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詩集

5
基本的に現代詞です。 気ままに書いてます。
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#現代詩

涙の海

私の心にはくじらがいるそのくじらは
涙の海を気持ち良さげに
悠々と泳いでいく

悲しい涙でも
嬉しい涙でも
乾いた心が何かで満たされて
涙の海が出来た時、くじらはどこからともなく現れて
気持ち良さげに泳いでいく

だけど
小さい頃、くじらが死んでゆく時の話を聞いたことがある
くじらは自分が死ぬのだと悟った時
最後の潮を吹く
最後の潮を吹くのだと知りながら
そのためだけに力を振り絞り、潮を吹く
そう

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独り、歩く畦道で

独り、歩く畦道で

激しい夏が終わり
優しい秋が来て
黄金色の稲穂が揺れている

少し、冷たくなった風に吹かれて
独り、歩く畦道で
黄金色の稲穂を愛でながら
隣で手を繋いでくれる人がいてくれたらと思わずにいられない

秋は実りの季節で
優しい季節なのに
なぜか、寂しくさせる

秋の夕暮れ
独り、歩く畦道

黄金色の稲穂が、夕焼けに染まって
きらきらと揺れて
暖かい光が、溢れている

それでも、切なくて
寂しくさせる季

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