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家出の結果


21時間の家出をした。
一人暮らしだけどね、家出と言いたい。わくわくするから。

23時に家を出て、コンビニで飲み物を買い、レギュラー満タンで準備OK。ちなみに、満タンにしたおかげで片道給油なしで行けた。
はじめは秋田の男鹿水族館に行こうと思ったけれど、到着が早朝の4時半頃になりそうで「開館の9時まで何するん、寝るなんて、ぼーっとするなんて、もったいないやろ!!!」と心のオカンが言ったので(※私の母はそんなキャラじゃないです。私の架空オカンです)、
どうしようかな〜と考えていたら、青森の海鮮丼を思い出す。前にテレビで見たことがあって、確か好きな具材をたくさん乗せられたはず。
調べたら男鹿から3時間。海鮮丼は7時から食べれるからちょうどよさそう。青森行き決定。

行きの車では、好きな音楽を流しながら一人でカラオケ大会。歌うと眠気がとぶ。
しかし村上市の北部で運転に飽き、note更新。眠れなかったが1時間ほど目を閉じる。
やっぱ遠出とか辞めようかな、と一瞬よぎるも再び心のオカンが「自分、意志弱すぎんか!?決めたことはちゃんと行動せぇ!!!」と言うため、決意新たに運転再開。いま振り返ると、ここから5時間超を青森まで休憩なしでぶっ飛ばしてた。架空オカンパワーが凄まじい。

当たり前だけど車はほとんどおらずスイスイ走れた。しかし、高速道路ではない有料道路?が多くあり少し戸惑いながら走った。
私はETCカードを作っていながら、ETCの機械を車に付けていない馬鹿者なのだが、有料区間の精算がある度に係員さんが全員「運転お疲れ様です」とか「お気をつけてどうぞ!」と目を見て言ってくれて優しかった。マニュアルだとしても、人から受け取る優しい言葉は嬉しい気持ちになる。私は単純野郎なので、生まれて初めて「ETC付けてなくて良かった〜🎶」と思った。人間同士、会話することで得られる元気が確かにある。

7時半、海鮮丼を食べられる「青森魚菜センター本店」に到着。
お店の中が市場みたいになっているので、チケットを買って、色々なお店で海鮮丼に乗せたい具材を選んでいく。市場の方々は忙しいはずなのに、皆さん元気で親切で笑顔で、優しかった。
私は運転で疲れていたので市場をゆっくり見ることができず、直感でほいほい選んで、一人黙々と食べた。美味しかった。

チケットと具材を交換する
【乗せてもらったもの】
えび、たまご、いくら、ねぎとろ、
たい、ずわいがに、ほたて、ぶり


このまま帰るのはもったいないなぁと思い、青森駅周辺を散策する。
お店が軒並み10時開店で、人も少なかった。
気持ちと時間を持て余したので、駅前広場のベンチに座って時々目の前を通る人を見たり、鳩に怯えたり、道中を振り返ったりした。

皆にとっては新しい朝なのに、私だけ昨日のままだ。その秘密が嬉しくて、心の中でちょっと悪い顔をする。

夜が明けていく空が美しかった。4時に空が藍色になって、4時半には明るくなっていた。6時には木々に朝陽が射していて美しかった。6時半には太陽が眩しかった。この季節の朝が、早く長いことを知った。

誰にとっても、何者でもない私になって、何者でもない私に対しても優しい人がたくさんいて、感動した。

そんなこと考えていたら涙が出て、全てに対して感謝の気持ちがあふれた。
私はどこにでも行けるし、何でもできると思えたら、自分の悩みもちっぽけに感じた。
「相手を許さなければいけない」のではなく「自分が許したいかどうか」だ。今までも「ゆりさんがどうしたいかじゃないかな」と言われていて、そうだよなと思っていたけれど、完全な理解ができていなかった。でも、やっと分かった。そう思えただけで、大きな収穫だ。

開いている珈琲屋さんが1件あったので、テイクアウトして9時半に出発。
ゆっくり青森観光したい気持ちもあったけれど、明日は朝7時に友達と約束していたので必ず帰らないといけなかった。

休憩しつつ、男鹿半島を目指す。男鹿半島は、秋田県のピョって出ている部分で、日本地図で見た感じは小さいのに実際車で移動すると時間がかかった。
海沿いのドライブは気持ちがよくて、やっぱり私は海が好き。戸賀湾は穏やかで、時間があれば浜辺を歩きたかったなぁ。

13時前に男鹿水族館到着。水族館はGWだから混んでいたのと、時間が押していたので展示をサクサク見ていく。

入ってすぐの大水槽が美しかった
シロクマいた
帰る前に食べたきりたんぽ
優しい味で野菜の旨みたっぷりで、美味しかった。


14時半出発。特に男鹿の方はナマハゲ文化があるようで、道端にナマハゲの立像があったり、橋やトンネルにもナマハゲが描かれていた。

さすがに睡魔に襲われるので、休憩しながら運転して20時帰宅。天気にも恵まれて、楽しく帰ってくることができた。SNSを通じて、みんなの愛も感じました。
眠くて辛かったけれど、心は元気になった。意味がある、とても良い家出だったと思う。
家出する元気があるときは、また軽率に家出しちゃおう。

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