕凪舎
2024年3月13日 16:46
冬のはじめの頃、友人が営む古民家の本屋「庭文庫」で1枚の絵を買った。明るい日差しが感じられる緑を基調とした作品が並ぶ中、ひっそりとした夜の景色に目が留まった。渓谷の中に続いていく道が、夕暮れとも夜明け前ともつかないあかるさと暗さを混ぜたような青のなかに溶けている。いつかこの景色を見たことがある、と直感的におもった。もっといえば、わたしはこの景色の中にたしかにいた。朝と夜の境目に立った日も、