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『The Tortured Poets Department』を、味わいたい。

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頭の中でTayTayワールドにどっぷりと浸かっている、黒木りりあです。

日本時間で4/19の昼過ぎ、テイラー・スウィフトの11枚目となるスタジオアルバム『The Tortured Poets Department』がリリースされました。(国内版CDの発売は4/20。)
恐らく今、世界で一番多忙なはずの彼女がこのタイミングで新作を発表できるだなんて、テイラーはいったい何人いるんだろう?と驚嘆してしまいますが、とにもかくにもこのリリースは嬉しいサプライズです!


まさかの2枚組だった『The Tortured Poets Department』

さらなるサプライズとなったのが、アルバムが実は2枚組であるという発表です。これは発売日の米時間2時に発表されました。それまでテイラーは様々な場面でピースサインや2組のアイテムなどを示していたことから、その意味を推測するファンが多く、私も含めて『The Tortured Poets Department』が2枚組になるとの予想がメジャーでしたが、実際にそれが現実となった瞬間でした。

元々、『The Tortured Poets Department』は通常版で16曲、4種類の限定版それぞれに1曲のボーナストラックが加わり17曲となることが発表されていましたが、最終的には全31曲となるのが完全版ということになりました。16曲作るだけでもすごいのに、31曲ものアートを作るとは、本当に驚きます。しかも、世界ツアー中に、です。テイラーは本当に何人いるのでしょうか?

『The Tortured Poets Department』はどんなアルバムか?

そんな『The Tortured Poets Department』はいったいどのようなアルバムになっているのかと言うと、生々しいほどの様々な感情が私的な美しい言葉たちで紡がれた作品になっていると私は感じました。人生において経験する様々な種類の感情がこの一枚に濃縮されているように思います。人間の持つ多様な側面、複雑性が見事に表現されていますら、どちらかというと、負の感情が多い印象ですが、そうでないものも何曲か見られます。

サウンドとしては、テイラーの10枚目のアルバム『Midnights』をほうふつとさせる部分と、それぞれ8枚目、9枚目のアルバム『Folklore』『Evermore』に近い世界観、そして7枚目のアルバム『Lover』の音に近いような印象を個人的には受けました。というのも、『The Tortured Poets Department』にライターとして名を連ねているのが主にはテイラー自身と『Folklore』『Evermore』でタッグを組んだアーロン・デスナー、そして『Lover』の一部や『Midnights』のほとんどの楽曲に関わるジャック・アントフの3人であるため、このあたりのサウンドに全体的に近いように思いました。

『The Tortured Poets Department』では何が歌われている?

『The Tortured Poets Department』に収録されている楽曲は、恋愛にまつわるものが多くを占めています、これは古今東西で同じことがいえるので、テイラーに限った話ではありません。『聖書』だって『ソネット』だって、ロマンスは多くの主題になっています。
しかし、テイラーについては彼女の実生活と歌詞を比べる人が多く、「どの曲が誰についての歌か」がやたらと注目されてしまっており、本作もそういう意味で注目している人が多いのが残念なポイントです。これは概して女性アーティストに多い傾向で、特にテイラーに至ってはあまりにも顕著すぎる気がします。確かに、彼女の一挙手一投足にメディアが注目するため、曲を聴いていると「これは誰の曲だな」と分かってはしまいますが、そこだけに注目するのは残念なほど、『The Tortured Poets Department』は詩も曲も優れていると思います。特に、タイトルも示唆しているようにまさに「詩集」のような本作は、歌詞を文字として読みながら曲を聴きたくなる1枚です。

まだどの曲が一番のお気に入り!と決められるほど聞き込めてはいないのですが、現時点で強く印象に残っている曲をいくつか挙げてみたいと思います。
サウンド的に一番印象に残っているのは、『Florida!!!』です。Florence and the Machineをフィーチャーしたこの楽曲は、二人の女性ボーカルの絡まりあうサウンドと、劇的な音の作り方が耳に残る、印象的な楽曲です。
傷心を抱えながらも仕事や課題に取り組む人々の共感を誘うであろう『I Can Do It with a Broken Heart』もとても印象的です。切ない歌詞にもかかわらず明るめのトーンの楽曲であるというギャップがとても印象に残りました。
また、長年の恋人との別れと、恋人と過ごした思い出の町への別れを歌った『So Long, London』も、多くの人が共感できる歌詞、メッセージなのではないかと思います。テイラーの過去曲『London Boy』や『You're Losing Me』にも繋がるところがあり、ぎゅっと胸が締め付けられる一曲でした。
更に、『Who's Afraid of Little Old Me』は非常にテイラーらしい楽曲ではあるものの、従来の作品よりも成熟しているように感じました。サウンドも強気な女性のメッセージが感じられる上に、テイラーの心の叫びとも取れるサビの張り上げは、彼女の歌声の美しさと表現力を存分に味わえます。

まだまだ発売から間もないので、この作品については多くを語ることはできないのですが、これから何度も何度もこのアルバムを聴いて、芯のお気に入りの楽曲を見つけられるようになりたいな、と思います。まさに沼りそうなこのアルバム、皆さんのお気に入りの曲は何ですか?まだ聞いていない人は、是非一度聞いて、文字を辿ってほしい一枚です。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また機会がありましたら、他の記事にも足を運んでいただけますと幸いです。


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