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好きだったはずの海

私は、ダイビングサークルに所属しています。

ダイビング好きなんですけれど今は全く潜りたくない気持ちなので綴ります。

水が好きだった

私は、昔から水が好きでした。
水というのは海もプールも全て当てはまります。

小さな時から家族と釣りに出かけたり千葉の海に遊びに行ったり、友達とひたすら区民プールに通ったりしていることが多かったです。

休みの日に、父から海行こうと誘われた時はいつも心が踊っていました。

ダイビングのはじまり

私は、昔からダイビングに興味があったのでダイビングの資格(OWD)が取れることにワクワクしていました。

しかし、ダイビングの資格を取って以来潜っていません。
その気持ちを綴りたくなったので書きます。

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ダイビングって果てしなく続く綺麗な海をスイスイ自由に泳ぎ、海の中で魚になったように泳げる最高なものだと思ってた。

魚と一緒に泳げるなんて、想像しただけでワクワクしちゃう。

そんな私にとってダイビングはそんな優雅なものじゃなかった。

初めて酸素ボンベをつけて浅瀬で泳いだ時、まだワクワクが残っていた。息継ぎをしなくて良いことにも驚きを覚えながら真剣にインストラクターの話を聞いていた。

しかしライセンス合宿ではダイビングの魅力には気づけなかった。

マスクが鼻まで被っているので、鼻呼吸はできない。普段慣れない口呼吸で過ごす時間。

私の潜った海は濁っていた。突然深くなると浅瀬とは違って足をつく場所もなく不安しかなかった。濁りによって下は真っ暗で、「下はすぐそこにあるよ」とインストラクターに言われても下が見えない恐怖と戦っていた。

真夏で外は暑いのに、借りたダイビングスーツがぶかぶかで海中では寒気を何度も感じた。

ダイビングは、酸素ボンベで酸素を常に供給しているため急いで浮上しようとする行為は体への影響も出やすい。"もし上がりたくなってもすぐには上がれないんだ"とずっと頭の中でそのことばかり考えていた。

海の中はどこへでも行けそうなほど広がっているはずなのに、なぜか窮屈に感じてしまう。狭い水の中にいるような。水槽にいるような。

私自身、時々感じていたのが"狭いところが苦手"なのではないかということ。よくテレビで狭い洞窟を取材しに行く番組などを見るが、どんなに絶景が待っていようとそのような場所には興味がそそられなかった。岩が体に当たっているのに進むなんて、帰ってこれない時はどうするのかと心配で仕方なかった。

そんな感情と似ていたのがダイビングだった。地上に上がって来れない恐怖、酸素が常に送られ呼吸状態がいいはずなのに窒息しているような気持ちになってしまう。

ライセンス合宿は3日間に分けて行われたが、私は1日目でダウンし、2日目は海中ことを考えるだけで潜りたくなくなり、気にしすぎて吐き気をもよおしたり、全く1日楽しめなかった。

どんなに考えても、海が嫌いになってしまったのかなとしか思えなくなっていた。だけど、海が好きだった頃の気持ち、その気持ちを今回で無くしたくない。その一心だった。サークルの同期に海中での落ち着き方を教えてもらったり、優しいインストラクターさんに私のペースで指導していただいたり、3日目にしてついに資格に必要な海での実習を終え、無事OWDの資格取得を達成した。

OWDの資格を取ることにもこんなに苦労した私の恐怖心はまだ拭えていない。しかし、海での魚には癒されたし、普段なら少し避けたいナマコですら私に落ち着きを与えてくれた。

海は神秘的で解明されていることも少ない不思議な空間である。そんな不思議さに引き込まれることもあれば恐怖を覚えることもある。そんな魅惑的な海をこれからも好きでいたい。
lily.


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