見出し画像

2021東京六大学野球秋季 立大ー東大

第2週は東大戦、厳しい2試合が続きました。それでは今週も振り返ってみます。

東大1回戦

スタメン:9道原5田中祥7吉岡3東4山田8宮﨑2黒岩6井上剛1池田陽
ベンチ入り:【out】荘司、岩本【in】池田陽、諸藤

画像1

天候は曇り、この日も向かい風が吹く神宮球場。立教は大きくベンチ入り変更もなく臨みます。

東大先発は右腕エース井澤。1表、四球で出た田中が牽制エラー(写真)で一気に三塁まで進塁、吉岡のセカンドゴロの間に1点先制します。ノーヒットで点が入るのが今季の立教っぽい。

画像2

立教先発の池田は初回こそ無失点に抑えますが、2裏に櫻木・中井・井澤にヒットを打たれ満塁のピンチを背負うと、続く1番宮﨑が右中間へ3点逆転適時打。さらに4番・井上にもタイムリーが出て、この回だけで4連打を含む5安打4失点。東大の脚もある集中打は非常に怖いです。

画像3

池田はその後も続投も、4裏に井澤がライトに放った打球を道原が後逸、大音・井上の連続タイムリーを浴び、4回途中6失点KO。交代した野口がしっかり抑え更なる追加点は許しません。野口は回跨ぎして5裏も無失点。早大戦での乱調とは打って変わり、安定したピッチングを見せました。

画像4

6表、先頭の代打・荒木が四球で出塁すると、道原が汚名返上のツーランHR。逆風の中、ライトスタンドへの弾道は見事でした。

画像5

画像6

さらに田中の二塁打から東の犠牲フライでもう1点追加し、この回3点。2点差に詰め寄ります。

そして長い長い攻撃となった7表。1死走者なしから10者連続出塁などあり、一挙9点を取り逆転。中でも、1死1・2塁から代打で1点差に詰め寄るタイムリーを放った柴田は、春同様シーズン初打席できっちり結果を残すあたりさすがです。

画像7

画像8

また、柴田への代走・諸藤はリーグ戦初出場で初得点、さらに打者一巡で打席が回り、初打席初安打初打点、さらに初盗塁を記録。ベンチ入りしてすぐに結果が残るのは嬉しいことですね。どの写真を掲載するか悩みましたが、やはり初安打のバッティングを。

画像9

6裏から野口に代わって登板していた栗尾は無失点で抑え、またも勝ち投手の権利が降ってきました。

画像10

7裏からはリーグ戦初登板の1年生・が無失点リリーフ。今春の新人戦で先発登板していたときに続き、神宮での好投が続いてます。

画像11

8表には宮﨑(写真)・黒岩の連続タイムリーで2点追加し、差を9点に広げます。

画像12

8裏もが無失点に抑え、9裏は島田が三者凡退に抑えて勝利。開幕3連勝を飾りました。

画像13

立大 100 003 920 = 15
東大 040 200 000 = 6

この日のおまけ:学生コーチチーフ後藤「ひろき〜!」と、誰よりもレフト吉岡に声かけてる率高め。

画像14

東大2回戦

スタメン:9道原5田中祥8宮﨑3東4山田7吉岡2黒岩6井上剛1池田陽
ベンチ入り:【out】森村【in】荘司

画像15

天気は前日に続き曇りも、風はほぼ無風。この日、私は久し振りにバックネット裏からの観戦にしました。いつもと違う座席で、ベンチの中の雰囲気を感じられたり、ピッチャーが投げるコースなどもよく分かります。

アップでは普段、学生コーチチーフ後藤が務める合図を吉岡が指名されて、ノリノリ(笑)

画像16

東大の先発は奥野投手ですが、制球に苦しみ、4四球1死球(押し出し2つ)で降板。2死満塁で登板した松岡投手に抑えられ、初回はノーヒットで2点止まり。

立教の先発は先週に続き荘司。この日は早大戦よりも安定した投球でイニングを重ねます。そして相変わらず帽子が落ちる系のピッチングです。

画像17

3裏は先頭の宮﨑がヒットで出塁。のヒット、山田の四球で繋ぎ、吉岡が犠牲フライで追加点。リードを3点に広げます。

荘司は自身最長イニングを更新し、5回まで無失点も、6表に3連打を浴び、2失点で交代。次の回に打席が回り、そこで代打が出る想定だったと思いますが、なんとかこのイニングは投げ切れていればと思うシーンでした。1死2塁からリリーフ登板した栗尾は、三振、ピッチャーゴロでピンチを切り抜けます。

画像18

直後の6裏、四球2つなどで二死1・3塁とし、このイニング途中からリリーフ登板の井澤からがレフトへタイムリー。失点した直後に得点できるのは大きいです。これでリードは2点。

しかし直後の7表に栗尾が捕まります。辻村に二塁打を許すと、大音の適時二塁打、井上の2点逆転適時打で3失点。なおも松岡の当たりもライト前に落ちようかという打球でしたが、途中出場のライト太田がスライディングキャッチのファインプレー。これが取れていなければもう2点失っていました。

東大の井澤投手は前日に先発で96球投げていますが、変化球を交じえ早い段階で有利なカウントを作られ、立教打線は凡打が続きます。やはりフォアボールを出さないピッチャーからなかなかチャンスは生まれません。

8表から登板していたも、9回に四死球からピンチを招き、松岡にライト線へ2点適時二塁打を打たれ勝負あり。

画像19

東大 000 002 302 = 7
立大 201 001 000 = 4

東大の見事な打線のつながりに、打ち負けました。東大に敗戦するのは2016年秋季以来です。

所感

東大に限らずですが、いかに四球を許さないかどうかが大事ということを感じた2日間でした。1回戦は東大救援陣(小宗〜西山)の3連続四球から大量得点に繋がった一方、2回戦は井澤が3回3分の2を無四球。やはり試合終盤に向けて試合が壊れない安定感があるのは、守る側からしたら計算が立ちますね。井出監督がビハインドで井澤投手をマウンドに送ったタイミングが完璧でした。

また、今年の東大はなんと言ってもデータに裏付けられたアグレッシブな走塁があげられるかと思いますが、1回戦では快足の阿久津、2回戦では4番の井上(写真)に決められました。どちらも直接の失点には繋がっていませんが、ランナー2塁の場面などは非常に嫌らしく感じたものです。

画像20

↑ピントが塁審にきてて自分のスキルのなさに凹む。中央1点にしておけば。

一方で立教も1回戦で諸藤が盗塁を決めましたが、強肩・松岡(写真)の送球は素晴らしいなと思います。どうしても比較対象が黒岩になってしまいますが、イニング間のセカンドスロー、精度は高いように感じました。ベンチでもいい声を出して、雰囲気ありますね。

画像21

2回戦の失点シーンを振り返ると、栗尾が井上に逆転タイムリーを打たれた打席、カウント2B1Sからボールを与えてしまったのが手痛かったなと感じました。そして井上は次の甘く入った変化球をしっかりセンター前に運び逆転。好球必打。また、全体的にセンターから逆方向への長打が目立ったように思います。

また、最終回に最後の打者になった代打・柴田ですが、逆転を許す直前の6裏2死満塁、井澤が山田を打ち取っていなければ、続く栗尾の代打としてネクストに控えていました。結果、この次のイニングで栗尾が打たれたのですから、ここはターニングポイントだったなと、野球の流れの怖さを見ました。

立教の終盤の打撃陣は井澤の130km/hほどの直球と、120km/hほどの変化球にうまくかわされ、特にボール球を振らされているのがもったいなく感じたところです。

また、バックネット裏から見ていると、途中から守備に就いた太田(写真)のベンチでの存在感をとても感じました。彼が試合に出てから、リードを許した展開になったとは言え、ベンチ(ホーム寄り)からの声が小さくなったように感じたからです(外野寄りは守備中は後藤の指示がとても細かく盛り立ててる)。プレーだけではなく、このような姿勢がキャプテンらしさを感じさせます。

画像22

東大リードの終盤、球場の雰囲気は東大寄りになり、ストライク1球、アウト1つごとに拍手が大きくなるアウェイ感、なかなかキツかったと思います。また、僅差のリードでの終盤の東大は浮き足立つイメージが多かったですが、2回戦で浮き足立っていたのは立教でしたね。空き週を挟んで後半戦に良いコンディションで臨めるように願っています。

今週のスタッフ紹介!

第2回は泉名剛大データチーフ(済4・東農大二)をご紹介!

画像23

ボールボーイやバット引きを担当し、攻守交代の際にもスムーズに試合が進むように補助。ベンチ周りを駆け回っています。マスクをしているので表情は見えにくいですが、熱い気持ちが伝わってきます(補助員が待機しているベンチの片隅が、反対側からでないとよく見えないのが残念)。

ちなみに野球部SNSが掲載していた誕生日の投稿には「味を出す」。野球部HPでの今の目標は「どんな形でもチームに貢献する」と、献身的な姿勢を体現してますね。この写真からは味が伝わるでしょうか…?

画像24

彼の兄・翔大郎さんは2018年度の慶應の学生コーチ。こちらの記事が詳しいです(高木遊さんとは私も面識があるのですが、高木さんの記事はいつも痒い所に手が届き、素敵な文章だなと拝見しています)。
学生コーチ後藤チーフのお兄さんも日本一になった世代の慶應の学生コーチ。慶應戦での彼らの働きには特に要注目で応援しています!

この記事が参加している募集

#スポーツ観戦記

13,504件

継続した撮影活動のため定期的に機材の点検修理を行っています。 もし私のご活動をサポートいただける方がいらっしゃいましたら、機材経費に充てさせていただけますと幸いです。