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1年前の7月13日の私へ


夕方に胎動がないことに気づき、夫の帰りを待ち、「きっと大丈夫…きっと寝てるだけ…」「きっと大丈夫…エコーで診たら心臓は動いてるはず…」と祈りながら病院へ向かった2020年7月13日。

その祈りも虚しく、お腹の娘の心臓が止まってることを告げられ、暗闇に葬られ絶望の淵に立たさていた私に、2021年7月13日の私から手紙を贈ります。

一年前の713日の私へ

一年前の今日、真っ暗闇のなかで未来なんてもう描けないと思っていたけど、1年が経ち私はとてもイロドリあふれる優しい世界で暮らしてます。

それは、お腹の中にいる娘が母親である私に時間をかけて、今もなお教えてくれています。だから、感じたままに悲しみ、苦しみ、娘を想いながら、たくさん泣きたいときに泣いてください。そのままの私でいいのです。

なんで娘の心臓が止まってしまったのだろうか。
なんで最後のサインに気付いてあげられなかったんだろうか。
なんでもっと…。

1年たった今でも、答えが出ないし変えることができない過去だとわかっていても、ことあるごとに私は考えてしまいます。一生の後悔だと自分を責めて苦しくなるときもあります。でも、それでいいです。悲しみと後悔とともに生きていけばよいです。それは娘が私の中にいることだから、娘への想いと私の感情をしっかりと抱きしめて受け止めてあげてほしいです。

お産は、お腹の居心地がよかったのか娘が選んだお誕生日は、処置後に予定していた出産日より4日後になります。出産予定だったクリニックから、大学病院へ転院することになりますが、驚かないでください。そこで、信頼できる担当医と助産師さんに出会えます。そして、お腹の娘とかけがえのない時間を過ごせます。産声がなくても立派なお産で、それはとても幸せな時間になります。

娘を先にお空に見送ることは、耐え難い経験となってしまったけど、そんな中でもお空から娘が示し合わせてくれたかのように、とても大切な「ひと」「もの」「こと」と出会い、繋がっていきます。

その出会いの中で、最初に書いたように、イロドリあふれる優しい世界で暮らしていくことになります。その新しい世界でも辛い出来事もあるし、傷つくこともあるけど、新しく出会った人たちに助けられます。

以前のようにまばゆい輝きはなくても、とてもやさしい光と陰が共存しています。以前のように何かを得て喜びを得る足し算の世界ではなく、私は引き算を学び直し、その世界で本当に大切なものだけを知ることになります。

だからこそ、家族がより愛おしく感じるようになります。夫は優しい人だと知っていたけど、知っていた以上に優しい人でした。結婚して本当によかったと思う出来事もあります。

息子はしっかりお兄ちゃんらしくなります。色々心配だけど、心配をよそに、妹思いの優しいお兄ちゃんに成長していきます。

それから、少し残念だけど、1年経ってもレインボーベビーはまだ授かってません。でも、きっとそれも必要な時間だったし、これから先に必ずレインボーベビーが来てくれると信じています。

でも、たくさんの人に言われたけど、私には時間薬はよくわかりませんでした。回復する薬というか力みたいなものは、私の中に備わっていて、新しい出会いの中で気づくことができました。比較的、誰かに頼ることが得意な私。頼った人への恩返しとして、しっかりと自分の人生と向き合い歩いてください。

2020年7月13日、暗闇の中にいても、娘を想いながら、新しい出会いを大切に。必要な人と繋がり続けてください。悲しみとともに、ゆっくりと私らしく。

また一年後、手紙を書きます。
家族と私が幸せでありますように。
家族と私の願いが叶ってますように。

2021713日の私より






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