ICCサミット FUKUOKA 2024 学び

はじめに

このnoteでは、2024年2月19日~2月22日開催のIndustry Co-Creation ® (ICC) サミットに運営スタッフとして参加して得た経験と、そこからの学びを言語化しています。

ICCサミットとは

ICC サミットは、「ともに学び、ともに産業を創る。」をミッションに、経営者や経営幹部向けに開催される大規模カンファレンスです。年に2回、京都と福岡で開催されています。毎回400名以上の登壇者、1,000名以上の参加者が集い、朝から晩まで真剣に議論を行います。
そんなICCサミットの現場運営を担当するのは、学生・若手からベテランまでの幅広い年代で構成されるボランティア組織です。
私は今回ボランティアスタッフとして、5名のチームメンバーとともに、A〜Gまである会場のC会場の運営を担当しました。
1月中旬のキックオフミーティングに始まり、2/19~2/22の会期中は常に自チームのメンバーと行動します。その中で、チームビルディングとリーダーシップについて学びがあったので、得た経験とともに言語化できればと思います。

(擬似)成功体験

自分の働きかけで組織がスパークする瞬間。
リーダーにとって、最も嬉しい瞬間の一つだと思う。
今回のICCにて、私は統括よりチームビルディングの全てを任せてもらい、その瞬間を体験することが出来た。

三日間あるICCの、一日目の夜、チームスローガンを決めるべくメンバー全員で議論した。

「最高のライブの作り手になる」
「知見の共有・継承を通じて会場運営のベースアップを実現する」

様々な意見が出る中で、私が提案したのは「他者想」という言葉だ。

これはCAの専務執行役員で、株式会社シロクの代表取締役会を務める飯塚さんからお借りした言葉だが、我々が実現したいことにピッタリとハマった。

「ともに学び、ともに産業を創る」という理念を実現すべく、参加者・登壇者の体験を最大化するために各自各様の工夫を凝らすICCスタッフにとって肝になるのが、如何に相手の立場に立った行動ができるか、ということだからだ。

「どうすれば参加者にとって、より意義深いICCとなるだろう」
「どうすれば登壇者がご自身の力を100%発揮し切れるだろう」
「どうすればICCスタッフの役に立てるだろう」
「どうすればチームメンバーは気持ちよく動いてくれるだろう」

ICCスタッフには100ページを超えるマニュアルが事前配布されるが、その内容全ての根幹にあるメッセージは、「他者への想像力」を働かせて動くことだといえる。

他者想というキーワードへのメンバーの納得感も強く、
他者想を発揮し、結果を残すことで、他者想をICCのカルチャーの一つにすることに、私たちのチームの方針はきまった。

そして迎えた翌日。
メンバーの動きは見違えた。
初回参加のメンバーによる他会場への情報/tips共有や、スタッフ150名近くに共有されたインシデントのシューティング巻取り、細かいことでは会場での挨拶の工夫等、一挙手一投足の質が向上した。

自会場の運営を成功させることから、相手を喜ばせること(=ICCをより良くすること)に視座が上がった結果である。

Slackでのコミュニケーションにも変化があった。
他者想のスタンプを活用して互いの他者想的な行動を讃えあうことで、チーム全体のFBループが活性化した。また他のチームでもそのスタンプが使われるようになり、「他者想」がICC全体に電波していった。

チームとして大切にしたい価値観を言語化したことによってチーム全体がスパーク。それが他チームにも電波し、ICCの全体水準を押し上げを実現。

チームスローガン設定により、初日から最終日にかけて、チームとして素晴らしい変化を遂げ、ICCをより良くするという結果にコミットすることできた。

何故か残る個人的な悔しさ

しかし、全セッション終了後、私が感じたのは達成感ではなく、悔しさだった。何故なら、今回私はリーダーではなく、言語化が上手なただのアイデアマンだったからだ。

私が理想とするリーダーとは、自ら掲げた指針を誰よりも信じて誰よりも行動し、成果を出している存在。
今回私は指針を掲げたはいいものの、人の他者想を讃えるばかりで、自分の手は動かせず、「指針を誰よりも信じて行動する」という部分にコミットできていなかった。

そんな人は、リーダーとは呼べない。
人とのコミュニケーションや言語化が得意で統括のチームづくりを支援するサポーターだ。

学び

今回の経験を通じて得た学び・気づきを以下2点だ。

①共通言語を持つ強さ

DAY1の夜に「他者想」というスローガンを策定した結果、DAY1とDAY2の各自のパフォーマンスには想像以上の違いが生まれた。
例えば、同じgeneralで流れてきたインシデント情報に対しても、
DAY1:インシデント情報を自チームで共有し、注意喚起
DAY2:インシデント情報を自チームで共有した上で、関連情報を集約。
generalでC会場から発信することでトラブルシューティングに貢献。

なぜ1日でそこまで行動が変わったのか、メンバーに聞いてみると、
今までは自会場でインシデントが起こったら嫌、防ぎたい、という意識だったのが、
他者想の視点に立つと、他会場も嫌だろうな、何をしたら喜ばれるかな、という思考に変わったからだという。
「企業文化は戦略に勝る」
ピーター・ドラッカーが残した言葉だが、共通言語を持つことによるメンバーの行動の変化を目の当たりにして、その力を体感した。
共通認識を持って取り組めるようになった結果、
「C会場を運営する人」→「ICCのカルチャーを創る担い手」に視座が上がり行動の質が向上したことはもちろん、
らしい・らしくない、の判断基準が生まれお互いのFBもしやすくなり、チームとしての結束力も強化された。

②リーダーに必要な姿勢

今回私がICCに参加する上で個人的に掲げていたテーマは、多様性をいかすリーダーシップを体得することだった。
これまでも中高大と部活に所属し、大学時には自ら組織を設立してメンバーをマネジメントした経験もあったことから、リーダーシップやチームビルディングには一定の自信があった。
だからこそ、今回はより自らのリーダーシップを磨き込みたいと、年齢も(22歳~29歳)社会的な役割も(学生・会社員・起業家)価値観も異なる、多様なメンバーでのチームビルディングに挑んだ。

多様なメンバーを束ねるものこそがMVVだと考え、チームスローガンの策定を提案し、それに向けてメンバーひとりひとりとの1on1やチーム議論の場を会期前に設定した。そのような準備を踏まえてDay1を迎え、他者想というスローガンを設定し、チームは団結できた。

しかし、もし今回のチームが3日間でなく3ヶ月続いていたら、どうだっただろう。
きっと掲げた本人がコミットしないスローガンはチームの文化として根付かず、すぐに形骸化してしまうか、あるいは違う人が旗を掲げ直すことになるだろう。これでは、私が理想としたリーダーとは程遠いものだ。

そこで思い出したことがある。

「りりさんって本当に楽しそうに頑張ってるし、りりさんについていったらなんか良いことありそうだなって思ったんですよね。」

大学時代、自分が設立した組織にてメンバーからかけられた言葉だ。
あの時自分は、学生にコーチングを提供することは、自分らしい人生を歩み出す上でとても重要なことであるという確信のもと、誰よりも行動し、誰よりも多くの時間思考し、誰よりも夢中だった。その姿を見て、メンバーたちはついていきたい、と思ってくれた。

組織が向かう方向を信じ行動するコミット力こそ、その人をリーダーにする。
圧倒的な当事者意識を持って行動し、この人と活動したい、と相手に思ってもらうという、そんな大事で初歩的な一歩を、私は忘れてしまっていた。

最後に

こんなにも言語化がしたくなったのはとても久々で、ICCの帰りの飛行機にて本文を書き上げてしまいました。
本気になって本気で挑戦した結果、学びは得られるのですね。

ナイストライ、自分。
まだまだだな、自分。

次回ICC参加までの自分磨きのテーマが一つ定まりましたので、これからも頑張ります。

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