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髪と心と「抜毛症」 

仕事柄、日々様々な年齢の方の「地肌」をみるので、相談を受ける事が多いのですが、時々、髪の毛をむしってしまう、「抜毛症」に悩むお母様からの相談を受けます。
というのは、この症状、中学生~高校生の思春期の子供たちに見られるからです。
 抜毛症がどういう状態かというと、無意識、または意識的に、髪の毛を無理やり引っ張って抜いてしまい、それがやめられなくなる行動です。

同じ場所を抜くことが多く、だんだんと部分的に髪がなくなり、地肌がみえる状態になります。この時点でご家族が気付くことがあり、「やめなさい。といってもやめなくて・・・」と相談を頂きます。
私は、医療の専門家ではないですし、ただただ、その10代のお客様の心の声を聞いていて判断してきた美容師としての見解ですが、「抜毛症」は、
心が不安定な時期のストレスが原因で起きている様に思います。 小学生から中学生へ大きく環境が変わる時の不安であったり、塾、部活・・・と自分の時間がなく、「この“しんどさ”が、何なのか分からない、だからそれをどう表現していいか分からない。」無意識に心のバランスを保つために自分の髪を抜き、心の安定を保っているのだと思います。

 そういう私自身も、中学生の頃、襟足の髪を引きちぎる癖がありました。部活の試合前や、テスト前で机に向かって座っていなきゃいけない時に出ていたと思います。触ってしまう癖だと思っていましたが、きっと心のバランスを保っていたのだと、今だから分かります

 大人になれば、年齢性別、考え方も違う人たちと関わることで、うまく受け流したり、考え方を変えたりしながら悩み自体が自分の事以外へと変わっていき、気が付けば髪を触る事も減ったりするものですが、大人の私達にも、ストレスが溜まると、「髪を触る癖がある。」とお聞きします。

こういう方達は、子供の頃も触っていたようですが、皆さんはどうでしょうか?
つくづく髪と心は繋がっているんだなぁ。と思います。

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