“刺さる”と噂の『傲慢と善良』|読書録
とても久しぶりに小説を読みました!
ひょんなことから知った『傲慢と善良』。面白くて、ヒリヒリしながらも2日間で読了しました。最近は自己啓発本ばかりに気を取られていましたが、伝えたいテーマのある小説って、私たちの人生と心に寄り添いながら的確に言語化してくれるのだな〜と感じます。気づきを与えてくれる上で、ストーリーも面白かった!今回は映画化も決まっているこの作品について、感想と学びを記録します。
恋愛・結婚をベースにしている話なので、結婚適齢期世代にはストレートパンチになりかねない作品ですが、これは読み手によって受け取り方が結構変わる作品ではないかと踏んでいます。結婚、親、環境、思考の癖(価値観)など、“刺さる”要素が多方面にあるからです。たとえば私は30歳・女性で独身ですが、同年代・同性の既婚者にも別の視点で“刺さる”要素があるとも思います。他の方の感想に流されてしまわないよう、レビューの類は読まずにこのnoteを書いているので実際には分からないですが…(投稿し終わったら読んじゃおっと)。そういう意味で、映画化にあたりこのストーリーがどんな風に切り取られるのかも少し気になります。
本題に入る前に、ネタバレは嫌…!という方は
念のためここでお戻りくださいませ〜 𓂅
さて本編についてですが、特に前半部分は、テーマ性の強い小説だな…という印象を受けました。なるほど、これは単なる恋愛ものやミステリではなく人生における「選択」と「自立」をテーマとした話なんだな、と。
個人的には「あ〜それ、分かる、私もそれをずっと感じてたの」みたいな、最近の自分の中にある違和感を言語化してもらったような気持ちにもなりました。
自己愛による〈傲慢〉さと、〈善良〉さの矛盾。この作品、〈善良〉ということばを選んでいる点がニクいな〜と思います。「素直」という表向きの意味と、「馬鹿正直」とか「融通が効かない」という裏向きの意味を、うまく共存させた熟語を選んでいる点がズルいというか、なんともニクい。
結婚ひとつにおいても、現代の「選択肢の多さ」に、周り(世論や身近な人たちの価値観、タイミング)に流されるままにいる人たちが少なからずいます。現代社会においてアップデートされた選択肢の多様化を、本当の意味で自分のものにできない大人たち。これはかなり共感が持てました。選択をするには労力と自己肯定感が必要だとおもうのですが、年始にnoteの記事にもした通り、私自身あまり得意ではなくて、今年の目標に「自律」を謳うほどに、ここ最近ようやく「“私は”どう生きていきたいのかを大切にしたい」と思えるようになりました(むしろそういう状況だからこそ自立というテーマ性をこの小説に感じたのかもしれません)。
何度も繰り返される〈傲慢〉と〈善良〉に係る考察に、「そんなこと言われても、じゃあどうしたら良いの〜」という答えを求める気持ちで読み進めてしまいましたが、そう考えている時点で、私はやっぱり『誰かに決めてもらうことが多すぎて、“自分がない”』のだと思います。
ストーリー後半は疾走感に任せてぐんぐん読み進めましたが、読後は本当に読んでよかったと思える一冊でした。最後に、作品内でいちばん学びとなった言葉を添えて、終わりにしたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
また次もお会いできたら嬉しいです♩
それではまたね~!
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