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真珠の耳飾りの少女 に会いたくて②



映画「真珠の耳飾りの少女」

デン・ハーグでの特別展を見逃してから
約8年後の2004年、公開時にスクリーンで
映画「真珠の耳飾りの少女」を観ました。

米人作家トレーシー・シュヴァリエさん作の
同名の歴史小説を元に映画化された作品です。
フィクションなのにノンフィクションのような、
綿密な時代考証に基づき、
当時の庶民の生活習慣、画家の生活が
全編を通して丁寧に表現されていました。

虚実入り混じっているストーリーなのに、
史実であるかのような錯覚に陥り、
フェルメールと同時代にいる感覚で
鑑賞したことを覚えています。


1665年頃のオランダデルフト市。
貧しい実家を支えるため、フェルメール家に
少女グリートが女中奉公で仕えにきます。

ただの一介の奉公人に過ぎないのですが、
美しく賢い彼女の登場が、画家本人、
その家族、画家の家に出入りしている
人々の心に漣を起こすのです。

画家は彼女に女中の仕事以外の、
アトリエでの創作の手伝いをさせ、
そしてやがて、彼女をモデルにして、
一枚の絵を描き上げます。

青いターバンを巻き、
真珠の耳飾りをつけ、
何か呟こうとしていたのか
微かに微笑んでいるのか
開きかけた若く瑞々しい唇が印象的な
少女の像を。

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疑心、やっかみ、悲しみ、思惑、
そして小さな喜びが交錯する
窮屈な人間関係の中で、
描くことに全神経を集中させたい画家と
求められる役割り(女中とモデル)を
誠実にこなすだけの少女との間の
静かで抑制の効いたやりとりが昇華され
その後数百年に渡り世界中の人々から
愛される絵画となるまでの過程が
丁寧に描かれた素晴らしい作品です。

小説が発表され映画化されヒットする前は
この絵は、「ターバンを巻いた少女」、
「青いターバンの少女」などと
呼ばれていたそうです。

会う準備はできている、、のに

17世紀半ば北緯52度の街・デルフト。
太陽の日差し以外の灯りは
蝋燭とオイルランプだけの状況下で
光と影、色彩と闇、静と動の対比で
具象をキャンパスに描き出した
画家フェルメールと彼の作品について
私なりに理解を深めました。

さあ「真珠の耳飾りの少女」に会う
準備は万端整っている

のですが、残念なながら未だ
実物には会えていません。

会えると信じて、、

このポストカカードは
2007年国立新美術館で開催された
「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」
鑑賞後ミュージアムショップで購入しました。

「牛乳を注ぐ女」ももちろん素晴らしく、
他にもオランダの当時の生活文化、風習が
よくわかる興味深い展示でした。
フェルメール人気も今ほどではなく、
比較的ゆっくり楽しめた記憶があります。

それでもやっぱり「真珠の耳飾りの少女」
会いたかった、会ってみたい、という思いから
このポストカードを選んだのだと思います。

夫の完全リタイア後ヨーロッパ旅行をする。
その際、デン・ハーグに立ち寄り
マウリッツハイス美術館を訪れて
この少女の像の正面に立ちたい、会いたい。

私のバケットリストに載っている
人生の目標の一つなのです。


ここにもフェルメールブルーが


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