サブリナ・カーペンターのユーモアに釘付け。
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涙ではなく汗でメイクが台無しになりがちな、黒木りりあです。
今年の夏はサブリナの夏!といえるほどの勢いで、サブリナ・カーペンターが大注目されていますね。10年以上応援しているファンとしては、「ようやく!」という気持ちで、彼女の成功を心から喜んでいます!
2009年に開催された『第2のマイリー・サイラスを探せプロジェクト』で弱冠9歳ながら3位に入賞したサブリナ。それ以降もディズニー関連のプロジェクトに参加し続け、2015年にデビューアルバム『Eyes Wide Open』をリリースしました。それ以降もコンスタントに楽曲のリリースを続けてきましたが、なぜだか特大ヒットには恵まれてきませんでした。
彼女のキャリアを大きく転換させたのは、2022年にリリースしたアルバムに収録された楽曲『Nonesense』です。これがSNSを中心に世界中で大バスり。続いてリリースした『Feather』もSNSで大バズリ。サビ前の歌詞「Slam the Door」という歌詞に合わせて宙を蹴る振り付けも、SNSで大ヒットしました。そして今年、『Espresso』と『Please Please Please』がどちらも複数の音楽ランキングで1位を獲得する大ヒットを遂げます。
サブリナの音楽の特徴、そして彼女の楽曲が愛される一番の理由は、彼女のユーモアが炸裂しまくる歌詞にあります。そこで、今回はそんな彼女のユーモアを存分に楽しめる楽曲の中から、私のお気に入りを10曲、紹介していこうと思います!
「眠れない?ベイビー、それはね私が原因なの、エスプレッソよ」
この夏のスマッシュ・ヒットのひとつとなっている『Espresso』。歌詞の全編にサブリナらしいユーモアが散りばめられています。
中でも印象的なのは、サビのこのフレーズ。
"Say you can't sleep, baby, I know
That's that me espresso"
(眠れない?ベイビー、それはね
私が原因なの、エスプレッソよ)
自分のことを考えて眠れない恋人に対して、自分と睡眠を阻害するカフェインをかけて、自分を「エスプレッソ」と例えるセンスは、さすがサブリナといった感じ。
他にも気になる歌詞はたくさんありますが、日本人なら
"Move it up, down, left, right, oh
Switch it up like Nintendo"
(上下左右に動かして
任天堂みたいにスウィッチする)
のフレーズが特に気になる人が多そうですね。
「どうか、どうかお願いだから、私を泣かさないでよ、メイクが完璧にきまってる時に」
この夏のもうひとつのスマッシュ・ヒットになっている『Please Please Please』。ヒットメーカーのジャック・アントノフとサブリナの初タッグ作品としても注目のこの歌では、男を見る目のない女性が、新しい恋人に対して「私を失望させないで」と懇願しています。やはりユーモアに溢れた一曲ながらも、最もアイコニックなのはサビのフレーズ。
"Please, please, please
Don't prove I'm right
And please, please, please
Don't bring me to tears when I just did my makeup so nice"
(どうか、お願いだから
私が正しいことを証明しないで
どうか、どうかお願いだから
私を泣かせないでよ、メイクが完璧に決まってる時に)
過去には「メイクを台無しにしない泣きかた」の動画を公開したこともあるサブリナらしい、印象的なフレーズです。
「羽根のように軽くなった気分なの、あなたを私の人生から追い出したから」
昨年のヒットソング『Feather』では、やはりサビのフレーズが印象的。
"I feel so much lighter like a feather with you out my life"
(羽根のように軽くなった気分なの、あなたを私の人生から追い出したから)
宙を蹴る振り付けもヒットした、このフレーズもユーモラスでとてもアイコニックです。
"I slam the door, I hit ignore
I'm saying, "No, no, no, no more""
(扉を閉めて、電話の拒否ボタンを押して
言うのよ「これ以上はもう御免」って)
「この曲は水疱瘡よりも流行る」
一昨年のリリースから、この曲を聴かない日はないぐらいにヒットした『Nonsense』。タイトルのとおり、ナンセンスなユーモアに溢れたこの曲、中でも群を抜いてユーモラスなのは、やはりアウトロの歌詞。
"This song catchier than chickenpox is
I bet your house is where my other sock is
Woke up this morning, thought I'd write a pop hit
How quickly can you take your clothes off? Pop quiz"
(この曲は水疱瘡より流行る
もう片方の靴下のありかはあなたの家だね
朝起きてポップスのヒットソングを書くと思った
どれだけ早く服を脱げる? ポップクイズだよ)
このフレーズの後に重ねられるアドリブも含めて、まさに彼女のキャリアを象徴する一曲です。
「昔の恋人がいる男の子と付き合うのはお勧めしない」
サブリナが不本意な形で世界から注目を集めた過去について歌った『Because I Liked a Boy』。三角関係の一角を担っているのでは?というゴシップによって、注目を集めた上に、一部の人々から不必要な敵意を向けられたサブリナは、そんな状況こそユーモアで切り抜けようとしていたことが表れています。ブリッジから大サビに向けての歌詞はなかなかに皮肉がこもったユーモアが展開されています。
"Dating boys with exes
No, I wouldn't recommend it"
(昔の恋人がいる男の子と付き合うのは
お勧めしない)
"I'm a homewrecker, I'm a slut
I got death threats fillin' up semitrucks
Tell me who I am, guess I don't have a choice
All because I liked a boy
And all of this for what?
When everything went down, we'd already broken up
Please tell me who I am, guess I don't have a choice
All because I liked a boy"
(私は泥棒猫で、尻軽女
殺すって脅迫がトラクターを埋め尽くす
私がどんな人間か言ってみなよ、私には選択肢がないもの
ただ男の子を好きになったってだけでね
で、これは何のためだって言うの?
話題になった時には、もうとっくに別れてたのに
私がどんな人間か言ってみてってば、私には選択肢がないの
ただ男の子を好きになったってだけでね)
「少しなら時間があるけど、少しの時間で何が楽しめるって?」
2018年にリリースされた『Almost Love』では、今のサブリナに通ずる歌詞のセンスが既に垣間見えます。例えば、冒頭のフレーズには、近年のサブリナの歌詞に見られるような独特の喩えが登場しています。
"The moment when the light is red before the go
The moment when the curtain's down before the show"
(ゴーサインの前の、ライトが赤くなる瞬間
ショーの前の、カーテンが降りる瞬間)
また、ユーモアを含んだ色っぽくも聞こえる歌詞も、この時から既に登場しています。今のサブリナのスタイルに到達するまでの過渡期であることがよく分かります。
"We could give it a minute
But what's the fun in a minute?"
(少しなら時間があるけど
少しの時間で何が楽しめるって?)
「だけど、すでに愛はLAにあったみたい」
同じく2018年にリリースされた『Paris』でもサブリナらしいユーモアと喩えが登場しています。今のスタイルとは少し違うものの、静かに大人っぽい良い歌なので、パリ五輪の閉会式あたりで歌って欲しいぐらいです。
"It's so romantic in Paris
Won't even try to compare it
Thought I was sure that I'd find it
But I already have love in L.A."
(パリはとてもロマンティック
比較するつもりすらない
ここで見つけるに違いないと思ってた
だけどすでに愛はLAにあったみたい)
「なら訴えてみなよ、今夜の私がかわいすぎるって罪で」
ミュージック・ビデオも話題になった『Sue Me 』は、現在のサブリナのスタイルにとても近い作品だと言われています。ユーモラスで女性に力を与えてくれる楽曲で、最近またジワジワと人気を取り戻してきています。アイコニックな歌詞ばかりですが、やはり最も印象的なのはサビの歌詞です。
"So sue me for looking too pretty tonight
Wearing your favorite color under the lights
For moving on, doing everything right
So sue me for being good friends with your friends
And running into you the place that we met
For being something you can't forget
So sue me"
(なら訴えてみなよ、今夜の私がかわいすぎるって罪で
光の下で、あなたの好きな色を着てるって罪で
吹っ切るためには、何をしたって正しいんだから
だから訴えてみなよ、あなたの友達の良い友達だって罪で
私たちが出会った場所でばったり会っちゃった罪で
あなたが忘れられない存在だって罪で
ほら、訴えてみなよ)
「私たちの瞳の色が違っていても、ちゃんと見えてるのに」
2017年にリリースされた『Why』も、現在のサブリナのスタイルに通ずる所が多い一曲です。個人的にはサブリナの曲のなかで一番好きな曲のひとつです。ユーモアたっぷりに軽い調子で正反対な恋人同士を歌っている、ちょっぴり切ない曲になっています。
"You like New York City in the daytime
I like New York City in the nighttime
You say you like sleeping with the air off
I don't, I need it on
You like the light coming through the windows
I sleep late, so I just keep 'em all closed
You ignore the music on the radio
I don't, I sing along"
(あなたはニューヨークの昼間が好き
私はニューヨークの夜中が好き
あなたはエアコンを切って寝るのが好きだけど
私は違う、エアコンはつけておかなきゃ
あなたは窓から差す光が好きだけど
私は寝る時間が遅いから、全部閉め切っておきたい
あなたはラジオの音楽を無視するけど
私は違う、ラジオに合わせて歌う)
単純なユーモアだけでなく、社会問題についても考えを示し続けてきた、サブリナらしい歌詞がブリッジでも冴えわたっています。
"Somehow, we end up on the same side
And you wouldn't think that we'd be alright
Even our eyes are different colors, but we see fine"
(どうにか、二人とも同じ結論に行きつく時がある
あなたは、私たちが大丈夫だとは思っていない
私たちの瞳の色が違っていても、ちゃんと見えてるのに)
「私は消防士じゃない、ただ今夜は一息つきたいだけ」
2016年にリリースとなった『Smoke and Fire』は、後の『Because I Liked a Boy』にもつながるようなテーマ、歌詞を感じることのできる一曲です。今から約10年前となる2015年に作られた曲ですが、ここでも既にサブリナ独特の喩えのセンスを見ることができます。
"Rumors spread like wildfire
I held a strong ground
But I've been burning down"
(噂は山火事のように燃え広がる
私は一歩も引かなかった
でも燃え落ちてしまったの)
サビ前のフレーズでは、その喩えのセンスとユーモアの絶妙な混ざり合いも確認できます。
"I'm no firefighter
I just need to breathe tonight
So sound the alarm, and there goes the night"
(私は消防士じゃない
ただ今夜は一息つきたいだけ
警報を鳴らせば、夜が過ぎていく)
ここまで、サブリナのユーモアのセンスを楽しめる、私のお気に入りの楽曲を10曲ご紹介して参りました。他にも魅力的な曲はたくさんあるので、また別の機会にご紹介できれば幸いです。
今、最も勢いのあるアーティストとなったサブリナ・カーペンター。今後の彼女の活躍が本当に楽しみです!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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